【特集IR】ラスベガスの伝説、カーク・カーコリアンとは?

一時期、「ラスベガス中心部にあるホテルの全客室の半分を所有している」とまでいわれた実業家がいる。2015年6月に98歳で亡くなったカーク・カーコリアン氏がその人だ。  

ラスベガス観光地化の立役者

カーク・カーコリアン氏が初めてラスベガスの地を訪れたのは、セスナ機のパイロットとしてだった。ロサンゼルスからラスベガスへギャンブルをする人たちの送迎サービスを行う、トランスインターナショナル航空を設立。いち早くその地の将来性を見抜き、土地を購入してカジノへの投資を行い、巨万の富を築き上げたのだ。

ストリップ大通りに面した土地を取得し始めたのは1960年代。その地代や売却益で資金を大きく増やし、’73年には著名な映画会社、MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)の買収に成功。同年には旧MGMグランド・ホテル・アンド・カジノ(現バリーズ・ラスベガス)を開業している。

MGMグランドが現在のニューフォーコーナーに建てられたのは’93年のこと。2000年にミラージュ・リゾーツと合併したことで、ミラージュ、ベラージオ、トレジャーアイランドなどのカジノホテルをグループ化。さらに’05年にはマンダレイ・リゾートを買収したことで、同社が有していたモンテカルロ、エクスカリバー、ルクソールなど10のリゾート施設を獲得し、ラスベガス中心部の多くのエリアを占めるにいたった。

彼の投資による成功の軌跡は、まるでギャンブルの鉄則「勢いのついた駒(お金のこと)は張り伸ばせ」を地でいっているかのよう。もちろん、投資はギャンブルではないとはいえ、天性の先見の明を身につけていたことは間違いない。

自宅で亡くなった翌日、MGMグランドホテルは、ビデオで弔意を表した。©Getty Images


Kirk Kerkorian
MGM Resorts International創業者。1917年カリフォルニア州フレズノ生まれ。パイロットとして従軍した第二次世界大戦後に航空会社を設立。’73年にMGMを買収し、MGMグランドホテルを開業して巨万の富を築いた。MGM(メディア部門)は’04年にソニーに売却(’15年資本関係解消)している。’15年6 月15日に死没。


Text=片山 真  ©Chris Weeks/FilmMagic