「攻撃ハ最大ノ防御ナリ」屈強系SUVのなかで一歩抜きん出た、新型ディフェンダー現る!

究極のタフネスビークル、英ランドローバーから登場した新型ディフェンダー。国内ではローンチエディション発表後わずか数日で即売し、その後の先行予約モデルでも人気ぶりを見せつけた。15年も途絶えていたブランニューモデルとあって今最も注目されているランドローバー、新型ディフェンダーに早速試乗してきた。

約70年ぶりの"革新的進化"

ランドローバー ファミリー第3の“シリーズ”として復活を遂げた新型ディフェンダー。有償でルーフラックや各種ツールを収納できるパニアケースも備え、特徴ごとに厳選された4種類のアクセサリーパックを用意している。

そもそもディフェンダーは「ランドローバー」そのものだったのをご存知だろうか? ローバーが1948年から作り始めたのが、その名もランドローバーシリーズ。幾多のマイナーチェンジを経て1990年にディフェンダーと名を改め、2016年まで生産されていたのだ。基本となる中身はそのままに約70年ほぼ変わっていない。自動車界のシーラカンスだったのである。

とはいえ、新型ディフェンダーは、屈強なハードコアSUVのライバル勢(米ジープ ラングラー、独メルセデス・ベンツ Gクラス、トヨタ ランドクルーザー)とは違って、過去からの踏襲は名称以外にまるでない。アイコンとなる丸目ヘッドライトやルーフデザインなど、どこか懐かしいカタチだけれどもすべてに新しい。モダンで色気すらある。

水平基調のキャビンは武骨さを現代的にアレンジしたカジュアルな印象。スイッチ類をはじめ、走行モードの切り替えやデフロックなど走りの機能もインフォテインメントシステムを介して中央タッチパネルで操作する。

先立って新型モデルへと全面改良を果たした好敵手たち(新型ランドクルーザーは来年登場予定)は、ハードコアSUVの証となるトラックと同じラダーフレーム構造を先代モデルより踏襲、堅持している。

一方、この新型ディフェンダーでランドローバー社が導き出した答えは、伝統のラダーフレームを捨ててシャシー&ボディの一体化。つまり、乗用車と同じで、なおかつ軽量化も図れる独自のアルミモノコック構造(ねじれ剛性はラダーフレーム比3倍!)を採用。オンロードにおける走行性能向上や快適性も追求するという新たな道を示したのだ。

魂である悪路走破性は最新技術でカバーし、高速路では安定した走りを、ラフロードでは先代モデル以上に高い車高で水深90cmの渡河性能まで備える。ライバルたちよりも一歩抜きん出て見た目同様、中身も大幅に"攻めの姿勢"を貫いている。

試乗したのは新型ディフェンダー「110」。5ドアをもつロングボディ仕様で、「5+2」の7人乗りの設定も。ボディサイズは全幅1995mm×全高1970mmと、ひとえに大きい。

フォワード的走りもできる

プッシュ式のスタートボタンを押してフロントパネルから伸びた電磁式ギアシフトを「D」レンジにして出発。走り出してすぐに気付くのは乗り心地の良さだった。オフロードを走れるブロックタイヤを装着しているにも関わらず、静粛性は高く、不快な突き上げもなく至極快適。大きな見た目の体躯からは想像もつかないほど、取り回しに優れている点も好印象だ。

しかも快走路でひとたびアクセルを踏みこめば、車重約2200kgをものともしないダッシュが味わえる。心臓部の2ℓ直列4気筒ターボを侮るなかれ! 最高出力300psの力強い加速は痛快そのもの。乗り味は武骨な先代モデルから想像していたディフェンダー像とは、全く異なる洗練されたものに劇的進化を遂げている。

最大登坂能力は最大となる45°。頼もしい悪路走破性は、ランドローバーが誇る4WDシステム「テレイン・レスポンス」をノーマル状態にしても余裕でこのオフロードを走れるのではないかと思ったほど。

いざオフロードコースを走ると、拍子抜けしてしまった。激しい急勾配やモーグルなど、不整地に設けられたアトラクションをワクワクしながら挑むものの、期待していたスリルや刺激は皆無。何事もなくゆるりゆるりと力強く切り抜けていくから凄い。

ドライバーは、いくつかの所作を経てオフロードモードにし、ステアリングとアクセルを路面の状況に合わせて運転操作に集中するだけ。新型ディフェンダーでは、特別な技術はなんら必要ない。

新採用のボンネットが透けて見える3Dサラウンドカメラ機能。足元の岩の位置や轍の状況、路面に落ちている枝木をいちいちクルマから降りることなく確認できる。

一目でディフェンダーだとわかるキャッチな見た目に、洗練された走り味。ストリートでは心地よく、オフロードでは堂々と悪路を駆け抜ける。「攻撃ハ最大ノ防御ナリ」よろしく、まさに攻めの姿勢がみてとれた今回の新型ディフェンダー試乗会。

気になる価格は3ドアのショートボディ「ディフェンダー 90」が499万〜739万円。5ドアのロングボディ「ディフェンダー110」は589万〜820万円。絶版車として取引された先代ディフェンダーがプレミア価格で取引されていたことを考えれば、そのアイデンティティーが紐づかれて500万円台〜となった新型モデルのプライスは大いに魅力的だ。

偶然見つけた先代ディフェンダー(写真左)に敬意を示してのツーショット。新型はスクエアデザインから丸みを帯びたモダンスタイリングに。


問い合わせ
ジャガー・ランドローバー・ジャパン TEL:0120-92-2992

Text & Photograph=ダニエル利樹(ゲーテWEB編集部)