シンプルだけど他と違う! ミニマルかつ贅沢かつ本物のブランドとは?【MB】

発行する有料メルマガは個人配信者として日本一の規模を誇り、出版する書籍は累計100万部を突破するカリスマファッションアドバイザーMB。彼にビジネスパーソンのための、 いま投資すべきファッションアイテムやテクニックをシリーズで教えてもらう。    

素材にこだわり尽くした「鉄の女」が作るブランド

ジルサンダーは、 1970年代から本格的に活動を始めミラノコレクションを拠点とするブランドですが、現在、ジルサンダー社は日本の会社の傘下にあることは案外知られていません。

ハイブランドやラグジュアリーブランドとなるとルイ・ヴィトンやディオールなど華やかなデザインを想像される方が多いですが、ジルサンダーはシンプルそのもの。普通のシャツ、普通のTシャツ、普通のスラックスなどブティックを眺めている限りでは、ユニクロかと思えるようなシンプルデザインのものがずらりと並びます。

しかし試着すればその魅力は誰でも簡単に理解できるもの。職人気質に素材とシルエットにこだわったジルサンダーの洋服は普通であって普通じゃない。Tシャツは素材の滑らかさと落ち感に驚き、シャツは美しい袖周りのシルエットに感動し、スラックスはこれが自分の足かと驚くほどスラリと綺麗なラインを見せてくれます。

ジルサンダーが活動を始めた'70年代はエレガンスに満ちたデザイナーが評価されていた時代(クロードモンタナ、ティエリー・ミュグレーなど)。ジルサンダーはしばらく評価されず苦難の道を歩みます。

その後ブランドが好調路線に乗り、プラダグループに買収されるのですが、そこでジルサンダーはグループとコスト面を意識した素材のクオリティダウン論争でぶつかって退任してしまいます。

「鉄の女」という異名があるほど職人気質の強いジルサンダー。素材やシルエットに対する並々ならぬこだわりがあり、それはプラダグループを離れ新しいデザイナーに変わった今でもしっかりと受け継がれています。

細かい工夫の積み重ねで、大きな印象の違いを作る

ジルサンダーのデザインを言葉で表すと「シンプルだけど他と違う」。シャツはシンプルそのもので何一つ変わったデザインはありません。しかし着用してみると驚くほど体が綺麗に見える、フワリとまるでコートのような美しいAラインの広がりと膨らみが見える。紐解いていくとシャツの裾には重みを足して広がりを作るように縫い合わせ部分をパイピングしていたり、独自開発の素材はシャリ感がありポリエステルのイージーケア素材なのにウールやリネンのような天然風の風合いが施されていたりと、細かく見なければ気づかない違いばかり。しかしそんなことに気づかなくても羽織った時には確かに美しさが感じられる……そんな控えめなブランドがジルサンダ です。

日本ではバッグが人気となっていますが、バッグ類も美しいレザー素材を使ったミニマルデザインに。今年のモデルは日本の竹細工を入れ込んだデザインアクセントを足したアイテムにも挑戦しておりこちらも面白い。

ギラギラとしたラグジュアリーブランドももちろん魅力的ですが、大人になればこそこうした控えめなミニマルデザインの良さが分かってきます。シンプルで控えめだけど何かが違う、こうした服こそあらゆるTPOあらゆるトレンドに対応できる万能服。ユニクロも素晴らしいミニマル服だけれど、ユニクロより贅沢したい、本物が欲しい……と思う人は是非ジルサンダーに手を出してみてください。


MB

ファッションバイヤー/ファッションアドバイザー/ファッションブロガー/作家。誰もが理解できる「オシャレの教科書」KnowerMagを運営。ブログ「最も早くオシャレになる方法KnowerMag」を運営。発行する有料メルマガは個人配信者としては日本一の規模を誇る(配信メディアまぐまぐにて)。書籍『最速でおしゃれに見せる方法』、漫画『服を着るならこんなふうに』など多数。関連書籍累計100万部突破。