行列でおじさんが言った「pet peeve」って?~英語力ゼロの私が、ロンドンに移住したら⑧

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めて渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第8回!

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体調が悪いと人恋しい

前回の腹痛に続き、今度は喉と頭が痛くて、薬局に薬を買いに行きました。通常はなるべく人と話したくないので(通じないから)、自動レジを選ぶような私ですが、その日は熱のせいか、なんとなく人恋しく、薬剤師さんに声をかけました。

I have a sore throat(喉が痛いんです)

と言ったつもりが、sore throatの2度にわたる「r」の発音ができず、いつものごとくまったく通じません。仕方なく、喉を抑えて苦しそうな顔をしたら、かなり強めの喉飴を勧めてくれました。目的は達成できましたが、海外での生活に慣れることと、英語の上達はまったく別物です。飴は日本では体験したことのないようなスースー感で、2つ舐めたら治りました。

これすごく効きました。

「嫌いなこと」「イライラさせること」

日本にいた時よりも、お店で話しかけられる頻度は高い気がします。目があったら知らない人でも挨拶をするような習慣だからかもしれません。先日もスーパーの長い列に並んでいたら、前にいたおじさんが「Queuing is one of my pet peeve」と話しかけてきました。かろうじてQueuing(行列に並ぶ)だけ聞きとれたので、不満を言っているんだろうなと理解し、苦笑いだけして意味が取れなかったことを悟られないようにしました。

pet peeve = イライラさせられること、嫌いなこと

という意味で、おじさんは「並ぶのとか、俺嫌いなんだよね」と言っていたようでした。pet hateともいうようです。また「イライラさせる」は他にもたくさん言い方があります。例えば

drive someone nuts
drive someone up the wall

What small thing about your partner drives you nuts?(パートナーのどういう癖にイライラする?)
My flat-mate is driving me up the wall.(同居人にすごくイライラさせられる)

というように使えます。

drive me up the wallの方がイライラが強い時に使うようです。最近隣の部屋のカップルの喧嘩がとてもうるさくて眠れないので、しばらく経っても収まらないようなら、これを使って管理人に苦情を言おうと思います。でもちょっと長いフレーズは、「言おう」と力みすぎ、緊張して全然言えなくなってしまうんですけど。

世界最大級の音楽フェスに、行ける!?

夏になり、現在ロンドンではさまざまな音楽イベントが開催されています。街の中心地にある公園、ハイド・パークでは7月5日からセリーヌ・ディオンやロビー・ウィリアムズなど豪華なラインナップで10日間に渡ってライブが行われる「ブリティッシュ・サマー・タイム」が開催。東京でいうなら新宿御苑で10日間ライブが続く、という感じでしょうか。そのうちの4日間はチケットがなくても、無料で屋外映画やフリーライブが楽しめるイベントもありかなりの来場者が予想されます。

(提供:British Summer Time)

また政府関連機関なども入っている建物サマセット・ハウスでは7月11日から21日までロックフェスティバル「サマセットハウス・サマー・シリーズ」が行われます。日本で音楽フェスを楽しむ場合は東京から少し離れた場所へ、アウトドア装備も揃えて行くことが多いですが、こういう都会的なフェスなら、気軽に人も誘えます。

Somerset House Summer Series © James Bryant

そんな音楽フェスティバルのなかで、世界最大級なのが「グラストンベリー・フェスティバル」。1970年から、イギリスの牧草地グラストンベリーで開催、80以上のステージがあり、来場者は約18万人、出演ミュージシャンも世界中から集結します。これは全然都会的ではありません、5日間に渡ってほとんどの人はテント泊です。

チケットは販売開始とともに毎年売り切れ、購入時にIDを提出するため転売も難しく、チケット争いは熾烈。実は私もパソコン2台を使って販売サイトオープンの瞬間から購入ボタンをクリックし続けました。そしてなんと……

取れてしまいました……行ってまいります。

5日間のキャンプ生活、ゴミやトイレマナーも日本とは違うはずです。5月にビクトリア・パークで行われた音楽祭に行った際、使い終わった紙コップを皆さんとても自然に地面に置いて帰る様子に、かなり衝撃を受けました。

そもそもゴミ箱も少ないのです。イギリス人の教師に話したところ「グラストンベリーか、トイレ以外は天国だ。トイレは地獄だ」と言われております。そのうえの、私の語学力ですから、楽しみ3割、恐怖7割です。無事に帰ってこられたらまた詳しくご報告したいと思います。

⑨に続く
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MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。

Illustration=Norio