横峯さくらが東大教授と導きだした「結果を出す最先端メンタル法」【さくらメソッド②】

米女子ツアーに参戦し始めた5年ほど前から思い通りの球が打てなくなっていたという横峯さくらプロ。その要因は何なのか!? ゴルフはメンタルのスポーツとよくいわれるが、そこに一つのヒントが隠されていた。横峯さくらプロと東京大学スポーツ先端科学研究拠点で導きだす「さくらメソッド」密着連載企画の2回目のテーマは「最先端スポーツ心理学」。


さくらメソッド.2:『決断力』

米女子ツアーに参戦し始めた5年くらい前から思い通りの球筋が打てなくなっていた横峯プロ。

「自分が打ちたい球筋はフェードなんですが、それがどうしても打てなくなっていました。その度合いは年々酷くなる感じで。自分のスイングにはもう再現性がなくなってしまったんじゃないかと自信もなくなってしまっていたんです。試合に行っても不安しかない状態でした」

昨年の秋くらいから横峯プロはいくつかの計測を行っている。その結果、スイングの再現性に関しては問題がないことがわかった。分析結果に対して素直に「嬉しかった」と横峯は表現している。では何が原因なのか?

分析結果を踏まえて、横峯プロは次のように振り返る。

「自分のスイングが悪いんだと思っていました。今までは悪いことの原因を全て自分に向けていたんです。そうではないと言うことがわかっただけでも、精神的にも楽になれたことの大きいですね」

檜山 敦講師(左)と、VRを使った平衡感覚やバランス感覚を計測。

また、スポーツ心理学の工藤和俊准教授から言われた「決断してやっていくこと」という言葉が響いたと横峯プロ。この言葉の意味について工藤准教授に話を聞いた。

「例えばリスクを背負ったショットであっても“これで行く”と決めることが大切なんです。その結果ミスをした場合は、その決断の部分を変えていけばいいわけです。どこを変えるかということに関して迷わない選択をすることが重要なのです。失敗の原因をいくつも考えて、どれかなと迷ってしまうと、それこそ路頭に迷うことになります。ですから、そこを迷わないようなプレーをしていくことが大切だと横峯プロにはお伝えしました。

男子プロの川村昌弘選手がある試合で優勝争いをしていて、最終の18番ホールで2オンを狙ったのが右に行ってしまって2位になった試合があったのです。このケースでも“このショットに勝負をかける”と決めてショットを打ったわけで、結果思い通りいかなくても自分を責める必要は全くない。その次にできるように練習すればいいわけで、後悔をしないで済むと言うことを話しました。打たなければよかったと思ってしまうと、そのあとの気持ちの引きずり方が全く変わってくるんです」

決断することの重要性は理解できるものの、なかなかそれができない現実がある。コツなどはないものか工藤准教授に聞いた。

視覚がバランスにどう影響するかを調べる研究。

「もちろんリスクの高いショットを強引に実行すること自体は勧められることではありません。ただ、決断するための情報というのは実は自分の中にあるはずなんです。自分自身を知ると言うことがとても大事なことで、今までのプレーで自分がどのような決断をしてきて、どのような結果になってきたかということを積み重ねていくことです。データベースとして持っておくことが決断力につながるのです」

その点では横峯には十分すぎるほどのデータベースがある。ただ、これまではそれを効果的に活用できていなかった。今回のプロジェクトではスキル面を高めることは目的の一つだが、本人は気づかない部分、つまり伸びシロを見つけ出すことも目的のひとつだ。『決断してやっていくこと』でミスを引きずらなくなる。それは横峯にとってまさに伸びシロに相当する部分なのだ。

続く

「さくらメソッド」とは
アメリカツアーで賞金女王を東京大学とともに目指していく中で構築されるプロ、アマ問わず応用可能なゴルフメソッド。もっとスコアを縮めたいと考えてるあなたに、世界と戦いながら東京大学と研究したメソッドを公開していく。



横峯さくらの公式LINEがスタート! 友達追加は下記QRコードから!


Text=出島正登 Photograph=鈴木規仁、@minamishizuka(計測)



横峯さくら
横峯さくら
SAKURA YOKOMINE 1985年鹿児島県生まれ。2004年8月プロテスト合格、史上最速となるわずか3試合でシード権獲得。翌年の「ライフカードレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。2009年にはメジャー1勝を含む自身最多となる年間6勝を挙げ、賞金女王の座を獲得。2013年は連続予選通過記録101試合達成。LPGAメルセデス年間優秀選手賞を獲得する。日本ツアー通算23勝。2015年から米LPGAツアーを主戦場とする。2019年はシード権を獲得し、アメリカツアーにフル参戦が決定している。
気になる方はこちらをチェック