名眼科医 荒井宏幸氏~イタリア車の偏愛履歴書~


FERRARI
SPIDER458
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荒井宏幸
クイーンズ アイクリニック院長

 荒井宏幸さんは、勤務するクリニックの地下駐車場にフェラーリ458とポルシェ911ターボの2台を並べる。どちらで帰宅するかは、その日の気分しだい。

 「10件以上の手術が終わり、すべてが完璧にできた日はフェラーリで帰ります。ワクワクするほど美しくて、インテリアも艶(あで)やか。エンジン音は音楽のようです。オープンにして横浜の夜景を眺めながら風を受けて走ると、恍惚(こうこつ)として疲れが癒えます」

イタリア車に魅せられたきっかけはマセラティ

排気量4.5リットルのV型8気筒エンジンを搭載することが、「458」という車名の由来。ここに紹介した458スパイダーのほかに、クーペ版の458イタリアというモデルがある。F1マシンと同じく、エンジンがドライバーの背後に位置するミッドシップ車である。スイッチ類が並ぶハンドルなど、そこかしこにF1の香り。

 落ち込んだ時がポルシェの出番かというと、そうでもない。

 「おとなしく帰宅する時は静かで速い、出来のいいポルシェ。でも落ちこんでいる場合じゃない時には、フェラーリで高速を走って自分を元気づけます」

 荒井さんがイタリア車に魅せられたきっかけはマセラティだ。

 「学生時代は国産スポーツカーで飛ばしましたが、ドクターになって乗ったマセラティ222 4Vに驚きました。以前は速いとか曲がるといった機能に価値を見い出していましたが、マセラティは音や形、質感などの官能的な表現で訴えてきたんです」

 荒井さんにとって、ドイツ車や日本車は便利な文明の利器。一方、イタリア車は心を潤す文化的産物なのだ。

Hiroyuki Arai
1964年東京都生まれ。98年にクイーンズ アイクリニック開設。近視矯正手術や白内障手術など、眼科の手術医療が専門。防衛医大の非常勤講師も務めており、著書に『目は治ります。』などがある。

Direction=島田 明 Text=サトータケシ Photograph=隈田一郎

*本記事の内容は16年11月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)