自己改造計画 Vol.02 CHAPTER2 WILD

最近よく考えることがある。当然のことだが、人生は無限ではないということだ。あらゆるシーンでサバイバルが求められる現代。必要なのは生き残るための野性だ。

9 2014年は小泉純一郎のようなプレゼンテーションをする

 即時の脱原発を主張してあらためて時の人になった小泉純一郎元首相。今回の意見について猜疑心をもつ人も一部にいるとはいえ、多くはやはり人々の心が分かっていると共感する。過去の主張から大幅な方向転換をしたが、その正直な説明も賛同を得た。
 小泉純一郎の強みは、発言がシンプルで論旨がわかりやすいこと。しかも、力がある。だから、誰もが発言を無視できない。「原発ゼロ」もそうだし、かつての「構造改革なくして成長なし」や「自民党をぶっ壊す」など印象的。後に賛否両論、激しい論争を巻き起こすことも多々あるが、それはさておき、大胆なプレゼンテーション力にはやはり学ぶことは多い。

小泉純一郎流プレゼン術

1) 稚拙な表現を堂々と使う
2001年の大相撲、貴乃花優勝時の「感動した!」や、'04年の国会答弁での「人生いろいろ、会社もいろいろ~」は、一国の首相の台詞としてはかなり恥ずかしい。「感動」という言葉など、質の高い文学や音楽の歌詞ではまず見ない。それほど稚拙な表現を堂々と使うことが、逆にインパクトを与える。

2) 言葉は短く断定的
「構造改革なくして成長なし」や「自民党をぶっ壊す!」が象徴するとおり、短い言葉で断定することによって、聞く側は深く考える前に「この人の主張は正しい」と思い込んでしまう。敢えてデスマスの丁寧語を使わないことも頻繁。'02年に田中眞紀子外相を更迭した際は「涙は女の最大の武器」とも。

3) 時々“タメ語”を使う
田中外相を更迭した際、彼女の反論に対し「女はいいよね」とも発言。また、'03年にプロ野球読売ジャイアンツの原辰徳監督が辞任した際、「野球界にも権力闘争があるんだね」と発言。このように時にタメ語を使い、親近感を与える。

4) 大きな声、身振り手振り、抑揚
「小泉劇場」と言われた所以(ゆえん)。大きな声、身振り手振り、抑揚、緩急をもって話すため、聞く側は演説にどんどん引きこまれてしまう。国政に関するスピーチであるにもかかわらず、まるで物語を楽しむかのような気持ちになってしまうのだ。

5) ポイントとなるフレーズをくり返す
「構造改革」「郵政民営化」「抵抗勢力」など、シンプルで音的に脳に記憶されやすいフレーズをハイテンションで何度も何度もくり返すことで、聞く側に、強く、深く、印象づける。

10 鈴木岳トレーナーが教える 第一印象を変える7日間トレーニング

 第一印象を7日間で変える方法がある。正直、7日間で筋肉はつけられないし、目に見えて痩せるのも難しい。しかし丸まって前に突きでた肩を、正しい位置に戻すだけで、キリッと背筋が伸びて人に与える印象は劇的に変わるのだ。このトレーニングを7日間実践すれば、正しい姿勢が自然と身について、日々のエクササイズの効果も出やすくなる。正月明けはもっとスーツの似合う身体になって、新しい自分に出合っているはず。

【基本篇】 1度やるだけでも姿勢がよくなるのが実感できる!

【腿の付け根・背中・胸篇】 姿勢を保つための大切な3つの部位のエクササイズ!

右膝を立て、左足を後ろへ。左のお尻に力を入れ左腕を天井に向かって上げ、腿の付け根・脇の下から背中を伸ばす。3秒キープ。反対側も同じく。3セット。

【腹・背中篇】 キリッとした立ち姿を保つための、筋力をつける!

身体を一直線に保ち、台に手をつき、脚を開く。片腕を、胸を開くようにゆっくり上げる。へそが横を向かないように。反対側も同じく。左右10回、2セット。

鈴木 岳 Takeshi Suzuki
R-body project代表取締役。全日本スキーフリースタイルチームの専属トレーナーを経てR-body projectを設立。一般からアスリートまでサポート。

11 一度くらいは滝に打たれる

 朝6時、滝の流れは意外とチョロチョロ。楽勝!? しかし、褌一丁で滝に打たれた途端「痛ー!! 冷てー!!」。10秒ほどが、なんと長く感じることか。だが3セット目にはそれも突き抜け無心に。山の空気に浄化もされて、綺麗な人間になった。一瞬だけど。でも達成感、爽快感は満点。これは、9月の御嶽山での一泊滝行体験。日帰りなら、高尾山や西多摩でも体験できる。

12 オトナになって始める剣道

 半沢効果か、最近剣道が熱い。ビジネスマンこそ習得してほしい、と断言するのは中村孝則さん。「剣道の本質は己を知ること。緊張を律し、不安や気負いに打ち勝つ強靭な精神を養ってくれる。日々の鍛錬をとおして、頭ではなく身体で覚えるのです。また大事な勝負時にひるまぬ姿勢が身につく」。現代を戦うビジネスマンにまさに必須、不屈への道が剣道なのだ。

幼少時から剣道を続ける中村さん。多忙でも週3回は稽古へ。
中村孝則 Takanori nakamura
1964年神奈川県生まれ。幅広いジャンルで活躍するコラムニスト。剣道錬士七段で、「渋谷金王道場」では元立ちで指導も。「初心者も経験者も、道場としてはウェルカム。ビジネスマンにお薦めです」

13 自己開放はやっぱりバイク

 グワンと右手のアクセルをひとひねりすれば、そこから先は自由への時間。せっかく乗るのなら、迷わず大型バイクをチョイス。国内の高速道路は年々その充実度を高めているので、750cc超のバイクなら日帰り1000キロツーリングも夢ではない。
 朝、まだ目覚めていない空気の中をバイクと自分が疾走する情景を想像してみる。行き先はワインディングが延々と続く山の中なのか、それとも見晴らしのいい海岸線を突き進むのか。どちらにしろ大型バイクの鼓動を感じながら風のように走っていれば、目的はなくとも充実感と達成感が身を包んでくれる。
 免許がない? そんなの今ならすぐ取れる。バイクの魅力は自ら体験してわかるもの。そう、乗れば即楽しいのがバイクなのだから。
DUCATI
ロングツーリングに必要なすべての装備を兼ね備え、なおかつ走る楽しさがダイレクトに伝わる足回り。これなら即、自分を全開放だ。Hyperstrada 821cc ¥1,510,000(ドゥカティジャパン フリーダイヤル:0120-030-292)

14 日本人がいない場所でひとりで過ごす

 1年に1度は肩書も何もかも通用しない環境に身を置こう。実績が意味をなさない“裸の状態”で何ができるか? あるいは何ができないか? 素の自分の人間力を知るのだ。そのためには、日本人のいない、観光的要素もない海外の町を訪れる。ものすごく寂しいはず。たかが風邪でも、頼る人も方法もわからず死を意識してしまう。そういう精神状態に追い詰められてこそ、日本にいる時と別の自分が現れて新たな発想が生まれる。

15 自分だけのパワースポットを見つける

 日々都会で仕事に全力を注ぐ人ほど、エネルギーを出し尽くし、仕事以外は無頓着になりがち。だから素の自分を晒し、五感を研ぎ澄ます贅沢な時間が必要だ。それができるのが“パワースポット”。本田直之さんも「いわゆるパワースポットは信じません。でも、住んでる人さえ感じるハワイの海の特別さや、ニュージーランドの超田舎の自然を愛する暮らしは確実に僕に影響を与えています」と実感のコメント。さて、あなたはどこを見つけられる?

JAPAN
金沢は本田さん曰く“胃袋のパワースポット”。でも食だけではない。「街並みも新旧のまざり具合が独特。その風情には感じるものがあります」。街並みを味わうには、レンタサイクルが一番。

HAWAII
「ハワイはすべての大陸から隔離された世界でも珍しい島。それだけに秘めたるパワーを持っているはず」。サーフィンの波待ち時、こんなふうに山を眺められるのは世界でもハワイぐらい。この希少な景観が、本田さんにパワーを与える。

NEW ZEALAND
ベイ・オブ・プレンティはニュージーランドの北島にある湾を囲む温暖な地域。本田さんは毎年1月に2週間ほど過ごす。シダ類が茂る独特の生態や湖の水をろ過した飲み水で蘇るとか。「ここに住む決意をする人間は本当に自然を愛しています」

本田直之 Naoyuki Honda
日本とハワイでデュアルライフを送り、合間に世界を旅する。近著に『思考をやわらかくする授業』(サンクチュアリ出版)など。

16 野性を象徴する腕時計に替える

JAEGER-LECOULTRE 「マスター・コンプレッサー・ダイビング・アラーム・ネイビー・シールズ」1500本限定。チタンケース。自動巻き。44mm径。¥1,375,500 ジャガー・ルクルト TEL:03-3288-6370 スーツ¥84,000(ビームスF)、グローブ¥17,850(ジリオ フィオレンティーノ/ともにビームスF TEL:03-3470-3946)

 嗜好品であり、ライフスタイルを投影する腕時計は、つけるモデル次第で簡単にイメージチェンジが可能だ。特に有効なのが、コンサバで品の良いイメージのある名門ブランドのスポーティモデルを選ぶこと。
 例えばジャガー・ルクルトの場合、レベルソに代表される端正なドレスウォッチを得意としているが、画期的な防水システム「圧縮キー」を使うダイバーズウォッチの評価も高い。古典派のヴァシュロン・コンスタンタンにも、凹凸感を生かした無骨なスポーツモデルがある。
 いずれのモデルも、重厚な歴史とアクティブなデザインを融合させたアンビバレントなバランスのうえに成立している。このギャップを取り入れれば、イメージチェンジが完成する。

BLANCPAIN
1953年に登場し、ダイバーズウォッチの原型と呼ばれる傑作が再登場。「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」SS ケース。自動巻き。43mm径。¥976,500 ブランパン ブティック銀座 TEL:03-6254-7233

AUDEMARS PIGUET
硬質なセラミック素材でケースとベゼルを作り、傷つきにくいタフな時計に仕上げた。「ロイヤル オーク オフショア・クロノグラフ」自動巻き。44mm径。¥3,832,500 オーデマ ピゲ ジャパン TEL:03-6830-0000

17 身体の不調よ。さようなら!

 質の高い仕事をするには身体のメンテナンスは最重要項目。知恵や知識はもちろん大切だけど、強い身体あってこその頭脳。脳をフル稼働させるには、身体の充実が大前提だ。そもそも脳も臓器のひとつ。整備されたボディに内蔵されてこそいい働きをするもの。
 このページで紹介するのは栄養科学博士、オーガスト・ハーゲスハイマーさんが自分で行っている9つの健康法である。
 オーガストさんは現在51歳。『論語』でいえば、惑わない40歳をはるか昔に過ぎ、天命を知る50歳も超えた年齢だ。
 ところが、見よこの若さ! バランスのとれた体形と張りのある肌を手に入れるために、ぜひとも真似させていただこう。

オーガスト・ハーゲスハイマー氏 August Hergesheimer
1962年福島県生まれ。栄養科学博士、アビオス代表。米サンディエゴ州立大学で医学を学ぶ。『老けない人はやめている』(講談社)、『若返りスイッチをONにする食べ方』(小学館)など著書多数。

1) 肥満防止&二日酔い対策 緑の濃い葉野菜を摂取

オーガストさんも30代にはウォッカやテキーラをよく飲んだ。「今も肝臓が弱点。食物繊維が豊富な緑の濃い葉野菜は排泄をスムーズにし身体をクリーニングするので、脂肪を増やしません」葉野菜の成分を効率よく摂取できる「ベジパワープラス」を愛飲。

2) 歯や歯茎の不調 ベーキングソーダ&アロマオイルの併用
「老化は歯から」と言われる。「ペーストは成分が心配。ベーキングソーダとシナモンやペパーミントオイルで磨いて、歯も歯茎も健康です」

3) ノド対策 海塩うがい
うがい薬の多くは殺菌作用が強すぎるとオーガストさん。「ぬるめの湯と海塩のうがいがいい。手術も覚悟した慢性の扁桃炎が治まりました」

4) やる気減退&不眠 ローズマリーとラベンダーを活用

頭がさえない時はローズマリー、眠れない時はラベンダーのアロマを活用。「鼻で吸い、こめかみに塗る。浴室のフロアにたらして温シャワーで香りを拡散させることも」

5) 肩こり タオルでストレッチ

肩こりは血行障害から起きる。「タオルを両手で掴んで回すストレッチで血流を促します。ゆっくりとした動きと呼吸がコツですね」

6) 乾燥 ビーズワックスバーム

年齢とともに肌は潤いを失う。「飛行機に乗る時など、鼻腔の内側にワイルドツリー社のビーズワックスバーム・オーガニックを塗って乗ります」
7) 精力減退 大豆食品を避ける
身体にいいとされる大豆食品は男性には薦めないという。「体内の女性ホルモンが増え、精力が弱まり、腹回りに脂肪がつきやすくなります」
8) 冷え症 膝下冷水シャワー
身体を冷やすと、自力で温かくなる力を発揮する。「身体に冷水をあてる。冬もできるだけ薄着で過ごす。本来持つ保温能力を高めることができます」
9) 肩、肘、膝の痛み アロエジュース

「アロエを摂取すると体内でコラーゲンを作るスイッチが入り、傷の回復を助けます」。オーガストさんは写真のアロエベラ100を愛飲している。

全裸睡眠のススメ
健康維持のためにオーガストさんが行っているのが全裸睡眠だという。「若い頃から、僕は一年中全裸で眠っています。自然に近い状態になることで身体が強くなります。また、肌を直接空気にふれさせるのはとても心地よく、こころの健康にもいい。事実、寒い冬でも風邪をひくことはほとんどありません」

18 サハラ砂漠マラソンを完走し豚1匹を食う男たち

 15kgの荷物を背負い、1週間かけサハラ砂漠250kmを走破する。砂嵐に襲われ、極度の熱中症や昼夜の寒暖差が襲う。聞いただけで気絶しそうな挑戦をやってのける者たち。彼らがとある夜、都内で豚の丸焼きを食べる会を開いた。テーブルには15kgの豚が鎮座。周囲にはビシッとスーツ姿の面々。砂漠マラソンに出る=野人を想像しがちだが、彼らは皆、会社経営者。しかし、なぜ豚? 主催者の今村暁さんに問うと「どんなのかなと思って」。つまり、純然たる好奇心から。そう、普通は思っても行動しないが、彼らは違う。行動に結びつける。たとえそれが砂漠でも豚でも経営でも。行動派を自負するあなた、もっとメーター振り切ったほうがいいんじゃない?

今村さんはサハラ砂漠とチリのアタカマ砂漠マラソンも完走。「過去も未来もない。ひたすら今日のゴールのみ願う。今を生きる覚悟が必要です」
このあと、応援も駆けつけ総勢20名ほどに。あれよあれよという間に完食。今村さんはいろんな部位に躊躇なく挑戦していた。
今村 暁 Satoru Imamura
一般財団法人日本そうじ協会理事長。「環境整備の技術力の向上」「習慣教育」「感性教育」の実践を続け、数多くの企業コンサルティングや人材育成を行う。著書に『そうじ習慣手帳』(ワニブックス)など多数。

19 どこでもいつでも睡眠がとれる

 睡眠時間の充実は同時に覚醒している時間をも充実させる。理想的な睡眠時間を22時~6時とする説は根強いが、22時就寝の8時間睡眠は多忙な世代には現実的ではない。ならば、小刻みな睡眠で疲労を回復させる習慣をつくろう。移動の電車やタクシーで、昼食後に公園のベンチで、どこでも眠れるタフさは大切。職場近くのジムに入会して仮眠をとるのも一案だ。仕事は働く時間の長さではなく、きちんと成果を上げる創意工夫が重要なのだから。

Text=神舘和典、田代いたる、小沢和之、今井 恵、篠田哲生
Photograph=大森 直、Kaz Sano、久保田育男、隈田一郎、西川節子、有高唯之
Illustration=山口正児、東海林巨樹、八重樫王朝

*本記事の内容は13年12月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい