豊饒なワインと食材を供する最強のオーベルジュ、ここに極まれり【カーブドッチワイナリー】

新潟、カーブドッチワイナリー。1993年創設、日本海と雄大な山々に囲まれたこのワイナリーの中に、11月、新しい宿泊施設「ワイナリーステイ トラヴィーニュ」が誕生した。ここに泊まって、この地ならではの食と温泉、そしてワインを味わいたい。


潮風を感じる山の麓のワイナリー

「ワイナリーステイ トラヴィーニュ」

ここは単に大自然に囲まれたホテルでもなく、ただ食事を楽しむオーベルジュでもない。目の前に広がるブドウ畑を歩き、醸造所でワイン造りの現場に触れ、レストランでここでしか味わえないワインを楽しむ――。

この「トラヴィーニュ」の誕生により、日本でもついに本格ワインリゾートが完成した。

欧風コロニアル調の外観。

新潟駅からクルマで40分、日本海に面した角田山の麓、角田浜には「新潟ワインコースト」と呼ばれるブドウ畑が広がる。小規模な5軒のワイナリーが集まるなか、その中心的存在が、1993年に最初に創設された「カーブドッチ」だ。

ワイナリーというと内陸のイメージがあるが、ここは海岸から約1キロほど入った場所。潮風を感じ、畑を歩くとわかるが地面は砂地だ。この特異な土壌を活かし、欧州のワイン専用品種のブドウを中心に、生食用品種も一部使いながら約40種、この地ならではのワインを生み出している。

ワイナリー「カーブドッチ」内には、ブドウ畑の他に、ワインショップやフランス料理のレストラン、自家製ハムとソーセージのレストラン、天然温泉、アヴェダのスパがある。そんな「カーブドッチ」内に11月、新しい宿泊施設「ワイナリーステイ トラヴィーニュ」が誕生した。

整然と並ぶブドウ畑。
巨大なセラー。

コロニアルな雰囲気の建物には部屋が10室。いずれの部屋からもブドウ畑と角田山を望む。もし、ここに宿泊したいと思うなら、事前にホームページをじっくりと見てほしい。なぜなら部屋の趣がすべて違うからだ。カーブドッチの人気ワイン、どうぶつシリーズの「もぐら」「あなぐま」「いっかく」「かわうそ」「おうむ」「ぺんぎん」「みつばち」「むささび」「ふらみんご」「やまどり」から名付けられた客室は、部屋に飾られるアートはもちろん、ベッドやソファ、テーブル以外にも、照明からカーテンまですべてが異なり、違ったテイストでゲストをもてなしてくれる。ぜひ、ホームページを吟味して、部屋を選んで予約してほしい。お気に入りの部屋に出合えたら、ここでのステイがより豊かなものになるはずだ。

エチケットのイラストがかわいい、人気のどうぶつシリーズ

いざ宿泊。チェックインは早めの時間がおすすめだ。部屋で少しくつろいだ後は、ラウンジやテラスでワインを楽しみたい。目の前に広がるブドウ畑をオレンジ色に染めるサンセット時は格別だ。ワイナリー内の温泉に行くもよし、他のワイナリーも訪ねるのもよし。事前に予約をすれば醸造所を見学することだってできる。「カーブドッチ」が好きで新潟に移り住んだ柿沼哲夫支配人をはじめ、親切なスタッフになんでも聞いたらいい。

お楽しみのディナーは貯蔵庫につながるレストラン棟へ。東京・西麻布の名フレンチ「ル・ブルギニオン」出身の佐藤龍シェフによる料理は全10皿(料金は宿泊料に含まれる)。シェフがカーブドッチのワインと、この地に惚れ込んでつくるメニューは、すべて新潟の風土を最大限に活かしたものばかり。当然、ワインとのマリアージュも絶妙だ。

ディナー後は、「トラヴィーニュ」に戻り、ラウンジの暖炉の炎の前でワインを。ゆっくりと旅の余韻に浸りたい。それか、部屋に戻ってまっすぐベッドへ。おなかがいっぱいのまま眠りにつく――こんな幸せなことはない。

朝、目が覚めたらブドウ畑を散歩したい。爽やかな風と陽の光の中、日々の忙しい生活を忘れ、ゆったりとした時間に身を委ねると心身がリフレッシュするのがよくわかる。朝食は、敷地内のベーカリーで焼き上げたばかりのパンと、近隣の農家で採れた素材による料理を。シンプルだが、これ以上の贅沢はないだろう。

ショップで気にいったワインを購入したら、チェックアウト。自宅に帰った後、このワインの栓を開けたら、きっと旅の思い出がよみがえるはずだ。

このワイナリーの若き醸造家、掛川史人氏は言う。

軽やかなテイスト。

「角田浜の砂と風に育てられたブドウから造るワインは、華やかな香りと繊細な味わいが特徴です。私たちが造りたいのは最高のワインではなく、この土地ならではの唯一のワイン。それがワインの楽しさなのですから」

「ワイナリーステイ トラヴィーニュ」

それは日本で唯一無二のワインリゾートだ。


WINERYSTAY TRAVIGNE
住所:新潟県新潟市西蒲区角田浜1661
TEL:0256-77-5640
客室:デラックスルーム5室、プレミアムルーム1室、クラブルーム3室、ドレープルーム1室
施設:ラウンジ・バー、ペントハウス・サロン、ショップ
料金:¥35,000~(1泊2食付き1室2名利用時の1名)
アクセス:JR新潟駅から無料シャトルバス約40分(要予約)、北陸自動車道・巻潟東インターから約15km
http://travigne.jp


Text=八木基之(ゲーテWEB編集部)


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