Don’t you have~?の場合、「ある」の返事はYesかNoか?【英会話レッスン】

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第30回!


ロンドンで『ドクターX 』を見て胃が痛くなる

渡英当初、「日本のテレビ番組は見ず、英語漬けで暮らすぞ!」と意気込んでいたものの、すぐに恋しくなり、今ではロンドンにいながらにして夜な夜な動画サイトで日本のドラマを追いかけるのが楽しみになってしまいました。

先週の『ドクターX ~外科医・大門未知子~』は見ていてとても胃が痛くなる内容でした。外国人の患者に、医師が‟You don’t have any allergies, do you?(アレルギーはないですか?)”と質問し、患者が‟Yes‟と答えたので、「アレルギーなし」と判断、手術の際に拒絶反応が起こって惨事になるというストーリーです。

もちろん"Do you have~?"であろうが"Don’t you have~?"であろうが聞き方に関係なく、その回答は

「(アレルギーが)ある」なら“Yes( I have)” 、「ない」なら “No( I don’t have)”

となります。返事の仕方は、日本人にとってはなかなか慣れず、私も"Yes"と言ってから一拍置いて考えて「ああ、ごめん、この場合Noだ」と言いなおしたり、"Yes"と言いながら首をふる、などしてしまい、いつも相手を混乱させてしまいます。

英語力いまだにゼロの私は、特にスピードの早い日常会話になると、質問に対してセンテンスで答えられず、"Yes"か"No"かで答えるのがやっとです。しかしその"YesとNo"でさえもこのように間違えることがあるのですから、お話になりません。真逆の回答をしてしまい、あとで困ったことにならないように、もう"Yes, I didn’t" "No, I did"とか、間違えてもいいから、センテンスで答えていくのが大事だと思うようになりました。センテンスで答えて、間違えたとしても「"Yes I didn’t"って何それ、どういう意味!?」と相手も一度立ち止まってくれるので、勘違いで話が進んでいく、という最悪の事態は避けられるのです。

モノの尋ね方が、複雑すぎる!?

返事の仕方が難しいのは「ある」か「ない」かを答える時だけではありません。イギリス英語はとてもへりくだったモノの聞き方をするのです。例えばカフェなどで、周りの人に「(ちょっと暑いので)窓を開けてもいいでしょうか?」と許可をとる場合、みなさんこう聞きます。

Would you mind if I opened the door?

直訳すれば「もし私がドアを開けたら、あなたのお気に障りますでしょうか?」となります。

これに対する返答は

Yes なら「はい、気に障ります」=窓を開けないでください
Noなら「いいえ、気に障りません」=窓を開けてもいいです 

ということになります。

「窓を開けていいですか?」に対して、「開けてもいいよ」と言いたくて"Yes” と答えてしまいがちなのですが、真逆の意味になりますので、ここでもやっぱり、"No I don’t mind"などセンテンスで答えることを意識するのがいいかなと思います。

ちなみに、この"Would you mind if I opened the door?"は"open"が過去形の"opened"になっていることで、「セカンド・コンディショナル」という仮定法になっていることがわかります。この仮定法は「もし〜なんてことがあったら、〜するだろう」という「ほぼ不可能な」ことを仮定して話す時に使う文法です。

例えばこんな風に使います。

If I won the lottery, I would travel around the world.(もし宝くじに当たったら、世界中を旅するんだ)

この「ほぼ不可能と仮定」している「セカンド・コンディショナル」が使われていることによって"Would you mind if I opened the door?"はさらにへりくだった婉曲的な表現であることがわかります。日本語で言ってみればこんなことになります。

「万が一、私がドアなんて開けてしまったら、それはもうあなたのお気に障りますでしょうね?」

もう外国人同士だと、ダイレクトに"Can I open the door?"(ドアを開けてもいいですか?)と言っている場合も多いです。

「怒ってない」と言ってる人は「怒ってる」!?

このような婉曲的な表現は人を注意する際にも使われます。例えば「大きい声で喋らないで!」と注意したい時、"Don’t talk loudly"や"You shouldn’t talk loudly"などダイレクトに言う代わりに、ブリティッシュはこのように表現したりします。

①It is considered rude to talk loudly.
②It is frowned upon to talk loudly.

①のconsideredは「考えられている」という意味ですので直訳だと「大きい声で喋ることは無礼と考えられている」。

②のfrownは「顔をしかめる」という意味の動詞で、これも直訳すると「大きい声で喋ることはしかめっ面をされる」。

つまりはどちらも「大声で喋るなんて、はしたないですわよ」という婉曲的なニュアンスだと思います。

誰かを注意したくても、これらの表現を使うのは私にとってはレベルが高すぎるので、“Don’t talk loudly”にせめて“Please”をつけて丁寧さを表現しようとすることで精一杯です。しかし、ネイティブから突然このような表現で注意されることもあるので、せめて「あ、今怒られている」ということに気がつけるよう、覚えておかなければなりません。

私は先日、アパートの天井から水漏れを発見し、大家に報告したところ

“I don’t insult you but your room has too much troubles”(あなたを責めているわけではないが、あなたの部屋は問題が多すぎる)

と言われました。水漏れの前は、空調不備、その前は電子レンジの故障などトラブルが多かったのは確かです。大家は生粋のブリティッシュなので、正直彼の英語をほとんど聞き取れない私は、「責めているわけではない」だけ理解できたことで「ああ、怒ってないんだ、そりゃ水漏れは私のせいじゃないしね」と思ってしまいました。しかし日本でだって「別に怒ってないけどさ」と言っている人は、大抵の場合怒っているということに、後から気がつきました。

12月に入り、街のあちこちでクリスマスマーケットが開かれています。移動遊園地の遊具のスピードがすごく速くて、見ているだけで気持ち悪くなります。
MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。


Illustration=Norio


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