3日間で33万人超! 東京オートサロンはなぜ人気なの?~吉田由美の世界のクルマ見聞録⑮

女性カーライフエッセイスト・吉田由美は、日本列島だけでなく世界中のさまざまな国にひとりで飛び、クルマの最先端を肌で感じ続ける"現場主義者"である。ゲーテWEBでは『吉田由美の世界のクルマ見聞録』と題し、彼女が実際に現地に出向き「見て、聞いて、乗って、感じた」ことを独占レポート。第15回は1月10~12日に開催された「東京オートサロン」について。    


自動車業界の賀詞交歓会!?

毎年、年初に行われる「東京オートサロン」。今年は1月10日(金)~12日(日)まで開催されました。

自動車業界の年始めのイベントで、こちらが仕事始め、という方も少なくなく、またここに来れば自動車関係者に会える可能性も高いということもあり、初日のプレスデー(午後から一般公開)は自動車業界の賀詞交歓会的な雰囲気です。

私も以前はこれが仕事始めということも多かったのですが、さらに年明け早々に開催される「デトロイトモーターショー」や「CES」の取材などに行くようになってからは、もっと年初から仕事をすることが多くなり、オートサロンに行く頃にはすっかり通常営業となっています。

2020年は1月2日から仕事を始めているので、すでに1月10日ともなるとお正月感がなく、「あけましておめでとうございます」という気分ではありませんが…。

東京オートサロンとは、もともとチューニングカーやカスタムカーの祭典として1983年から開催されています。"87年から「東京オートサロン」に改名し、国産自動車メーカーが続々メーカーとして出展。ここ数年は輸入車メーカーも続々出展し、今年はマクラーレン、ボルボ、GM、アストンマーティンなどが新たに出展しています。

東京モーターショーよりも参加型 

現在、日本国内の大きな自動車系イベントというと、昨年開催された「東京モーターショー」が隔年開催、そして毎年年初に開催される「東京オートサロン」があります。

大きな違いは「東京モーターショー」は、世界各国のモーターショーと同様、主に自動車メーカーなどが多数出展し、主催は日本自動車工業会。最新のモデルやコンセプトカーなどを展示し、最先端の車や技術の発表の場という雰囲気ですが、モーターショーでは基本的に車を販売しません。(タイなど新興国のモーターショーは別)しかしこのスタイルのモーターショーはどこの国でも苦戦中。日本では昨年開催されましたが、さまざまな新しいアイデアを投入して130万900人の入場者数となりました。

一方の東京オートサロンは今でこそ国内外の自動車メーカーが多数出展していますが、もともとは街のカーショップなどが出展する雑誌社が主催するイベントでしたが、現在は国内の自動車メーカーも多数出展。ここでもスポーティーな新型モデルの発表やレースの体制発表会が行われたり、レースクイーンコンテストや派手なコスチュームを着た女性たちが会場を彩ったりと東京モーターショーに比べると参加型で雑多な感じ。

しかし、むしろそこが人気の秘密なのかもしれません。一般ユーザーに近い人たちが多数出展していることでその関係者も来るでしょうし、クルマ好きの愛を感じることでしょう。そして「オートサロン」のほうが手作り感があり、クルマの楽しみ方もいろいろ。もともとはカスタムカーの祭典だけあって、 なかにはもともとの車種がわからないほどカスタマイズされることも。    

市販の現行モデルはもちろん、レーシングカーあり、超高級車あり、痛車あり、旧車ありと車種も車の年代もバラエティに富んでいます。例えば昨年に続いてカスタムカーで多かったのはジムニーのバリエーションで、メルセデスベンツのGクラス風にカスタムしたり。去年発売されたトヨタ スープラのカスタムカーも今回は人気でした。中にはもともとの車種がわからないものがあったり。そんな車でくすっと笑えるところもこのイベントの魅力です。

新型コルベットの予約に合わせて出展したGM

東京オートサロン事務局長の坂井正治氏に、東京オートサロンの魅力を伺ってみました。

坂井:「出展者の皆さんが競い合っていろいろ新しい提案をしてくださるからではないかと思います。たとえば金曜日は特別招待日で、この日のチケットは各出展者さんがお客様や関係者の方にチケットを配りたいという意見が出され、それを実行しました」

由美:「確かに金曜日にしか私は行っていませんが、朝早くから駐車場が大混雑で、肌感で『今年は入場者数が多いだろうな』と思いました」

坂井:「新しいところではGMさん。今回は新型コルベットの予約に合わせて出展してくださいました。みんな新しいネタを仕込んで下さるのです。金曜日はプレスデーでもありますが特別招待日でもあるので、出展者さんが特別なお客様と判断して招待券を渡せば入場できます。今年は一般公開日でも特にアジア系のお客様が多く、若者が増えたような気がします。それと、日曜日だけは+1時間、開催時間を延長していますが、今年は特に月曜日がお休みだったので来場者が来やすく、入場者数が増えたのだと思います。来年は今年に比べるとカレンダーの関係で入場者数が減るかもしれないので、対策を練ろうと思っています」

由美:「来場者はモーターショーとオートサロンでは来るお客様は同じなのでしょうか?」

坂井:「数年前にとったデータですが、オートサロンとモーターショーの両方を見に行く人は全体の3%でした。オートサロンが目指しているのは『お祭り』です」

由美:「手作り感があるので、自分たちが参加している車のイベント的に思われているのでしょうか?」

坂井:「そうですね。だからお祭り感が継続できているのかも。お客様を飽きさせないために毎回変化させています」

由美:「少し気が早いですが、来年はどうするんですか?」

坂井:「また何か思いつくのではないでしょうか?」

由美:「今年は、私とカーライフ・ジャーナリストのまるもさんが主宰する『クルマ業界女子部』で会場のテレビやYouTubeに流す『オートサロンTV』に出演させていただきましたが、来年も楽しいことができたら嬉しいです」

今年の東京オートサロン3日間の入場者数は過去最高の33万6060名。出展者数もブースの数も前年比増。自分のお気に入りの何かを見つける、まさに最新でありアナログでもある自動車系究極の「宝探し」ゲームなのかもしれません。  

Yumi Yoshida
岩手県生まれ。カーライフ・エッセイスト。自動車評論家(日本自動車ジャーナリスト協会理事)。短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、女性誌など広く活動中。3つのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は、ピーク時で1日約20万アクセスを誇る。持っている資格は、普通自動車免許、小型船舶1級、国内A級ライセンス、秘書検定、ECO検定、カラーセラピー。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本ボートオブザイヤー選考委員。