【特集IR】A.T.カーニー梅澤高明「観光立国の足掛かりはIRでのMICEが鍵に」

来たるIR時代に求められるものはいったい何なのだろうか。スポーツ、食、エンタメ、投資、街づくり、イベンター、観光、ホテル。各界のトップランナーによる分析が明かすのは、IRには日本をさらなるステージへと導く力を秘めているということだ。  

MICEで質の高い訪日客を集める  

「IRの本丸はMICE、いわゆる大規模な国際会議や展示会といったビジネスイベントだと思っています」と言うのは、A.T. カーニー日本法人会長・梅澤高明氏。

「MICEには、企業幹部や学者、文化人など、可処分所得と社会的影響力の高い人たちが集まります。特に日本に興味がなくても、会議のために来日する人が多く含まれる。そして彼らは、街や食、エンタメなどに触れることで確実に日本の魅力を知ることになる。MICEは筋のよいお客様を新規獲得できる、重要な入り口です」

しかし国際会議の開催件数ランキング(ICCA調査)では、シンガポール、バンコク、香港の後塵を拝し、東京は13位。

「展示会の規模が小さすぎる、あるいは大きな展示場の近隣に質の高いホテル、飲食店、エンタテインメントが揃っていないなど、必要条件をすべて満たした施設がありません。IRはこれらを実現するものです」

東京や大阪なら、すでに街や食のポテンシャルは世界でも周知の事実。チームラボのように日本の技術と美意識を昇華したコンテンツが国際的に人気。

「MICEとIRは質の高い訪日客を集め、観光立国を成功させるための重要な仕掛けです」

ナイトタイムエコノミーが秘める可能性

訪日外国人旅行者が「日本旅行で不満だった点」は、バーやクラブ体験など、ナイトライフに関係する点が多いという調査がある。すでに年間4,000万人超の訪日外国人が、新たにナイトライフに1万円を使えばそれだけで4,000億円の経済効果が生まれることに。

この秘めたる市場の開拓のため、設立したのが「ナイトタイムエコノミー推進協議会」。梅澤氏は理事として新たな市場の創出に取り組む。

Takaaki Umezawa
A.T.カーニー日本法人会長 兼「ナイトタイムエコノミー推進協議会」理事。経営コンサルタント。得意テーマは戦略・イノベーション・都市開発。NEXTOKYO Projectで東京の街づくりに取り組む。観光・知財・クールジャパンなどのテーマで政府委員会に参加。

Text=牛丸由紀子 Photograph=坂田貴広