【特集IR】メルコ創生期からのCEO右腕が語る「全従業員アンバサダーという哲学」

統合型リゾート事業=IRを世界展開するメルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッド。マカオでの成功から、わずか十数年で急成長した企業の経営理念のひとつは、従業員を大切にする精神だ。メルコリゾーツ上席副社長チーフ・オブ・スタッフのケリー・アキコ・タカハシさんが語る、IRで働く意義とは?

ともに成長し、発展する地域へのメルコの献身

「たった6人から始まった創業から15年。様相は大きく変わりはしましたが、現会長兼CEOのローレンス・ホーが描いた最初のビジョンは今も同じままです。地域によりよい施設をつくり、ゲストに素晴らしい感動をもたらす。メルコリゾーツは、マカオの経済活性と繁栄に努めてきました」

ケリー・アキコ・タカハシさんは、グループの中核を成すCSRの司令塔。地域社会に貢献するため、ビジネスパートナーの協力を取りつけ、持続可能な未来を築くための意思決定を担う。資材や商品などの調達は、80%以上がマカオ登記の地元企業を通して行われているという。

「映画をテーマに、ショッピングエリアとゲーミング施設を備えたコタイ地区のスタジオ・シティには、グルメウォークという飲食フロアがあるのですが、42軒すべてが地元の店です。クリスマスバザーでは賃料を無料にして、商品を販売する機会も設けました。パートナー企業の大小は問わず、互いが対等な立場で理解し合い、発展していくことが目的ですから、ビジネスチャンスを模索して、増益を図るためのイベントやセミナーなども開催しています」

窮地の時には、手も差し伸べる。巨大台風がマカオを襲い、被害が拡大した時には、寄付金に加え、24時間以内に3000人のボランティアを動員、復旧活動に力を尽くした。いかなる場合でも支え合い、歩みをともにする、それが真のパートナーシップ。創業者が心に抱き、グループ全体に哲学として浸透したその精神の矛先は今、日本に向けられている。

「会長は歴史や伝統を重んじる日本の風土を尊敬し、地方の文化にも関心を持っています。日本は彼にとって幼い頃から何度も訪れ、思い入れもある特別な国なんです。IRはカジノのイメージで語られがちですが、メルコリゾーツには、それを超える質の高いリゾートを開発してきた実績があります。日本の皆さんともよい関係を築きながら、歓びが溢れるIRをつくり、ハード、ソフトの両面でプレミアムなサービスを提供したいと思っています。従業員のひとりひとりがアンバサダーという意識で努力してきた15年の結果が今、ここにあるように、日本でもすごいものを生みだして、結果を残したい。これからの展開が楽しみです」

地域貢献を責務とするメルコリゾーツの新天地構想は、マカオの再現ではない。日本ならではの驚きと親しみに満ちた新たな未来を切り拓いてくれるだろう。

KELLEY AKIKO TAKAHASHI
  メルコリゾーツ上席副社長チーフ・オブ・スタッフ   会長と社長のサポート、拡大する企業文化の育成、グループ会社すべてのCSRの責任者という重役を担う。「日本人の血が流れていますし、日本で働いたこともあります」

Text=窪川寿子 Photograph=長尾真志