北海道の自然と人間の共生を実感する「MEMU EARTH HOTEL」【ゲーテ旅特集2020】

豪奢な造りや調度品の代わりに、突き抜けた個性やコンセプトを持つ新しいカタチのホテルが誕生している。ラグジュアリーの真価とはどこにあるのか、滞在しながら今一度考えてみたい。

好奇心をくすぐる“実験的な”ステイホテル

かつては競走馬の育成牧場だった5万6000坪の敷地に点在するのは、わずか5棟の建物。

寒冷地での持続可能な暮らしを研究するために造られた実験住宅を、小山薫堂氏率いるオレンジ・アンド・パートナーズが「地球に泊まり風土から学ぶ」というコンセプトのもと、ホテルへアップデートしたのが「MEMU EARTH HOTEL」だ。

隈 研吾氏が手がけたメーム。光が透過する二重構造の膜の間を熱が循環し、断熱性能を向上。

360度の窓から十勝の大自然を望む「ホライゾンハウス」、壁からも屋根からも光が透過する「メーム」、牧草の発酵熱で室内を温める「町まとう家」などひとつひとつ異なる宿泊棟は、この地の自然をさまざまな形で享受できる。

食事も地産地消にとどまらず、希望すればスタッフと山菜採りをしたり生産者を訪ねたりと、美味しいだけではない、食の本質に触れる体験を用意する。

ホテルが大切にするのは“資源再読”という考え方。

細部にまでこだわった快適な部屋に注ぐ日差しに時間の変化を感じ、外に出れば空気がはらむ草や土の香りに気づく。

そして冬には、窓まで積もる雪が部屋と一体化したような世界が目の前に。この地の固有性が育む豊かな時間を、このホテルが教えてくれるはずだ。

チェックインや食事は、牧草保管庫を伊東豊雄氏がリノベーションしたスタジオ メムで。

メム アース ホテル
住所:北海道広尾郡大樹町芽武158-1
TEL:01558-7-7777
客室:5棟
料金:ひとり¥55,000~(1名1棟利用時、夕朝食つき、税別、サ込)
施設:レストラン
詳細はこちら

Text=牛丸由紀子