指揮者 佐渡 裕が音楽で人と共生するために選んだアウディ


指揮者 佐渡 裕 / アウディ S7 スポーツバック

現在、国際的に活躍する指揮者の佐渡裕さん。バーンスタインについていた修業時代の足は専ら汽車だった。だが実力が認められていくうち、乗り物は大好きなクルマになった。

「当時のクルマはシトロエンDVC。エアコンは三角窓。毎日オイルを足してやる奴でね(笑)」

小澤征爾にも薫陶を受けたその非凡な才能は、後に世界で名声を高めていき、2011年には最高峰といわれるベルリン・フィルハーモニーでもタクトを振り、大喝采を得た。

「ベルリンフィルではかつてない体験をしました。今まで2000ccのクルマしか運転したことがないのに、6000ccのクルマを与えられた感じです。圧倒的な音量と敏感な反応力で、どこまでアクセルを踏んでいいか正直怖くなったほど。でも踏み切りました。オーケストラの力を最大限まで引き出すのが指揮者の務めですから。演奏者によってはすべてを出したがらない人もいますが、僕が来たら1から10まで出してもらう。リーダーとして指令を出す覚悟がなければこの仕事はできません。同時に、個人の創造性を引き出すのも重要な仕事。解放と集中、統率と自由。それはだんじり祭りの親方のように、団扇(うちわ)を振ってスピードを落とし、アクセルを踏んで最高の場所に連れていく。それが僕の役目です」

さらに東日本大震災後に変化した音楽観も話してくれた。

「震災直後に釜石を訪ねた時、吹奏楽団が僕たちのために『上を向いて歩こう』を演奏してくれたんです。津波で楽器が流された人は手拍子で参加してくれて。切符を切る人、掃除をする人。皆がひとつになって音楽を創る姿を見た時、僕は音楽とは、時間を共有する最高芸術なのだと理解しました。この場に居合わせて、この瞬間を生きる悦び。それを共有できるのが音楽だと、真にわかったのです」

人と共生する大切さ。その価値観は愛車との時間も同じだ。

「僕は誰かと一緒に時間を過ごすためにクルマに乗りたいんです。このアウディS7スポーツバックは会話を邪魔しない静かな走りが魅力。エンジンをかけた瞬間は男心をくすぐるのに、妙な主張はしない。そのバランスが絶妙だと思います」

実はアウディとは縁がある。

「ベルリンフィルの仕事が決まった時、まさにハンドルを握っていたのがアウィ。幸せな気持ちでバーデンバーデンの道を走りました。逆に仕事で辛い時は、僕は独り車中で思いきり笑うんです。愛車と僕は、そんな付き合いをしています」

S7には高音質のB&Oオーディオが装着。演奏会の曲目を車内で聴くことも。
年末はドイツの名門、ケルン放送交響楽団を率いた「第九」の公演だ。
死ぬまでに乗りたいクルマ
●アウディ・サルーン
●レンジローバー 
●ポインター号
アウディとは今後も長く付き合っていきたいと話す。ポインター号は『ウルトラセブン』に登場する地球防衛軍の警備車輌で、少年時代の憧れだった。
Yutaka Sado
1961年、京都府生まれ。バーンスタインと小澤征爾に師事し、現在は各国のオーケストラで演奏を行う。情熱的な指揮とオープンな人柄が国内外で人気。


Text=大谷達也  Photograph=大森直  Styling=大西陽一  Hair & Make-Up=小田切ヒロ(LA DONNA)

*本記事の内容は14年10月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)