その広さ1200平方メートル! ガラスに囲まれた爽快な家 アパレル会社 代表取締役社長 A氏邸


海外のリゾートホテルを彷彿させるようなスケルトンハウス。光と自然が満ち溢れる邸宅には、休日になると三世代が賑やかに集まる。

全長50mの廊下。リビングと廊下に飾った写真はアメリカ人の写真家がこの家に惚れ込み、1週間滞在して撮影した、この家の写真だ。

Aさんは一代でアパレルブランドを築いた人物。10年ほど前、自宅と本社を構えるいわき市に、約700坪の土地を手に入れた。

「さて誰に自宅の設計を頼んだらいいか」と地元の建設会社に相談したところ、数名の有名建築家の名前が挙がってきた。

「そのなかに坂茂(ばんしげる)さんの名前がありました。坂さんの作品を拝見したところ、すっきりした気持ちのいい建物が多く、私もぜひこういう家に住みたい、と思って依頼を決めたんです」

完成は2006年。場所は住宅街の一角にある幹線道路に面した小高い丘。門扉を抜けるとクルマが7台駐められる屋根つきの車庫が囲む庭があり、エントランスに続く。外からもガラス越しに中が見える、広大なスケルトンハウスがそこにあった。

「片側が幹線道路だということもあり、外に景色を求めるのではなく、建物の内側にプールや竹林、中庭を作り、各部屋からガラス越しに内側に開放感を得られるような作りになっています。おかげでプライバシーを気にすることなく寛げる家になりました」

そして圧巻は、まるでリゾートホテルのロビーを思わせるプールサイドのリビングルーム。西ドイツ製のガラスシャッターがプールに向けて全面開放すると、壁面緑化の壁とプールの青のコントラストが目に眩しい。

リゾートホテルのようなリビングルーム。写真の手前に10人は座れる大きなダイニングテーブルとバーカウンターやワインセラーもある。

「この開放感が何より。近所に住む長男や長女の家族が集まると、卓球台を出したり、夏はプールで遊んだり。夫婦水入らずの静かな休日には、妻がここでピアノを弾くので、その音色を聴きながら、プールを挟んだ反対側の和室で私は囲碁に興じます。まさに至福の時間ですね」

ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェア、B&B ITALIAのソファ、カッシーナの椅子、フロスのアルコライトなど、白亜の大豪邸にふさわしい家具はすべて白とシルバー、そしてアクセントに黒。

1階、2階に全長50mの廊下もある、延床面積1200平方メートルの広さでありながら、全室がスケルトンのせいか、妻の声はどこからでも聞こえ、どの部屋にいるか見えるため、孤独感はまったく感じないという。

「リビングにはワインセラーとバーがあり、大人はプールを見ながら寛いでいます。孫たちが家の中を走り回る姿を、ガラス越しに眺められる。妻は一日中家の中にいても6000歩以上は歩くので、運動不足にはならないと言っています(笑)」

そして2階のプライベートスペースにも、開放感を感じる工夫はそこかしこに。

「メインのバスルームは半露天です。ガラス扉を全開して入れば、目の前が中庭の竹林なんで露天風呂気分を味わえるんです。私と妻のベッドルームは竹林の反対側。その部屋だけで30坪あり、西向きの窓からは湯ノ岳や水石山(みずいしやま)が見えるので、その風景にも癒やされます」

そしてこの家には家主がこだわった趣味のスペースも充実。

「坂さんが模型を作る前に、家への要望を聞かれたんですが、私が出したのは"好きな映画が見られる部屋"と"ゴルフの練習ができるスペース"を作ってほしいということだけ」

それ以外は家族構成を聞いた坂さんが作ったプランをほぼすべて採用して仕上がった。

「仕上がりはとても気に入っています。広々として圧迫感がないのが何よりです。妻とふたりだと、キッチンの横のファミリールームにいることが多いんです。とはいっても、毎日昼時になると子供たちが昼ごはんを目当てにワイワイ集まり、ふたり住まいとはいえ賑やかです」


Text=今井 恵 Photograph=高島 慶(Nacása & Partners)

*本記事の内容は17年7月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)