伝説のホテルマンの技と情熱による炎の饗宴【ザ・キャピトルホテル 東急】

舞台は、昭和の東京オリンピック開催の前年に誕生し、平成にリニューアルした名門、ザ・キャピトルホテル 東急。そこには、創業当時から今も伝わるホテルマンの感動的なパフォーマンスがある。


名門ホテルに伝わる炎のパフォーマンス

そのパフォーマンスを目の当たりにできる品は、その名も悪魔の珈琲という意味の「カフェ ディアブル」。2種類のオレンジリキュールとラム酒のフレーバーコーヒーで、作り方がとても独特なのだ。

ピアノ曲に乗って登場するのは、マネジャーの池田直樹さん。軽快なステップを踏みながら、剣のように長いナイフで器用にオレンジの皮を剥き始め、特設コンロの前へ。コーヒーが入ったフライパンの上で手を高く掲げ、レードルに入れて火をつけた酒を、らせん状に垂らしたオレンジの皮にゆっくり注ぐと……。

このひと幕は結婚式やパーティなどの宴席で披露される特別なサービス。「お客様の様子を見ながら役者のつもりで演じてます」と、池田さんは言う。シビアな商談の席でも瞬時に場を和ませてしまうという圧巻のパフォーマンスに拍手喝采だ。

池田直樹
ザ・キャピトルホテル 東急 オールデイダイニング『ORIGAMI』マネジャー 1960年生まれ。リニューアルする前の伝説的ダイニング『欅グリル』の時代もよく知る、ホテルの生き字引的存在。厳しさと優しさを併せ持ち、信望が厚い入社歴35年の大ベテラン。


最後にクリームをグラスに浮かべて提供する「カフェディアブル」は、現在は宴会場のみでの特別サービス。それを行えるのは限られたスタッフだけ。


Text=飯島寿子 Photograph=星 武志