賞金は1億円超え! 海のF1「セールGP」が持つエンタメとしての可能性①

ヨットレース界に新風を吹き込む、世界最高峰の国別対抗戦「Sail(セール)GP」の2シーズン目が2月28~29日にオーストラリア・シドニーで幕を開けた。100万USドル(約1億812万円)の優勝賞金を懸けた"海のF1"と称される新たなるエンターテイメント。チーム数も大会規模もボリュームアップを果たした2シーズン目の幕開けをゲーテWEB編集部員が密着取材。その可能性と魅力を全3回でお届けする。

世界最大かつ世界最速の"海のF1"

今年もまた、オペラハウスやハーバーブリッジを望める美しきハーバーを世界最大(全長約15m)のヨットレース挺が世界最速(時速約100km)のスピードで疾走した――。

"海のF1"や"空飛ぶヨットレース"とも称され、ヨット界に新風を巻き起こしている「SailGP」。昨年よりもさらにアップグレードを果たし、2シーズン目の開幕を迎えた。  

開催地は今年からコペンハーゲンが加わり、全6戦(シドニー・2月、サンフランシスコ・5月、ニューヨーク・6月、カウズ・8月、コペンハーゲン・9月、マルセイユ・10月予定)とグランプリの規模を拡大。参加国もオーストラリア、日本、イギリス、アメリカ、フランスに加え、今年からはスペインとデンマークが新たに参戦して計7チームに増えた。優勝賞金は昨年同様、約1億円だ。

まったく前例のないグローバルリーグの2年目初戦は、新戦力で臨んだイギリスが圧倒的な力を示して制した。2位には、昨年覇者のオーストラリア、3位には、昨年準優勝の日本が入った。

日本チームの最高執行責任者の早福和彦氏は「イギリスチームがここまで完成度が高かったことには正直驚いているが、新たなベンチマークとしてこれから学んで少しでも近づき、最終的には追い越したい。目標はもちろん優勝」と初戦を振り返る。

その上で、2年目を迎えたSailGPの可能性については「チーム数も増えて、ヨットもさらに進化しており、また面白くなった。この素晴らしいスポーツをもっともっと広めていきたい」と熱っぽく語った。

世界に誇る巨大エンターテインメントに

SailGPは、オラクルの創業者でヨットを愛する世界有数の富豪であるラリー・エリソンと、伝説のセーラーのラッセル・クーツという2人により設立された。大会の運営方式などに魅力を見いだしたセーリング五輪メダリストや世界最古のトロフィーレースとされるアメリカズカップの有力選手も続々と参加。 大会メインスポンサーは、オラクルに加え、ロレックスが名乗りを上げ、世界各地で生中継も実施され、日本ではDAZNがLIVE配信を行っている。

初戦を制したイギリスには、自転車ロードレースやF1チームにも出資する国内最大の化学会社「INEOS」など計3社がチームスポンサーとして支援。デンマークも、大企業「ROCKWOOL」の支援を取り付けて今年から参戦し、その力によって9月の自国開催へとつなげた。知名度は、まだまだF1には遠く及ばないが、その価値に気づいた世界のマーケットが"先行投資"をし始めていることも事実。

SailGPのメインスポンサーとオフィシャルタイムキーパーの座を初年度から買って出ているロレックスは、公式HPで以下のように記している。

「SailGPはヨットレースの発展に貢献し、ロレックスとヨット界との60年に渡る絆をさらに強固なものとする。ロレックスはハイレベルな技術力と優れた能力を持つ個人を結びつける数々の偉業やスポーツ分野を常に高く評価してきた。SailGPはまさにそのビジョンを体現するものである」

ロレックスといえば、テニスの4大大会やゴルフのマスターズなど格式を重んじるメジャー大会のスポンサーを務めているのが世間的に知られるところ。そんなスポーツへの理解が深い"本物志向"のブランドが大々的に投資をしているところが、歴史の浅いSailGPが持つ最大のポテンシャルだろう。

②に続く


Text=鈴木 悟(ゲーテWEB編集部)