【豪邸特集】湘南美容クリニック相川佳之の船で海の玄関から入るエンタテインメントハウス

神奈川県の三浦半島を南へ。国道134号線で鎌倉から逗子へ抜け、葉山を過ぎると、相模湾の透明度が増す。さらに秋谷から佐島に入った閑静なエリアに、美容医療のSBCメディカルグループの保養所がある。ここは湘南美容クリニック代表、相川佳之氏が建てたものだ。


海景と映像が愉しめる珠玉のインフィニティプール

150㎡ほどのリビングダイニングに入ると光に包まれる。全開の西側の窓から吹く風が、潮の香りをたっぷりと運んでくる。空、海、プールの水面が混じり合い、視界いっぱい青が広がる。かすかなエンジン音に気づき、沖を見ると、白く輝くクルーザーが迫ってきた。

プール前の桟橋にクルーザー、 AZIMUT 72Sを横づけできる希少な場所に位置する。船内は3LDK。普段は邸の近くの湘南サニーサ イドマリーナで管理する。プールのサイズは13m×4m。深さは1~1.5m。エンドレスプールのファストレーンという循環機能つき流水プールなので、トレー ニングに最適! ターンすることなしに泳ぎ続けられる。BBQ エリアからはプールの水中が眺められる面白いつくりに。

「うちのグループの船です。この土地を選んだもっとも大きな理由は、海に面し桟橋がつくれることでした。僕は乗り物が大好きで、クルマ、船舶、飛行機、ヘリコプターのライセンスを持っています。でもね、陸海空のなかで一番好きなのが船。仲間たちと一緒に楽しめるからです。今はサイズの大きいクルージング用と、やや小さいフィッシング用の2艇があります。海に浮かべてその上でぼーっと空を眺めるだけでも、身体からすっと疲れが抜けていくんですよ」

相川佳之氏は、陸と海、ふたつの玄関を持つこの邸から、日本全国のクリニックへと行き来をする。

「ここには荒崎マリーナにヘリコプターで降りて、小型のクルーザーで海から入ることが多いですね。移動時間を大幅に短縮できるからです」

設計は秋葉達雄氏(T&C JAPAN代表)に依頼した。

「建物にたくみに光を取り入れる設計をしてくれるからです。うちの南紀白浜の保養所もやっていただきましたけれど、海沿いの家をお任せしたら抜群です」

SBCグループの大切な会議の日には、院の幹部たちもここに集まってくる。湘南美容クリニックは現在全国に77院。来院者数は年間約125万人。ドクターは約250人。相川氏自らテレビCMに出演し、美容医療の料金を明確にしたことで信用が増し、来院の数は急増。2018年度は180万〜200万人になる見込みだという。海外でもベトナムとロサンジェルスにクリニックを開院した。今後は海外展開に力を入れるべく、準備を進めている。

相川氏自身がDJで来訪者をもてなすことも。リビングには、スペインのボンドムのDJテーブルをはじめ、リーン・ロゼのプルム・ソファ、秋葉氏制作のテーブル、moooiの照明レイモンドが揃う。

「つい最近も50名の会議を行いました。ここは立地がよく、横浜横須賀道路の横須賀インターで降りれば、134号線の渋滞区間を避けられます。25人まで宿泊もできる。オフィスの閉鎖された会議室と違い、発想も豊かになります。思いもよらぬアイデアが出る。だから、ここではリラックスできるようにプールのほかにダーツや卓球台やジムや岩盤浴など、遊びの部屋をたくさんつくりました」

佐島にいる時の相川氏はラフ。スーツやジャケットは着ない。白衣ももちろん羽織らない。

「ここではいつも裸足です。自然を直接感じていたいから」

類は友を呼ぶのか。近隣には親しい経営者の邸が多いという。

「異業種の、それぞれトップを走っている経営者が何人もいらっしゃる。お互い行き来しながら、情報交換を行っています。皆で船で沖へ出たり、プールサイドでバーベキューをしたり。堅苦しくない交流をしています。違うフィールドで活躍している方の意見はとても新鮮で、参考になるんですよ」

会議の後は、邸内でそれぞれの時間を過ごす。

「トライアスロンのためのトレーニングに集中したり、プールサイドやリビングで医療やビジネス関係の専門書を読んだり。動と静。どちらにも対応しているのがこの魅力です」

トレーニングルームには、エアロバイクやランニングマシンがある。プールは流水機能つき。水温は29度まで上げられるので、冬でも利用できる。身体を鍛えるための設備は万全だ。

食事の後は、映画会を行うこともある。たくさんの人数で楽しめるように、プールサイドにあるBBQスペース横に大きな画面を設置した。映画会を開く時に相川さんがよくリクエストする作品は、今年の2月に公開されたマイケル・グレイシー監督の『グレイテスト・ショーマン』だ。

「つい最近も観ました。ビジネスをゼロから始めた人ならばきっと、作品中でヒュー・ジャックマンが演じる主人公に感情移入できると思います。彼は何ももたないところから新しいビジネスを築き、成り上がっていく。めまぐるしく展開するところも気に入っています。一番印象的なのは、主人公が夢を追い求めすぎたためにつまずき、自分のもとを去った家族のところへ向かうシーン。何度観ても切なくなりますね」

やがて湘南が日暮れ時を迎えた。相模湾沖からプールへと、夕日がオレンジ色の道を描く。ほどなく夜の帳とばりが降り、プールサイドは自然のオープンシアターになった。

クルーザー、ジム、スイムプール、シアター設備などがあり、海から山から、新鮮な食材も手に入る。何ヵ月滞在しても飽きることのない、大エンタテインメントハウスだ。


<物件DATA>
所在地:神奈川県横須賀市
敷地面積:495㎡
延床面積:660㎡
設計:秋葉達雄(T&C JAPAN)

Yoshiyuki Aikawa
1970 年神奈川県生まれ。2000年に神奈川県藤沢市に湘南美容外科クリニックを開院。その他、現在では、審美歯科、AGA治療、整形外科、不妊治療、がんの免疫治療、レーシック、両国の総合病院を展開する。

Text=神舘和典 Photograph=辻谷 宏(Nacása & Partners)