サイバーエージェント日高裕介副社長が、どんなに忙しくてもゴルフを続ける理由とは?

若者のゴルフ離れが囁かれるようになって久しい。そんななかでも、変わることなくゴルフを愛し、クラブを握り続けるサイバーエージェント取締役副社長の日高裕介氏に、ゴルフの魅力と、それが仕事や人生にもたらすものの大きさを語ってもらった。 


毎週末ゴルフをするためにメンバーを自ら開拓

「初めてゴルフ場に出かけたのは、26歳の頃。仕事が忙しくて、毎日会社に籠っていた時期だったので、すごくいいリフレッシュになったんですよ。変な言い方ですが、上京以来、初めて自然を身近に感じたというか……。他の競技とは違い、大人になって初めて体験するスポーツだったのも新鮮でした」

ゴルフとの出合いについて、そう語るサイバーエージェント取締役副社長・日高裕介氏。瞬く間にゴルフにハマり、夜中、仕事が終わってから練習に行き、ゴルフ合宿にも参加したほど。ラウンドも、毎週末行っていた。

ゴルフを始めた頃から使い続けているのが、テーラーメイドのユーティリティ、レスキュー。困った時に頼れる、お守りのような存在。

「毎回付き合ってくれる人はそうそういないので、新たにハマる人を、自分で開拓していました。一緒に回り、『おっ、やるね』とか『いいじゃん、いいじゃん』とほめまくり、その気にさせるんです。初心者だと、走り回っただけだったな、などと心が折れがちじゃないですか。それでも『また、やりたい』と思ってもらうには、とにかくほめるしかない!  仕事で新人をほめて巻きこんでいくのと一緒です(笑)」

その後、5〜6年は年間50〜60ラウンドをこなし、平均スコアは80台前半。ベストスコア77を記録するまでに。

「子供が生まれてからはラウンド数はぐっと減りました。スコアも90前後に落ちましたね。でも、まったく気にならないんですよ。今は、気持ちよくプレイできれば、それで十分」

ストイックにスコアを追求するゴルフから、気持ちのいいゴルフへ。今の日高氏にとって、ゴルフはコミュニケーションの場としての位置づけが大きいという。しかも、社外だけでなく、社内でも、だ。

「当社は今、ちょっとしたゴルフブームで。1年半ほど前からインターネットテレビ局『AbemaTV』でもゴルフの生中継を積極的に行ったり、今年はスポンサーとして『AbemaTV ツアー』を展開しています。そのせいか、若い社員がゴルフに興味を持つようになったんです。社内コンペもけっこうやっています。全社あげてというものもあれば、事業部ごとのものも」

なかでも、回を重ねているのが、日高氏が主宰する「ヒダカップ」だ2011年から開催され、今年で16回目。当初は真夏や真冬も含めて年4回行っていたが、現在は年2回程度に落ち着いた。

6 月上旬に、KOSHIGAYA GOLF CLUBで開かれた第16回ヒダカップには、約30人が参加。コンペ後のバーベキューも盛り上がった。

「参加者は、私が担当するゲーム事業部が中心ですが、他の部署の社員をゲストに招くこともあります。これが、私にとって、いいコミュニケーションの場になっているんです。他部署はもちろん、同じ部署でも、ふだんあまり接点がない社員と交流できて、楽しいですね。それに、ゴルフは性格が出るので、人となりがよくわかる。より踏みこんだコミュニケーションがとれる点も、魅力だと思います」

コンペの幹事で培った”ダンドリ力”は仕事に活きる

ゴルフはコミュニケーションの場。それを重視し、スタイルも変えた。現地集合・現地解散をやめ、会社近くに集合して、バスでゴルフ場に向かい、プレイ後、表彰式を行ってから、再びバスに乗りこみ、全員揃って帰るように。ゴルフ場に加え、バスの中での宴会で、交流はより深まるようになったという。それと同時に、「コンペは若手が経験を積む場」とも、日高氏。

「コンペの幹事は持ち回りにし、なるべく若手にやってもらいます。ゴルフ場選び、参加者の出欠に組み合わせ、バスの手配、マナーや練習についての通達。幹事がやるべきことは多いので、これをこなせば、”ダンドリ力”は数段アップするはずですし、ホスピタリティ精神も鍛えられます。そのスキルは、仕事にも絶対に役立つはず」

社内には若いゴルファーも。コンペ前には、上級者が初心者に教える自主練も行われているそう。「それも交流の場のひとつ! 」

ゴルフは、いくつになっても始められるスポーツといわれる。けれど、仕事に活きる能力が磨けるなら、早くから始めるにこしたことはない。

「それに、ゴルフは止まったボールを打つという独特な動きをするので、自分の身体をイメージ通りに動かせる若いうちのほうが身につきやすいと思います。上達には数打つことが大切ですが、その体力も若いほうがありますし。第一、若い頃に土台を身につけておくと、ブランクがあっても、それなりにできる。そのうえで、年を重ねたことで身についたメンタルを強みにし、冷静に、論理的なプレイをすれば、さらに上を目指せるかもしれません」

Yusuke Hidaka
1974年宮崎県生まれ。慶應義塾大学卒業後、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。藤田晋氏に誘われ、サイバーエージェントを共同で設立し、常務取締役に就任。2010年より現職。ゴルフ歴18年。ベストスコア77。


Text=村上早苗 Photograph=杉田裕一