"4スタンス理論"でゴルフは上手くなるの!?  提唱者・廣戸先生に診断してもらってきた!

ゴルフ好きなら一度は耳にしたことがあるだろう"4スタンス理論"という言葉。雑誌やテレビなど多くのメディアでも取り上げられている理論だが、ゴルファーにとって上達スピードを左右する重要な考え方だといわれている。 そこで4スタンス理論の提唱者で廣戸道場を主宰する廣戸聡一氏に、改めてその理論を教えてもらい、さらに実際に診断してもらった。 


いまさらですが、"4スタンス理論"ってなんですか?

廣戸氏曰く人間には血液型のように先天的に備わっている体の特性があり、それは大きく4つのタイプに分類されるとのこと。それが4スタンス理論だ。

生まれつきの身体性によって重心バランスが4つのタイプに分けられ、普段の仕草にもこの違いがあらわれる。電話の持ち方や文字の書き方、水の飲み方……。だから、ゴルフにだって、一番しっくりハマる自分のスイングがあるのだ。

4スタンス理論では、4つのタイプをA1・A2・B1・B2という名前で分類する。

例えば石川 遼や松山英樹、片山晋呉はA1タイプで、タイガー・ウッズや中嶋常幸はA2タイプ。B1タイプには青木功、藤田寛之、ローリー・マキロイら。B2タイプには池田勇太、丸山茂樹、尾崎将司らがいる。

この4つの分類は優劣を判断するものではなく、人間の体の特性から分類したもの。

ということは、B2タイプのゴルファーがどれだけタイガー・ウッズに憧れていても彼のスイングを真似ることはできないということになる。仮にタイガーと同じ身体能力を身につけたとしても、同じようには振れない現実があるのだ。プロの中でもスイングに個性が現れるのはこういった特性があるからだと言える。

そして、4スタンス理論によると、4つのタイプのスイングがあるということになる。

この4タイプの違いは重心をどこにかかっているかで判別することができる。その4つのタイプの重心のかけ方は以下だ。

A1タイプ:つま先の内側
A2タイプ:つま先の外側
B1タイプ:かかとの内側
B2タイプ:かかとの外側

ただ、4つに分類される特性は先天的なもので意識してできているものではない。

では、自分がどのタイプかを見極める方法を廣戸氏に聞いた。

「人間の身体というものは基本的に臓器とか骨の数とかは共通です。ただ、利き腕や利き目のように知らない間に特性を与えられているものがあります。その特性を見極める方法は、例えば利き目がどちらかを調べる際に、片目をつぶって確認します。このように人間の身体の特性とは、片目をつぶるような限定条件を与えることで理解することができるのです」。

実際に編集部員Mが廣戸先生にタイプを診断してもらった

まずはAかBか調べてみる。

■診断1:しゃがみ方

1センチほどの間隔をあけ、両足をほぼ揃えた状態で立位した姿勢からスタート。そこからしゃがむ時に膝を動かしているか、動かしていないかでタイプが分かれる。編集Mの場合は、廣戸氏に膝を軽く押さえられた状態ではまったくしゃがむことはできなかった。

ここで編集Mは膝を動かしてしゃがむタイプということでBタイプに分類される。逆に膝を止めて、股関節を動かしてしゃがむ人はAタイプに分類される。

廣戸氏は膝を抑えるわけでもなく、軽く手を添えているだけなのに腰を落とすことさえできなかった編集M。廣戸氏が手を離すと楽にしゃがむことができた。

■診断2:膝立ちする

膝立ちして背筋を伸ばすように指示された編集M。その状態でシャドウスイングをするように言われたが、肩の回転が浅く思うように振れなかった。ところが、お尻を少し落とすようにするとそれだけで肩の回転が大きくなり、腕も大きく動くようになった。膝を完全に止めた状態だと身体の動きが悪くなり、ある程度膝に余裕が持てる体勢だとスムーズな動きになることがわかった。

編集Mのように膝を動かしていいタイプは、例えば「アドレスをもっと棒立ち気味にしたほうがいいよ」というアドバイスを鵜呑みすると致命的になるということ。膝が曲がったアドレスは自分が身体を動かしやくするための特性であって、間違っているわけではないのだ。

腰を少し落とすだけで肩の回転がスムーズになった編集M。Bタイプと診断された編集Mにとって、Aタイプの人からのアドバイスは要注意ということになる!

次にタイプ1とタイプ2を診断する。

■診断3:座った状態から立ち上がる

椅子に座った状態の編集M。そこから廣戸氏が膝上部分を手で軽く外側に絞った状態から立つように指示。すると編集Mは立ち上がることはできない。逆に内側に絞るようにするとスッと立ち上がることができた。

内旋している(膝上部分を手で軽く内側に絞った状態から立てる)人は1タイプ。外旋している(膝上部分を手で軽く外側に絞った状態から立てる)人は2タイプということになるため、編集Mが「もっと足を外に張るように構えれば」とアドバイスされるとスムーズなスイングがその時点でできなくなる。

脚を外旋させた状態からだとどれだけ力を入れても立ち上がることができなかった編集M。Bタイプだった編集MはこれでB1タイプということがわかった

これらの診断の他にも様々な方法があるが廣戸氏が注意して欲しいのは、必ず正しく立位した状態(両足の真上に頭が乗っている状態)がベースになるということと、一つの診断をしたら必ず身体をリラックスさせてリセットすることだと言う。とは言え、勘違いしやすい要素が含まれているのは間違いないので、厳密な診断は専門家に委ねるのが好ましい。

今回の取材でわかったことは、ゴルフには様々なスイング理論があるが、それらはどれも間違ってはいないが、必ずしも自分に合っているとは限らないと言うこと。

人にどう思われようとも、自分が楽に身体を動かせる形というものがあり、それの指標となるのが4スタンス理論なのだ。

もしゴルフ歴が長く、練習もしっかりやっているのに上手くならないという人は、一度4スタンス理論を試してみてはどうだろうか。

実際、B1タイプと診断された編集Mはグリップを指で握っていたのを手の平で握るようにしただけでヘッドスピードがアップした。自分にとって身体を楽に動かせる形を見つけ出すだけでも、スコアアップの大きなきっかけになるに違いない。

Souichi Hiroto
1961年生まれ。東京都出身。剣道、野球、格闘技など様々なスポーツ経験をもとに整体施療家の道へ。一般クライアントからプロアスリートまで30万人を超す人々をケア。廣戸身体理論を総括管理する一般社団法人「レッシュ・プロジェクト」の代表理事を務める。


Text=出島正登 Photograph=鈴木拓也