【特集IR】大阪市副市長が語る、大阪がIR誘致へ乗り出した理由とは?

毎日のように報道され、多くの人々の関心を集めるIR候補地の状況。そのなかでも有力な候補地である大阪市の高橋徹副市長に話を聞いた。

「大阪が日本の観光をリードする」

大阪府と手を携たずさえ、IR誘致へ乗りだした大阪市。

自ら「街づくり担当の副市長」と名乗る高橋徹氏は、同市で長年都市計画を担い、昨年5月まで都市計画局長として、大阪駅北側の「うめきた」など多くのプロジェクトを牽引してきた。次に手がけるのはIRの立地区域となった夢洲だ。

「人工島ならではの広大な土地を生かして、最新の趣向を凝らした非日常空間が展開できます。また、大阪ベイエリアの中心に位置し、関空などの空港はもとより、都心や関西の文化遺産へも半径50キロ圏内でアクセスできる好立地です」

確かに、関西には京都や奈良といった国際的な観光都市に加え、6つの世界遺産など、観光資源も豊富。世界に誇る大学や研究機関、企業も集結する。

「IRをひとつの街づくりと捉え、目指すのは世界水準のオールインワンMICE と、世界最高のエンタテインメントの実現。上空からも目印となり、期待感が高まる、大阪の新しいランドマークとなるような都市空間を創造したい」と思いを語る。

さらに他都市に比べ、ここ数年飛躍的に伸びているインバウンドも重要なターゲットだ。

「大阪ベイエリアにIRを立地し、アジアの強い経済成長を、大阪に呼びこみたい」高橋副市長は、大阪から関西全域、あるいは西日本全体への波及効果も狙っているという。

すでに開催が決まった大阪・関西万博に次いで、IRの立地が決まれば、2025年を中心に大阪の未来が大きく飛躍することは間違いない。

「大阪には商人の『まずはやってみなはれ』というマインドがベースにあります。今回、万博のコンセプトは『未来社会の実験場』。大阪全体で社会実験が展開され、いろいろな人や企業が集まり、さまざまなことに挑戦できる街にしたい。IR のある臨海部と都心部が共存し、相乗効果を発揮し、大阪・関西の発展に貢献することが大切です。懸念されるギャンブル依存症などにもしっかりと対処していきます」

国内外の観光客に、世界へ向けて素晴らしい“大阪”を披露すべく、鉄道や高速道路、さまざまなインフラの整備も含め、さらなる高みを目指し大阪の都市開発は進んでいる。

Toru Takahashi
大阪市副市長。1960年大阪府生まれ。京都大学大学院卒業後、大阪市にて総合計画局に勤務。34年にわたり、大阪の都市計画に携わる。2019年6月、大阪市副市長に着任。国際博覧会・IR推進などを担う。

Text=みやけなお Photograph=内藤貞保