フェラーリから走りを追求した最強武闘派モデル誕生。ジュネーブモーターショー最新レポート

3月8日にスイスで開幕したジュネーブモーターショー。今年初の世界規模となるモーターショーとあって、会場は多くのメディアや関係者が集った。なかでも、フェラーリのニューモデルお披露目の瞬間は大盛況。「フェラーリ488ピスタ」ワールドプレミアのレポートを公開!

フェラーリのニューモデルはいつだってスーパースター

フェラーリ488ピスタ

毎年春に開かれるジュネーブモーターショーは、ヨーロッパの自動車人にとって社交の場だ。ヨーロッパでその年の最初に開かれる大きな催しだから、「今年もよろしく」的な挨拶を交わすことになる。

ジュネーブモーターショーの特徴は、スーパーカーがお披露目されるケースが多いことだ。秋のフランクフルトモーターショーは、地元ドイツ勢が販売強化のために、現実的なモデルを出展する傾向が強い。対して自動車業界の“中立国”であるスイスのジュネーブでは、富裕層が多い土地柄もあって夢のクルマが場を盛り上げるのだ。

ほかのモーターショーとはやや異なる、華やかでスノッブな雰囲気のショー会場の一画、フェラーリのブースには多くの報道陣が押し寄せた。カメラマンたちが自分のポジションを確保しようと、サッカーのコーナーキックのゴール前みたいにもみ合っている。フェラーリ488ピスタのワールドプレミアの瞬間を逃すまいと、殺気だった雰囲気だ。

いざアンヴェールされると、何百、何千というフラッシュが同時に焚かれ、ステージの上は昼間のように明るくなった。フェラーリのニューモデルは、いつの時代もスーパースターだ。

フェラーリのブースには多くの報道陣が押し寄せた。

ベールを脱いだフェラーリ488ピスタを見て、ハッとさせられる。488はもともとエッジィで、美しさと強さを併せ持つデザインだ。そのルックスがレース仕様に近づき、さらに精悍になっていたからだ。

ベースとなったフェラーリ488 GTBでは、エンジンを冷却するためのエアインテーク(空気取り入れ口)がボディ側面にあった(ちなみに488は、エンジンをドライバーの背後に積むミドシップ車)。いっぽう488ピスタは、エアインテークの位置がリアスポイラーのあたりに変更されていたのだ。これは488シリーズのレース仕様である488 Challengeと同じだ。

なるほど、ピスタとはイタリア語でサーキットの意味。488ピスタが走りを追求した武闘派モデルであることが、ルックスとネーミングからひしひしと伝わってくる。

実際、フェラーリ488ピスタにはサーキットで培ったテクノロジーが惜しみなく注がれている。世界中で100名以上が参戦しているワンメイクレース(単一モデルで競うレース)「フェラーリ・チャレンジ」に使われるマシンが488 Challenge。そしてGTレースの世界最高峰であるFIA世界耐久選手権のGT部門で、2度のマニファクチャラーズ・チャンピオンを獲得したのが488 GTE。

こうしたマシンが、サーキットの極限のバトルで磨いた技術を移植したのが488ピスタということになる。

エンジン部品の見直しや冷却能力の向上によって、排気量3.9ℓのV型8気筒ターボエンジンの最高出力は50ps上積みされて720ps。このV8エンジンは2年連続で権威あるエンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞した名機であるが、さらにパワーアップして、V8エンジンとしてはフェラーリの歴史で最もハイパワーのエンジンとなった。

排気量3.9ℓのV型8気筒ターボエンジンの最高出力は50ps上積みされて720ps

パワーアップだけでなく、軽量化にもレースの技術を用いた。ボディの素材にカーボンファイバーを多用、バッテリーもリチウムイオン電池に替えることで、重量は488 GTBより90kgも軽い1370kg。このクラスのスーパースポーツとしては、驚異的な軽さを達成した。

フェラーリとは、もともとは自動車メーカーではなくレーシングチーム。レース活動の費用をまかなうために市販車を売っていた。したがってサーキット直系のフェラーリ488ピスタは、このブランドのスピリットをピュアな形で体現したモデルであると言える。

ショー会場のフェラーリのブースに集ったジャーナリストもカメラマンも、みな納得の表情だった。

問い合わせ
フェラーリ・ジャパン TEL03-6890-6200

Text=サトータケシ