星野陸也プロが予選落ちも棄権も激減したのはなぜ? 秘密のノート公開! 【プロキャディ出口の目⑪】

プロキャディの出口慎一郎氏がプロトーナメントの裏側で起きていることをロープの内側から独自の視点でレポートする連載「出口の目」。キャディを務めるプロのことはもちろん、ロッカールームでの他選手の会話や練習場で気になったこと、さらには選手たちのプライベートなことまで様々な切り口でプロゴルフの面白さを伝えていく!


プロがルーティンを重視する理由とは?

今シーズンになってからプロキャディ として新しい取り組みをしています。コースのヤーデージブックを2冊持っていることは紹介しましたが、それとは別にノートをつけているんです。

このノートには風や距離などコースに関する情報とは全く関係のないパーソナルなデータを記入しています。

具体的に内容を少し説明すると、月曜日から日曜日まででプロと行動を一緒にする日に関するもので、コース入りの時間から朝食の時間と内容、さらにはラウンド中に摂取したモノとそのタイミングも記載しています。あと、重要に感じているのがラウンド前、ラウンド後の練習の内容と練習時間です。

よくアスリートの世界ではげんを担ぐといったことをする選手も多いですが、それは精神的な部分の選手にとってある種の保険のようなものですが、それを立証することはなかなか難しい。自分がつけているノートは言い換えるとプロのげん担ぎを立証できるようなものです。あらゆるデータを集めることで、プロにとってベストなパフォーマンスが発揮できる環境をデータから読み取るのが最大の目的なんです。

例えば朝食をとる時間なんかはとても重要で、その直後は胃に血流がいくので脳への血流が鈍くなる。その影響で前半は調子が出せなかったりすることがあります。このノートはセガサミーカップあたりからつけるようにしているんですが、星野陸也プロのデータからも朝食を摂るべきタイミングがわかってきたんです。

あと、今回のノートをつけ始めて得た収穫として大きかったのが、星野プロが水分を摂る量が少なかったということなんです。健康管理カウンセラーの資格を持っている自分の奥さんに星野プロのことを話したら、食べ合わせの悪さなどの他に水分が少ないのでは? という指摘があったんです。

実は星野プロは首をよく寝違えることがあって、昨年もそれが原因で棄権をしているんです。一般の人が聞くと「プロなのに自己管理ができていないんじゃないか」と思われてもおかしくないことですが、その原因が水分の摂取量にあったんです。ベッドや寝方が問題ではなかったわけです。

先のブリヂストンオープンでは予選落ちをしましたが、今シーズンは体調不良で棄権することもなく予選落ちもたった2試合。これは明らかに昨年よりもいいデータなんです。

プロは朝起きる時間やコースに入る時間、さらにはティアップしてボールを打つまでの動作などルーティンを重視しますが、それになんらかの確証を持っている選手は意外と少ないことに気づきました。もしかしたら自分ではいいと思ってやっていることが逆効果になっている可能性もある。このノートは今後もつけていくつもりで、いつか星野プロが海外ツアーに挑戦するときに大きな財産になるものだと思っています。

Shinchiro Ideguchi
1983年生まれ。ディライトワークス所属。2013年よりプロキャディとして活動をスタート。プロキャディの世界では異色とも言える脱サラからプロゴルフの世界に飛び込んだ。昨年から星野陸也プロをメインにキャディを務め、今シーズンも星野プロを中心に比嘉一貴プロらのバッグを担ぐ予定。2017年には片山晋呉プロの専属キャディとして1年を通して戦い、これがプロキャディとしての大きな機転となった。その後メンタルトレーナーの資格を取得するなど、プロのより良いプレーを引き出すために様々な勉強を積んでいる。


Composition=出島正登


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