三浦瑠麗と安積陽子が考える魅力的な男性とは? 【女性目線で考えるいい男】

“一目置かれる男”には、仕事のみならずファッションやマナーも含めた総合力が求められる。その条件を満たす人物像とは? 国際政治学者の三浦瑠麗さんと国際ボディランゲージ協会代表理事の安積陽子さんにうかがってみた。


女性から一目置かれる男の条件

ひとりよがりな価値観や美意識ではなく、一目置かれる男か否か、は対外的な視点から評価されるべきだ。では、一体どのような男性が一目置かれるのか。ビジネスからファッション、食事の際のマナーまで、 経営者や政治家たちと接する機会の多い才女ふたりが考える条件とはどんなものなのか?

安積 一目置かれる男性というのは、ジェントルマンであることと同義。でも、これを着ていたらジェントルマン、この振る舞いをしたらジェントルマンというわけではなく、総合点でいえることだと思うんです。具体的に挙げるとすれば、ラグビー元日本代表監督の故・平尾誠二さん。移動中も常に勉強していて、その姿勢を通して若い選手にどうやって有意義な時間を過ごすべきか、を自然と示していたそう。それができるのは、本当のジェントルマンだけです。

三浦 その観点でいうと、日本は独自の律し方がありますよね。人格を重視する気質もありますが、言葉ではなく背中で語るとか、どの世界を見ても人格で押し上げられていくことをよしとするみたいな。

「本能として健康な男性は美しく見えます」−−−三浦瑠麗

安積 そう、特にポジションで人をマネジメントすることが、日本社会は多い。海外と比べた時に、このポジションだからこれを言わなきゃ的なところがあって、本当に紳士的な方はポジションでモノを言うのではなく、人間力や人格でモノを言える。そんな人は尊敬に値します。

三浦 そういう人間力のある人を政治家で挙げるとすれば、高村正彦さんですね。高村さんは人格、知性ともになかなかいらっしゃらない方です。信義を重んじるところがあって、そこは知性と同じくらいリーダーとして重要な資質なんだと思います。何かこじれた件があっても彼が出ていくと「収まる」というのも有名な話です。政界を見渡しても、なかなかそういう方が出てこなくなりましたね。ぱっと見を評価されるのではなく、日常的な人への接し方ですね。

安積 高村さんもそうなんですね。自分のスタイルを貫いている男性という面では、生き方として潔さを感じる山中伸弥さんもそのひとり。ノーベル賞の受賞前後でファッションが変わらない。最初からクラシックスタイルで、かといってレトロなわけではなく、立場が変わっても、本物志向でスタイルは変わっていません。

「ブレない哲学を持った男性は魅力的です」−−−安積陽子

三浦 そうですね。嗜好がコロコロと変わる人の対極にあるのが、貫いている人ということに なりますが、こだわりを持って貫く人もいれば、こだわらないことにこだわる人もいたりして(笑)。

安積 そこで大事になってくるのが美意識です。何が美しいか美しくないかという軸がないと結局はルールに流れてしまう。でもルール止まりだと三浦さんのような人から、つまらないと見られがちなわけで。やはり理想はちゃんとしたルールを知識として持ちつつ、自分の美意識を加える。そうすることで、見え方も伝えられるメッセージも違うものになるはずです。

三浦
 そういう意味では健康だと美しく見える、というのはあると思います。状態のいい肌も 爪も健康であることの証ですから、ケアしたほうが魅力的。ハンドクリームを使ったり、スキンケアをしている男性も多いですし、運動しているだけでも。代謝が上がるから、肌の状態もよくなると思うんですよね。

「姿勢は自身の規律を表現するものだと思います」−−−三浦瑠麗

安積 もちろん肌も大切ですが、根本的なところでいえば、姿勢はその人のプライドや自尊心と関連があると世界各国でいわれていて、それを見れば今どういう心理状態なのかを知るバロメーターにもなるんです。それに人が何を着ていたかは思いだせないけれども、どういう姿勢で話していたかは記憶に残りやすい。きっとそれだけ無意識に相手の姿勢や表情に注目している証拠もあるんです。

三浦 姿勢は自制心の表れかもしれませんね。私は外見より中身を重視するタイプですが、人間は本能に任せっはなしだと、ロクでもない(笑)。ただ本能のなかでいいところは伸ばしつつ、自分に規律を教えることは人としてリスペクトされるためにも必要なこと。私かが最重要視するのはそこかもしれません。

安積 結局、いついかなる時も紳士な人は、スピリットが紳士です。ひとつの仕草だけではなく、そこから派生するすべての行動、発言、言葉選びなど、総じて通じるところがありますね。

「他者のために能力を使えることが大切ですね」−−−安積陽子

三浦 なかなかスピリットは変えられないですし、誤魔化せませんからね。それに人格者として見られることは、日本の社会において最も得する要素なのだから、それを磨くだけでも一目置かれるようになるはず。

安積 また平尾さんの話になってしまいますが、彼は待ち合わせの30分前には着いて、近くのバーなどで時間を潰す。そして、あたかも5分前に来たかのように振る舞う。自分は待っても、相手を待たせないことを何十年と続けていました。それができるのも周囲への敬意があるから。それを継続できる人は巡り巡って自分にも敬意を払ってもらえ、結果として一目置かれるのではないでしょうか。


Lully Miura
国際政治学者、博士(法学)、シンクタンクの山猫総合研究所代表。専門は安全保障を中心とした国際政治。テレビ、新聞など各メディアでコメンテーターとしても活躍する。『21世紀の戦争と平和』をはじめ、著書も多数。


Yoko Asaka
シカゴ生まれ。ニューヨーク州立ファッション工科大学でイメージコンサルティングの資格を取得後、各界の著名人に自己演出のトレーニングを行う。近著は『CLASS ACT世界のビジネスエリートが必ず身につける「見た目」の教養』。


Text=いとうゆうじ Photograph=鈴木規仁