アウトプットの先生「まつゆう*」に聞くnoteのビジネス活用法【後編】

クリエイティブ・プランナーのまつゆう*(本名・松丸祐子)はデジタル黎明期から現在まで20年以上にわたり、インターネットの舞台で発信を続け、世界が注目するブロガーとして多くの共感を呼んできた。常にネット先駆者であった彼女は時代に合わせて新しいアウトプットの場を求めてきたが、現在軸足を置いているのが「note」。GOETHEでは、彼女自ら企画を提案したコグレマサトとの共著『noteではじめる 新しいアウトプットの教室』(インプレス)の刊行を記念し、「noteのビジネス活用法」というテーマでインタビューを行った。

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――今年1月に「m's mag.(ミズマグ)」というセレクトウェブマガジンをnoteで開設されて、その8ヵ月後の8月26日にコグレマサトさんとの共著で『noteではじめる 新しいアウトプットの教室』を発売。本を書こうと思ったきっかけは何だったのですか?

Instagramからnoteに主軸を移して、アウトプットする場所を変えた時に、noteの方にどうやって使っていけばいいのか、アドバイスをもらえる機会に恵まれました。

その時に、たぶんお世辞で言ってくれたんだと思うのですが、今までTwitterやLINEなどの、いわゆるデジタル系のハウツー本をいろいろ出していたので、担当の方が「まつゆう*さんが、いつかnoteの本を出してくれたら嬉しい」と言ってくださって「えっ、それやりたい」と本気で思ってしまって。

その日すぐに、以前もLINE本を出版するときにタッグを組んでいたブロガーのコグレマサトさんに「一緒にnoteの本を出したいです!」とLINEしました。そうしている間に、あっという間に出版が決定。

コグレさんも私もウェブで発信し始めてから20年以上。20年間ずっと発信し続けてきたこともあったので「書けない、続かないを卒業しよう!」というテーマで私たちのノウハウを余すことなく全部書いてみよう、というところから始まりました。

――書く時に気をつけたことはなどがあれば教えて下さい。

noteって優しくてほっこりしている空気感があるように感じるんですよね。ユーザーのことを凄く考えてくれているサービスだと思っています。なので、読んだ時にその空気感が少しでも伝わればいいなと思って。きっちりは書いているんですけど、優しく読みやすく書くことを心がけました。

――ブログでアウトプットする時も実践されていると思いますが、どうして優しく書くことを心がけているのですか?

私は学生時代、とても国語が苦手だったんです。だから語彙力が半端なくないんですよ(笑)。難しい言葉とかも後からいろんな人の文章を読んだり、ブログを書いたりしているうちに身についていってはいるんですが、正直私の書く文章って優しいというか、ただ簡単なんです。

勉強ができなかったことにおけるプラスの点は、「発信はしたいけど、語彙力が足りないからどうにかわかりやすく書こうと思った結果、読みやすい文章になっている」ということなのかなと思っています。伝えたいことを一生懸命伝えようとしているだけで、難しく書こうとしていない。だからめぐりめぐって易しい文章を書く人に見えているのだと思います。

――書けない、続かないを卒業するためにもっとも大切なことは何でしょうか?

続けることが大切だと思います。もしかしたら、海外のラグジュアリーブランドなどが、あなたのブログやSNSをずっと見ていて、いつかお仕事をお願いしたいと思っている可能性だってありますよね。でも、その時が来て発信することをやめていたら「違う人にしよう」ということになる。

でも、やめなければいつか声をかけられる可能性はゼロではなくなる。だから続けることが重要です。「やめました」と言っちゃったら、次の日からチャンスは巡ってこなくなってしまう。いろんなものにチャレンジしたら、とりあえず続けることが重要だと思っています。

――アウトプットは、毎日するべきだと思いますか?

そうは思いません。私も無理して書いていた時期があって、一瞬アウトプットするのが、つまらなくなってしまいました。それで「自分のペースでアウトプットしていきます」と、その時の気持ちを正直に書いたら意外と反響がよかったんです。

アウトプットはやめないけれど、自分が「きつい」とか「ちょっと今は」と思ったら、それは少し休んだらいいし、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSでゆるく発信すればいい思います。なにかしらでアウトプットはし続けるけど、毎日きばる必要はないのかなと思います。

――最後に、20年以上もインターネットで発信をし続けてきて、「これだけは絶対に曲げずにやっている」ということはありますか?

読者さんからいただいたコメントに対しては、できるだけすべて返すようにしています。たとえばですけど、自分が好きな人や著名人やフォローしている方がいて、話しかけて返事が来たら嬉しくないですか? 私はそういう事があったので。

逆に自分もそうしようと。自分が嬉しいことはきっと相手も嬉しいことだと思うんです。そこから、応援してくださる人も出てくるかもしれない。自分が嬉しいと思ったことはできるだけ他の人にもしてあげたいと思っています。

これってビジネスの世界でも同じことだと思います。人が嫌がることはせず、人が嬉しいと思ってくれることをやり続けたいですね。

『noteではじめる 新しいアウトプットの教室』
コグレマサト[ネタフル] まつゆう*
¥1,728 インプレス


matsu-you*
東京生まれ渋谷育ち。1993年よりモデルとして活動開始。'98年、ウェブマガジン「chelucy(チェルシー)」を立ち上げ、ビューティー、ファッション、トラベルなどの独自視点の可愛いカルチャー情報をウェブ、ブログ、SNSなどで早期から発信し続ける。2008年米Wired.com「日本のセレブブロガー」、'12年、仏campaygn.com『フォローすべき10人の日本人インフルエンサー』、'16年『ファッション・ビューティにフォーカスしたクリエイティブなアジア人ブロガー10人』として紹介される。現在は、「大好きは、ボーダーレス!」をテーマに掲げた、セレクトウェブマガジン『m’s mag.(ミズマグ)』を日々更新中。WEBマガジン『COMFORTS』でコラム『camera to travel〜カメラ・ト・トラベル』を連載中。公式サイト:https://www.matsuyou.jp

Composition=鈴木 悟(ゲーテWEB編集部) Photograph=淺田 創