33年の歳月を経て完成! ブルネロ クチネリが夢見た美しき理想郷【イタリア・ソロメオ村】

ブルネロ クチネリが本社を置くイタリア中部ソロメオ村。その一連の復興事業の集大成「ア プロジェクト フォー ビューティ」が完遂し、世界のジャーナリストに公開された。それはブルネロ・クチネリ氏の約束の地が本来の美しさを取り戻した日であり、人生をかけた氏の夢が結実した瞬間であった。


約束の地、夢の結実

ファッションの中心地ミラノより遠く離れた地で荒廃していた、中世に端を発する小村ソロメオに、ブルネロ・クチネリ氏が本拠を構えたのは1985年。以降、本社屋や自社工場の整備だけでなく、教会の修復や劇場、図書館などを有するアートフォーラムの創設、職人養成校「ソロメオ学校」の設立など、村の復興に努めてきた。そして4年前に発表した複合的な公園地区の整備計画「ア プロジェクト フォー ビューティ」が今秋ついに完遂。33年もの年月を費やした、氏の悲願であるソロメオの復興事業に区切りがついたのだ。

「私がいつも夢見ていたのは、人としての道徳的尊厳と経済的尊厳、双方を保持しつつ働くことでした。そして地球に害を与えずにモノをつくり、倫理、尊厳、道徳を持って正当な利潤を上げること。そのためには人々が美しい環境で働き、 正当な報酬を得て、自らもその夢の共同責任者として尊敬されていると感じる必要があるのです」

完成されたソロメオを披露すべく、世界中から特別に招待したジャーナリストを前に、クチネリ氏はこのように語った。このほど整備された公園地区は、自然豊かな約100ヘクタールもの大地に、3つのエリアで構成。そこには庭園を眺めながら仕事ができる新社屋をはじめ、誰もが利用可能なスポーツ施設、社員食堂などで供される野菜や果実を栽培する農園、クチネリ氏の哲学を象徴するモニュメントなどが含まれる。神からの贈り物たる美しい自然に囲まれながら、働き、食べ、学び、楽しみ、哲学を思索する。まさしくソロメオは、住まい、集う人々に尊厳を抱かせる、クチネリ氏が夢見た美しき理想郷なのだ。

「”人は神とともに住まう”と古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスは言いましたが、それはまさに私の夢そのもの。神の精神を強く感じるソロメオに、私は愛を込めて”精霊の宿る村”という別名をつけることにしました。空を見上げ、神の宿る自然のリズムとの調和を取り戻すことで、人生は美しいものとなると、私は確信しているのです」

クチネリ氏は自らをソロメオの所有者ではなく、番人と称する。そして魂の永続性を信じ、彼の地を永遠に見守っていきたいと願う。中世のように人間と自然が調和した美しい姿を取り戻したソロメオは、これからも美しく在り続けるに違いない。


問い合わせ
ブルネロ クチネリ ジャパンTEL:03・5276・8300
www.brunellocucinelli.com

Direction=島田 明 Text=竹石安宏(シティライツ)