不動産の資産を守り、ハイリターンをモノにする投資とは?

世界8ヵ国50以上の不動産を所有する不動産投資のプロフェッショナルが薦める、今買うべきエリアとは?


不動産投資を選ぶ3つのメリット

不動産投資のプロ、内藤忍氏は、国内、海外8ヵ国に50以上の物件を所有。各国の不動産をチェックしている内藤氏に、不動産投資のポイントを聞いた。

「金融商品ではなく、不動産投資を選ぶメリットは主に3つ。不動産の価値が上がることによるキャピタルゲイン、賃貸収入を得るインカムゲイン、所得税の節税効果があるタックスメリットです。そのいずれかを期待できる物件を選ぶのが基本です」

そして、運用はリスクを分散させることが重要だという。

「複数の地域に分けて選ぶのが鉄則です。優先順位は、日本、アメリカやイギリスなど先進国、次にアジアをはじめ新興国。人口や企業の増加、インフラが整備されるエリアを狙います」

日本国内ならば東京。アメリカならばサンベルト!

日本国内の不動産にはタックスメリットがある。

「シニアの方は、金融資産を不動産に切り替えることで、相続税対策になります」

そして、当然のことながら、国内の不動産は購入しやすい。

「すぐに現物を視察でき、管理は日本の不動産会社で安心。投資の難易度が海外ほど高くはありません。まずは東京から検討を。2020年に向けてオリンピック景気で、インフラが急速に充実しているからです。私は5年間で40戸ほど購入しました」

海外の先進国で狙うのなら、アメリカとイギリスだという。

「海外の場合、まず日本人が不動産を所有できるかを確認してください。所有不可の国は少なくありません。また、日本と違い、アメリカ、イギリスは地震が少ないので木造家屋でも50年から100年は持ちます。木造の築古物件ならば、建物比率80%として4年間、物件価格の20%ずつを減価償却できます」

先進国の大都市は大きく価値が上がることはない。

「ニューヨークやロンドンの物件はかなり高額。大きく価値が上がることは期待できません。日本人が好きなハワイも同じです。別荘など自分が過ごすために購入するならお薦めしますが。私が買ったのは、テキサス州、フロリダ州などアメリカ南部のサンベルトといわれるエリアです。先端産業の企業が集まり始め、人口が増え、インフラが整備されつつあるので、先進国のなかでは一番注目のエリアです」

新興国には、リスクも大きなチャンスもある

新興国では、中心都市の物件を選ぶのが基本だ。

「カンボジアのプノンペン、バングラデシュのダッカ、タイのバンコク、ベトナムのホーチミンなど、人口が急速に増えています。それに、50年前の東京がそうだったように、街の中心地でも、まだ条件のいい土地や物件が見つけられます」

新興国の不動産購入は、そのクオリティなどリスクはあるが、大きく儲かる可能性も秘める。

「6年前に買ったプノンペンのタワーマンションは、下層階も最上階もほぼ同じ価格でした。カンボジアには高層階に価値を見いだす概念がなく、多くの日本人投資家が上層階をプレビルドで購入し、値上がり益を得ています」

内藤氏は日本はいずれインフレになると読んでいる。

「あくまでも私の予想ですが、インフレを見越し、借金をしても不動産を買う価値はあります」

東京オリンピック開催までにはあと1年弱。今こそ不動産購入を検討してみたい。

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不動産投資キーワード

キャピタルゲイン
人口増やインフラの整備など、高い成長を期待できる国や地域の不動産を取得することによって、将来の値上がり益を狙えること。

インカムゲイン
国や地域経済の成長に伴いインフラが整備され、所得水準が上昇し、その地域の不動産物件による家賃収入の上昇が見こめる。

タックスメリット
税制上の利益のこと。国内不動産を個人で購入する場合、減価償却だけではなく相続税・贈与税の課税対象額の圧縮という税メリットもある。

オリンピック景気
五輪前のインフラ整備などによる好景気。東京一極集中は当面続き、景気後退による不動産の下落の可能性は低いと内藤氏は予想する。

サンベルト
アメリカ西海岸のカリフォルニア州南部~東海岸のノースカロライナ州にかけて一年中温暖なエリア。文化施設や大学も充実してきた。

プレビルド
建設工事の着工前に物件を購入すること。完成前に会社が倒産する可能性があるので、しっかりしたデベロッパーを選ぶのが肝。

Shinobu Naito
1964年生まれ。資産デザイン研究所代表取締役社長。東京大学経済学部を卒業後、マサチューセッツ工科大学スローン・スクール・オブ・マネジメントにてMBA取得。’99年、マネックス(現マネックス証券)創業に参加。2013年より現職。


Text=神舘和典