【特集IR】プロボクサー村田諒太「日本のIRがボクサーの新たな聖地になる」

来たるIR時代に求められるものはいったい何なのだろうか。スポーツ、食、エンタメ、投資、街づくり、イベンター、観光、ホテル。各界のトップランナーによる分析が明かすのは、IRには日本をさらなるステージへと導く力を秘めているということだ。まずはボクシングのチャンプ、村田諒太に聞いた。

IR=ラスベガス=ボクシング

ボクシングの聖地といえば、ラスベガス。WBA世界ミドル級王者・村田諒太はこの聖地で3回試合を行っている。

「1回目は大学の施設でしたが、2回目と3回目はMGMグランド・ガーデン・アリーナで戦いました。その一度目は1ラウンドでKOした、いい試合。でも2試合目の防衛戦は負けちゃったんで、次にやる時は絶対に勝ちたいですね」

村田選手にとっては、IR=ラスベガス=ボクシング。2000年に行われたフェリックス・トリニダードとフェルナンド・バルガスの試合が特に印象に残っているという。

「あの試合を何百回見て、どれだけトリニダードの真似をしたか。ボクシングの世界においてラスベガスが”真ん中”という印象はあの試合からですね」

これまで数々の名試合が行われたラスベガスの “ボクシングの聖地” MGMグランド・ガーデン・アリーナ。村田選手も過去2試合をこの会場で行っている。

プロデビュー当時、ラスベガスで3〜4ヵ月のトレーニングを行ったこともあるという。

「最初の印象は『オーシャンズ11』(笑)。映画の世界に迷いこんだように思いました。自分が試合をする時は集中しているので他の会場との差を感じないんですが、観客として行ったら楽しい場所だなと感じました。格闘技の試合を観に行った時は、試合間の演出のすごさに驚きました。音楽をガンガン鳴らして、照明や映像の演出にも凝っている。クラブのような感じで、観客はみんなビール片手に楽しんでいました。試合も観やすいつくりだったし、ああいう会場が日本にも欲しい」

日本にも同じような施設ができることを期待している。

「IR ができると、アスリートやパフォーマーのチャンスが広がると思います。世界の人が観に来るでしょうから、かつてのマニー・パッキャオのように名もなきボクサーがいきなりスターになることもあるはず。“ジャパニーズドリーム” が生まれる場所ができたらいいですね」

村田選手のスポンサーにもなっているMGMリゾーツは、ラスベガスに本拠地を置く、IRリゾート運営会社。MGMグランド、ベラージオ、マンダレイ・ベイといった錚々たるIRブランドを運営する。ボクシングの聖地、MGMグランド・ガーデン・アリーナもグループの傘下。「MGMがスポンサーになってくれると聞いた時はすごく嬉しかったです」(村田選手)

Ryota Murata
1986年奈良県生まれ。現・WBA世界ミドル級王者。2012年ロンドン五輪で金メダルを獲得し、翌年プロデビュー。’17年に世界王者となるも翌年陥落。’19年7月に王者に返り咲くと、12月には初防衛を果たした。


Text=川上康介