異次元の感覚を味わうことができる『マクラーレン720S』の魅力とは?【オーナーに聞く】

古今東西の名車を楽しんできたエンスージアストが、最後に辿り着いたのはF1のテクノロジーを注いで開発されたスーパースポーツ、マクラーレン720S。マクラーレン720Sとの衝撃的な出合いや、このクルマに乗ることで得られるインスピレーションなど、実際に所有するドライバーの言葉には重みがあった。


スポーツカーの常識が覆された

マクラーレン720Sは、 その名の通り最高出力720psを発生する4ℓ V型8気筒ツインターボエンジンをドライバーの背後にミドシップマウントしている。0-100km/h加速はわずか2.9秒、最高速度は341km/hを誇る。¥35,300,000〜 ※納車および登録が2019年10月以降のため、2019年8月29日現在の情報に基づき消費税10%込みの価格で表示しております。

長野県で観光や飲食などを幅広く手がける企業を経営する齊藤さんは、英国車好きな父上の影響で幼少時からクルマが好きだった。長じてスーパーカーからヒストリックカーまでさまざまなクルマを経験した齊藤さんが、マクラーレン720Sに試乗したのは2019年の4月のことだ。

「知り合いのマクラーレンの助手席に乗せてもらったことがあって、これは一度自分でハンドルを握ってみたいと思いました。そこで赤坂のショールームを訪ねてマクラーレン720Sを試乗させていただいて、衝撃を受けました。瞬時に移動するかのようなワープ感があって、しかも安心してワープできる。いろいろなクルマに乗ってきましたが、初めて味わう異次元の感覚でした」

齊藤さんはマクラーレン720Sに乗って、スポーツカーというものに対する常識が根底から覆されたという。

「いままでは、スポーツカーの楽しさはリスクややせ我慢と引き替えだと思っていました。乗り心地が悪かったり、渋滞にハマるとオーバーヒートしてしまう心配はあるけれど、調子がいい時は楽しい乗り物なんだと思っていたんです。ところがマクラーレンは乗り心地がいいし、運転席に座った時に死角がないから運転がしやすい。それでいて思った通りにバシッと走るスポーツカーの楽しさは圧倒的です。代償なしに楽しめるという点で、いままでの常識がひっくり返りました」

確かにマクラーレン720Sは、街中でも扱いやすいエンジンを搭載するうえに乗り心地もしなやかだ。齊藤さんのお話をうかがいながら、レーシングドライバーたちが異口同音に運転しやすいマシンのほうが速く走れると語っていたことを思い出した。逆に、一発の速さがあっても運転がしにくいマシンは、レースでは勝てないのだという。

F1直系の技術で開発されるマクラーレンだからこそ、レースで得たノウハウが注ぎ込まれることで運転のしやすさとスポーツカーの楽しさ、そして信頼性の高さが高次元でバランスしているのだろう。

伝統と革新の鮮やかな対比

幼い頃から英国車に囲まれて育ったという齊藤さんに、マクラーレン720Sに英国らしさを感じるかという質問をしてみた。

「実は、マクラーレンがマクラーレンMP4-12C(註:マクラーレンはこのクルマで本格的にスーパースポーツの市場に参入した)を発表した2011年に、ロンドンでこのクルマが展示されているのを見たんです。F1の会社がこういうのを作るんだと思うのと同時に、イギリスらしいとも感じました。イギリスって王室がある一方で、パンクロック発祥の地でもあるじゃないですか。英国のクルマ作りや、F1の伝統と革新的なクルマ作りが融合しているあたりにブリティッシュネスを感じましたね」

齊藤さんはマクラーレン720Sで地元信州のワインディングロードをツーリングしたり、南伊豆までドライブ旅行に行くほか、仕事で松本と東京を往復する時にも使っている。

「やはり安心感、信頼感がベースにあるからこそハンドリングが楽しめるということを痛感しています。自分の手足になったかのようなフィット感もマクラーレン720Sの美点ですね。クルマって、素の自分に戻れる個室じゃないですか。このクルマに乗っていると、マインドがリセットできたり、思考がポジティブになったり、仕事にも好ましい影響を与えてくれます」

目的がある筋の通ったデザイン

マクラーレン720Sのデザインで、最も好きなアングルを尋ねると、「真正面から見たところが好きですね」という答えが返ってきた。

「空気がここを通ってダウンフォース(空気の流れで車体を地面に押しつける力)を発生するという、デザイナーやエンジニアの意図がよくわかるんです。カッコだけではなく、きちんとした目的がある筋の通ったデザインというのかな」

齊藤さんが言うとおり、マクラーレンは720Sに限らず理詰めでデザインされている。装飾のためでなく機能ありきのデザインで、それが個性的な造形につながっているのだ。このあたりも、サーキットから生まれたスポーツカーらしい特長だろう。齊藤さんも、「クルマとしてだけでなく、その背景にある設計思想や哲学まで共感できるのがマクラーレンのすばらしいところです」と、深くうなずいた。

最後に、齊藤さんにとってマクラーレン720Sとはどんな存在かをうかがった。

「インスピレーションを与えてくれる、信頼できるパートナーといったところですね。実はまだ、ドリフトコントロールという機能を試していないので、早くサーキットで体験してみたいと思っているんです」

こう言ってから齊藤さんは、「いろいろなクルマを経験してきましたが、フィーリングも走りも、マクラーレンが最も完璧じゃないかな」とまとめた。クルマ好きが最後に辿り着く究極の1台。それがマクラーレンなのだ。

マクラーレンは「スポーツシリーズ」、「スーパーシリーズ」、「アルティメットシリーズ」の3つのラインでモデルラインナップを構成する。マクラーレン720Sは「スーパーシリーズ」の中でもよりスーパースポーツで、齊藤さんがお乗りになるクーペのほかにスパイダーも用意。取材した日は30度をはるかに上回る真夏日だったが、もちろんエアコンは完璧に作動し、快適なドライブを提供する。


マクラーレン東京 赤坂ショールーム
住所:東京都港区赤坂7-1-1 青山安田ビル1階
TEL:03-6438-1963
営業時間:10:00~19:00、土・日曜~18:00


Text=サトータケシ Photograph=岡村昌宏(CROSSOVER) Cooperation=ウルフギャング・ステーキハウスSignature