【特集IR】鮨かねさか 金坂真次「IRが日本の食文化を世界に発信する拠点に」

来たるIR時代に求められるものはいったい何なのだろうか。スポーツ、食、エンタメ、投資、街づくり、イベンター、観光、ホテル。各界のトップランナーによる分析が明かすのは、IRには日本をさらなるステージへと導く力を秘めているということだ。

「IRのレストランはどれも水準が高い」

シンガポールの2店舗に続き、5年前にマカオのIR“シティ・オブ・ドリームス”のホテル「Nüwa」に出店した「鮨かねさか」の金坂真次氏。

実は『メルコリゾーツ&エンターテイメント』の会長ローレンス・ホー氏の夫人が、東京の店の常連だった縁でホー会長直々に依頼があった。「商売以上に彼とやることに意義を感じた」とマカオへの出店を決めたそうだ。

他の場所と異なり、マカオで求められるのは「スピード」。

「カジノやエンタテインメントを楽しんでる間に、パッと食べたい。でもやっぱり美味しいものがいい、ということなんです」

その点では、鮨は理にかなっているという金坂氏。

「IR 内の店ならば、回転鮨のスタイルもいいかもしれません」

そんな IR の食事情を肌で感じてきた金坂氏。食の視点で日本の IR にどんな期待をしているのだろうか?

「世界中から集まる方たちに、鮪なら青森、鯛なら明石など、鮨を通して日本各地の美味しいものを伝えることで、さまざまな地域や文化を知ってもらいたいと思います。そこから興味が湧き、実際に足を運んでもらえれば、さらに嬉しい。IR を “日本の食文化を世界に発信する拠点” にしたいですね」

鮨 かねさか
都内には銀座とパレスホテル東京内の2店舗。「Shinji by Kanesaka」の名で展開する海外3店舗すべてミシュランの星を獲得。マカオでは週4回、日本から仕入れる食材と繊細な職人技で、世界から集まる富裕層の舌を唸らせる。  

Shinji Kanesaka
1972年千葉県生まれ。銀座の名店で10年修業し2000年に独立。ミシュラン2つ星獲得。’10年にシンガポール・ラッフルズホテル(現在はカールトンホテルに移転)に開店以降、海外展開も積極的に行っている。

Text=牛丸由紀子 Photograph=鈴木拓也