杏子、山崎まさよし、元ちとせ、森高千里が全国のライヴハウスのために歌う!

ライヴハウスの灯りを絶やしてはならない――全国の音楽関係者・ファンの強い思いによってライヴハウス支援活動「SAVE THE LIVE HOUSE」 が立ち上げられた。


やがて取り戻す平和な日のために

新型コロナウイルスの世界的蔓延の中、日本のエンタテインメントやカルチャーも大打撃を受けている。多くのファンが集まるコンサート、演劇、スポーツの試合などは、感染の温床になるという理由で次々と中止に なった。

とくにダメージが大きいものの一つがライヴハウスだ。大阪のライヴハウスがクラスター化したことで、その他多くのすでにライヴを自粛、延期をしているライヴハウスも感染源の巣窟のように見られるようになった。

そこで、東京・千代田区のライヴハウス、THE SHOJIMARUが発起人となり、ミュージシャン、全国の音楽関係者、音楽を聴いて育った人たちの協力によって、ライヴハウス支援活動「SAVE THE LIVE HOUSE」が生まれたのだ。

政府によるコロナの緊急事態宣言が全国に発令され、どのライヴハウスも今は静まり返っている。でも、コロナが収束したときにはきっと、人々は音楽を強く欲するはず。そのときのための支援活動だ。

内容は無観客ライヴ。ライヴハウスのステージで、ソーシャルディスタンスを確保した少人数で行われるパフォーマンス映像をTHE SHOJIMARU YouTubeチャンネルで、投げ銭システム(スーパーチャット)を利用し配信。 このチャンネルで、投げ銭課金を継続するには、登録者数1000人以上、視聴時間4000時間以上が必要。まずはパフォーマンスを観てほしい。

そして、このSAVE THE LIVEHOUSEに賛同したら、あるいは配信されているパフォーマンスに感銘を受けた ら、クレジットカードやPayPalで、1人100~50000円を課金することができる。 このお金は今運営を自粛しているライヴハウス、アーティスト、バンド、スタッフに還元される。

SAVE THE LIVEHOUSEのトップバッターとして4月4日からパフォーマンス映像の配信を行っているのは、杏子、元ちとせ、山崎まさよし、森高千里の4人。それぞれ2曲ずつ歌った。 

杏子はギブソンのアコースティックギターを手に「イヌ」を歌う。ハスキーな声で歌う淫らな歌詞、傍らでブルースハーブを演奏する山崎がカッコいい。2曲目は所属するオフィスオーガスタのユニット、福耳でのナンバーとして知られる「星のかけらを探しに行こう」。1曲目と2曲目のテイストの違いに、アーティストとしての杏子の懐の深さが感じられる。 

元ちとせは「いつか風になる日」と「ひかる・かいがら」。彼女の歌は風だ。海の彼方から吹く歌だ。さざなみが、島が、水平線に立ち昇るかげろうが見えるよう。 やまない雨はないこと、黙って明日を見つめること......。

山崎まさよしの「Eyes On You」は、今誰もが耐えているときだからこそ、とくに胸に響く。そして「中華料理」は、奪われたごく当たり前の日常がどんなに尊いものだったかを再認識させてくれる。 

森高千里は、ファンの間で圧倒的な人気を得ている「雨」と「渡良瀬橋」を歌う。私服でハンドマイクで歌う素朴な姿が、失った恋をつづる歌詞をより情緒的に感じさせる。町を去っていった彼、残る私......。「渡良瀬橋」の間奏部のたどたどしいリコーダーの演奏が切ない。 

杏子、元ちとせ、山崎まさよし、森高千里のパフォーマンスは5月10日までの限定配信。観るならば今だ。 

やがて取り戻す平和な日のために、ライヴハウスの灯りを絶やしてはならない。


Text=神舘和典