『ソマリランドからアメリカを超える 辺境の学校で爆発する才能』 ジョナサン・スター 著


辺境の地で、酔狂な男が教育革命を起こす!

皆さんはソマリランドという国をご存知でしょうか? その国は、ソマリアから独立を果たしたのに国際社会から承認されていない「未承認国家」。ソマリランドに詳しいノンフィクション作家の高野秀行さんは「ソマリランドに先進国の人間や組織がきちんとした学校を作るのは私が思いつくうえで最も重要なことであり、同時に最も難しいことである」とあとがきで書いていますが、いやはやそれをやってのけた酔狂なアメリカ人がおったのですわ。 

『ソマリランドからアメリカを超える 辺境の学校で爆発する才能』 ジョナサン・スター 著 黒住奈央子・御舩由美子 訳 高野秀行 解説 KADOKAWA ¥1600

この本は、イスラム社会の保守的な辺境の地で、どの家庭も貧しく、最後は難民になっていたかもしれない若者たちを教育し、アメリカの名門大学に次々と合格させたジョナサン・スターの実話です。読後、「長いけど決して飽きさせない」、そんなハリウッド映画を観た後のような疲労とカタルシスに襲われます。とにかく、分け入っても分け入っても敵と問題ばかり。四面楚歌でも決してあきらめないジョナサンのクレイジーな情熱は、しだいに生徒たちにも伝染していきます。そして最後、誰も想像できなかった快挙を成し遂げていく生徒たちに、私だけじゃなくきっと全米が泣いたことでしょう。秋の夜長にぜひ。