女性だけのランボルギーニの試乗会とは? ~吉田由美の"世界のクルマ"見聞録②

女性カーライフエッセイスト・吉田由美は、日本列島だけでなく世界中のさまざまな国にひとりで飛び、クルマの最先端を肌で感じ続ける"現場主義者"である。ゲーテWEBでは『吉田由美の"世界のクルマ"見聞録』と題し、彼女が実際に現地に出向き「見て、聞いて、乗って、感じた」ことを独占レポート。第2回は、ランボルギーニ史上初となる女性のためのスペシャル2days「ランボルギーニFABイベント in サンターガタ・ボローニェーゼ」で体感したこと。

日本代表として招待!

ランボルギーニ史上初めての女性のためのスペシャル2days「ランボルギーニFABイベント in サンターガタ・ボローニェーゼ」に"日本代表"として呼ばれ、5月19日にイタリアに飛びました。

1日目はサンタ―ガタ・ボロニェーゼにあるランボルギーニ(=正式名称 ヌォーヴァ・アウトモービリ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボオルギーニSpA)本社と本社工場、ミュージアム見学です。

ランボルギーニ本社工場は、SUVウルスを生産するにあたり、2017年に工場の敷地をこれまでの8万㎡から2倍の16万㎡に拡げて建屋も増築しました。投資金額はなんと4億ユーロ!

「ウルス」の製造工場へ潜入

「ウルス」の組み立てラインでは200名が従事し、23の作業工程。「シュアシーの組付け」「電気系の取り付け」「アクセサリーの取り付け」「ドアの組付け」「パワートレーンやサスペンションの取り付け」「タイヤの取り付け」「エンジンをかけたままでのテスト」などの工程を見学しました。各工程はそれぞれ32分で組み付けを行い1日に26台を生産します。さらに各工程ごとに検査を行い、品質を保持。手作業部分が多いのですが、ウルスの工程ではウインドーシールなどでロボットを活用しています。塗装や品質チェックは、トンネルのようにライトを並べて行います。

スーパースポーツラインの「ウラカン」と「アヴェンタドール」の組み立てラインも見学しましたが、こちらは「ウルス」と同様に23工程ありますが「ウラカン」は1つの工程は45分、「アヴェンタドール」は90分。ミシンを使うシートの工程はほとんど女性が行っているのが印象的です。「組み付け後」「品質チェック」「3D測定」を行い、基準通りかデザインどうりかをチェック。カスタマイズ専用の「AD PERSONAM(アド・ペルソナム)」やデザインスタジオ「Cento Stile」も見学しました。

「ウルス」のデザイナーMitja Borkert氏(ミルティア・ボルケルト)によると、「ランボルギーニのデザインで重要なのはシルエット。ランボルギーニのDNAはすべてのモデルに正面、サイド、後ろと共通のシルエットが存在します。六角形のモチーフも、アヴェンタドールのY字のライトも個性的ですが「Y」は六角形と六角形の隙間のデザインから生まれたとか。ボルケルト氏によると、「ランボルギーニはスイッチを押すだけでドキドキする、刺激を与えるものをデザインします。とにかくプロポーションにこだわり、レーシングなデザインに仕立てます。ウルスではSUV展開するために、毎日が挑戦でした。同じラインを使いながら新しいデザインにするためにストーリーを仕立てるのです」とのこと。

2億円超のアヴェンタドールベースを目撃

また、今年4月にリニューアルしたランボルギーニのミュージアム「MUDETEC」も見学しました。1階にはランボルギーニが1964年に初めて作ったスポーツカー「350GT」をはじめ、1966年製「ミウラ」、1971年製「カウンタック」、1993年製「ディアブロVT」、2011年製「アヴェンタドール」などランボルギーニの歴史を彩るラインアップが勢ぞろい。そして2階に上がると現在のラインナップに加え、2016年ランボルギーニ50周年記念車でランボルギーニの創設者フェルッチオ・ランボルギーニの生誕100周年を記念して作ったアヴェンタドールベースのお値段は2億円超え、全世界40台(クーペ20台、ロードスター20台)の「センテナリオ」や、世界に2台しかないという「ヴェネーノ」、運転席と助手席がそれぞれ独立するスペースを持つコンセプトカー「コンセプトS」などが展示されています。また、ランボルギーニ・ミュージアムのシンボルだという、壁に掛けられたアヴェンタドールも。新設された「ブレーンルーム」では、360度ランボルギーニの世界が映像で映し出されます。ちなみにここの館長さんも女性です。

ランボルギーニ製のはちみつをゲット♡

ランボルギーニの環境のお話もしましょう。2015年にCO₂のカーボンニュートラルのメーカー認証を取得。工場でのサスティナブルを目指し、14000㎡にソーラーパネルを設置して太陽光発電で蓄えた電力で工場内の30%の電力を賄っています。また、生物多様性も考慮し、2011年に「ランボルギーニパーク」を設置。大気のCO₂量を確認するためミツバチの生育にも積極的に行っています。ちなみにランチでふるまわれたはちみつは自社製。66万匹の蜂からとれたハチミツは、従業員にクリスマスプレゼントとして贈られるそうですが、今回特別にお土産にハチミツとハチミツで作ったクリームをいただきました♡

しかし、なんといってもこの日のディナーが素晴らしい。「ハイパフォーマンスライン」の工場内ディナー。「ずいぶんお土産コーナーで時間取るな~」と思ったら、先ほど見学した組み立てラインがディナー会場に変身していました。クルマは美しいオブジェ。しかも見学時は写真撮影NGの場所なのに!さらに自分の席には名前入りプレートというサプライズ。ソプラノ歌手による生オペラの演奏もあり、素敵な空間でした。ステファノ・ドメニカリCEOも参列し、このイベントに全力でランボルギーニ社が臨んでいることが伺えます。

マンツーマンスタイルの贅沢な試乗会


翌日は場所をイモラサーキットでランボルギーニを体験。ほとんどの参加者がサーキット初体験、ランボルギーニ車でのドライブも初体験という人も多かったようです。そのため、ヘルメットの被り方からドライビングポジションの取り方まで丁寧にビデオ解説。そしてコースでもインストラクターの後ろを1台が走るというマンツーマンスタイル。なんという贅沢な!だいたいの試乗会はインストラクターが先導する後ろを数台で走るため、後ろのほうだったり、不慣れなドライバーの後ろだと正確に走行することができません。しかし今回はドライバースキルに合わせて先導してくれるのです。

試乗車は日本にはまだ導入されていない「ウラカンEVO」、ニュルブルクリンクで市販車世界最速記録を持つ「アヴェンタドールSVJ」、そしてSUVの「ウルス」。最後は「ホットラップ」という、インストラクターがドライブする「アヴェンタドールSVJ」での助手席体験。私が乗ったインストラクターは私がカメラ片手に動画を撮っていたからか、かなり攻めた走りをしてくれました。お陰で動画はちゃんと撮れたかどうか……(笑)。自分ではここまでのパフォーマンスを引き出せないので、同乗試乗は楽しめます。しかし、捕まるところがない…。それにしてもクルマから降りてきたFABアンバサダーたちはみんないい顔しています!イモラサーキットは、縁石がイタリア国旗カラー。お洒落です。

まさにランボルギーニの世界を堪能した2日間でした。

「ランボルギーニ」と「ランボルギーニFAB」は、これからも面白いことをやってくれそうです。

Yumi Yoshida
岩手県生まれ。カーライフ・エッセイスト。自動車評論家(日本自動車ジャーナリスト協会理事)。短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、女性誌など広く活動中。3つのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は、ピーク時で1日約20万アクセスを誇る。持っている資格は、普通自動車免許、小型船舶1級、国内A級ライセンス、秘書検定、ECO検定、カラーセラピー。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本ボートオブザイヤー選考委員