ダウンスイングでクラブと腕の重さで"落ちる"理想の感覚とは?【大本プロのパターレッスン⑩】

ゴルフでは、「パッティングが全ストローク中の約40%を占める」という話がある。たとえば1ラウンド100打の人は、40回もパターを使っている計算だ。18ホールでこんなに使う番手は、ほかにない。パッティングの向上がスコア改善に直結すると言われるのも、素直に頷ける話だ。では、どうやったら上達するのだろうか。2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を受賞した大本研太郎プロのレッスンを、数回にわたってお届けする。 


"落とす"ができれば、本当にプレッシャーがかからない

今回はいよいよ、パッティングの際に実際にどうやってボールを打つか、というお話をいたします。

まず大事になるのは、手でパターを動かさずに、背中の上部をタテに動かして打つということ。これは、この連載の最初のほうでも、「背中の上部を丸くして、タテに動きやすい条件をつくっておく」というお話しをしたとおりです。

ただ、急に背中を動かせといってもなかなか難しいものがあります。そこで必要になってくるのが、フォワードプレスなどのきっかけです。私がオススメしているのは、ターゲットを見て戻ってくる首の動きを使うというもの。アドレスをし、パターを握り、ターゲットを見て、顔が戻ったら、その反動を使って、背中の上部をタテに動かす動作をスタートさせます。パターを握ってから、5秒以内にスタートです。私は5秒ルールと呼んでいます。みなさんもすぐに慣れると思います。

では、このときパターはどう動けばいいでしょうか。多くの人は、背中の上部のタテの動きに合わせて、パターを真っすぐ引くことを考えると思いますが、じつはそれだと、手を使いやすくなってしまいますし、フェースも開きやすくなりますし、ヘッドが低い位置のままで動きやすくもなります。そうではなくバックスイングでは、背中の上部がタテに動くのと連動して、"フェースが地面を向いていく(ゴルファーの正面から見れば、ヘッド軌道が弧を描いている)"イメージをするといいでしょう。そうすることによって、手も動きにくくなくなりますし、フェースの開閉も少なくなって、ヘッドも適度な高さの位置に上がります。

ここで、なぜ"ヘッドの高さ"のことに触れたかといえば、ダウンスイングでヘッドを“落としたい”からです。世の中では、「フォローで距離感と方向性を出していく」といった教えがあります。でも、フォローを出そうとすると、自ずと手でパターを振りにいくことになります。そうなれば、フェースの向きは不安定になりますし、いわゆるパンチが入ったりもします。この方法でも、緊張していなければ入りますが、緊張すると再現性が悪くなります。

そうではなくて、ダウンスイングではクラブと腕の重さで“落ちる”という感覚になるのが理想です。どのように転がすかのイメージをして、それに合わせたバックスイングをし、そこから落として終わり。フォローは出していきません。フォローの大きさは気にせず、自由です。これなら、フェースの向きも安定しますし、クラブが行きたい方向に動くだけですから、プレッシャーもかかりません。プロでもパッティングの上手な選手は、ほとんどが落ちています。

この"落とす"感覚をつかむためには、右手でグリップをつまんでパッティングをするドリルがいいと思います。背中の上部をタテに動かしてバックスイングをしたら、つまんでいた右手を離します。すると、腕とクラブの重さで落ちていきます。これをやっていると、リズムとテンポが一定になります。プロにもやってもらっているドリルです。プロでさえも、振りたいわけです。でも、振りはじめると、パッティングがすごく難しくなってしまいます。“落とす”ができれば、本当にプレッシャーがかからないんです。

11に続く

大本研太郎
1974年生まれ。PGAティーチングプロA級。2012年、パターレッスン専用スタジオ「パットラボ」を開設。以来、とくにパッティングの研究とレッスンに熱心に取り組み、全国からプロを含めて多くのゴルファーが指導を受けにやってきている。2013年には、「GPC恵比寿」(東京・渋谷。パットラボも併設)をオープンさせ、ヘッドプロを務めている。2018年、PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。
GPC恵比寿
住所:東京都渋谷区恵比寿1-15-6 OAK2ビル5F
TEL:03-6409-6793 
営業時間:平日10:00~22:00、土・日・祝日9:00~21:00
休み:火曜
https://www.gpc-ebisu.com/


Text=柴トシユキ Photograph=Getty Images


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