ランボルギーニの躍進を支える「ウルス」「ウラカンEVO」という2つの巨頭

世界的にランボルギーニの売上げが好調だ。2018年の売上げは、対前年比で+51%。なぜ、世界中でランボルギーニが人気を集めているのか。それは、ウルスとウラカンEVO、この2台に乗ればわかる。モータージャーナリストのサトータケシ氏が試乗した。


Drive an Urus

ランボルギーニ・ウルスで走り出して、まず感心するのが運転のしやすさと快適であることだ。エンジンは、始動する瞬間に「フォン!」と咆えて、ドライバーのハートに火を灯すけれど、市街地を流したり高速道路をおとなしく巡航するくらいならエンジン音は静かだし、エンジンのフィールも滑らかで粗っぽさはない。

乗り心地もいい。路面の凸凹を通過しても、サスペンションがしなやかに伸び縮みして、路面から伝わる衝撃をやわらげてくれる。これは、エアサスペンションを採用した効果だろう。尖ったデザインなのに、運転席から死角になるところもないから車体の四隅を把握しやすい。

見た目はサイボーグの猛牛のようなのに従順だ――、と油断してはいけない。「Tamburo(タンブーロ)」と呼ばれる、操縦桿のようなレバーを操作して走行モードを選ぶと、性格ががらっと変わるからだ。

選べる走行モードは、「STRADA」「SPORT」「CORSA(レースの意)」「TERRA(グラベル)」「NEVE(スノー)」「SABBIA(デザート)」の6つで、「STRADA」がノーマルの状態。ここで「SPORT」や「CORSA」を選ぶと、アクセル操作に対するエンジンのレスポンスが噛みつくようにシャープになり、音も高まる。

4ℓのV8ツインターボの650psを炸裂させると、強力な加速力で身体がシートに押しつけられる。ただしここでも野蛮さとは無縁で、エンジンパワーを一滴も無駄にせずに路面に伝えている感触がある。高度な四輪駆動システムが、パワーを上手に4つのタイヤに振り分けているからだ。

暴力的ではあるけれど、野蛮ではない。最新のトレーニング方法で科学的に鍛えたヘビー級ボクサーなのだ。

おもしろいのはワインディングロードに入ると、まるでライトウェイトスポーツのようにクルクルと曲がることで、これは後輪も操舵するシステムの恩恵だ。つまり、ここでもハイテクで動きをコントロールしている。サイボーグの猛牛というのは見かけだけでなく、全身を最先端技術で制御しているのだ。

上質な走りを見せるプレミアムカー、有無を言わせるスーパースポーツ、そしてSUV。ランボルギーニ・ウルスは、3つの顔を持つクルマだ。

Urus
ランボルギーニがSUVをつくるのか、と意外に思われる方がいるかもしれない。けれども同社は、1982年代にLM002というSUVを発表している。これはV型12気筒エンジンを搭載した超高性能SUVで、現代のハイパフォーマンスなSUVの始祖とも言えるモデルだ。
ボディサイズ:全長×全幅×全高=5112×2016×1638mm
ホイールベース:3003mm
車重:2360kg(車検証記載値)
駆動方式:4WD
エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:650ps(478kW)/6000rpm
最大トルク:850Nm(86.7kgm)/2250-4500rpm
価格:¥26,525,050[税抜]


Drive a Huracán EVO

アクセルを踏み込むと、5.2リッターのV型10気筒NA(自然吸気)エンジンが盛大に音楽を奏でる。「フォーン!」という音は、何百もの金管楽器の合奏のようだ。音といい、突き抜けるパワー感といい、電光石火のレスポンスといい、いま新車で買える最も官能的なエンジンであると言っても過言ではないエンジンが、ウラカンEVO最大の魅力だ。

V型10気筒エンジンをドライバーの背後にミドシップするウラカンEVOは、ウラカンの後継モデルにあたる。ウラカンからの変更点は、大きく以下の4点。
まず、デザインは、高速域での空力性能の向上を図るために手が加えられた。

また、4輪駆動と4輪操舵を一括でコントロールするための制御システムを採用するようになった。そして高出力化が図られたエンジンは最高出力640psを発生する。そしてもうひとつ、最新のコネクティビティ機能を備えたインフォテインメントシステムが搭載される。

もし幸運にもウラカンEVOのオーナーになった方は、魂を震わせるV10エンジンとともに、ぜひ安全な場所、たとえばサーキットで「スポーツ・モード」を体験していただきたい。これは"ドリフト・モード"と呼びたくなるぐらい、お尻を滑らせて遊べるモードだ。

前後輪のトルク配分、左右輪のトルク配分、そして後輪操舵など、車両の動きをトータルで制御、アクセルをコントロールすることでドリフトの体勢をキープすることができるのだ。

しばしば、「最近の高性能車は操っているのではなく、乗せられている気がしてならない」というクルマ好きの声を耳にする。筆者もそう思わないこともないけれど、このウラカンEVOは違う。切れ味鋭いエンジンといい、"ドリフト・モード"といい、猛獣を飼い慣らす楽しみが味わえるのだ。

Huracán EVO
スポーツカーの世界でもエンジンのターボ化が進むなか、貴重な自然吸気エンジンをミドシップするスーパースポーツ。大成功したウラカンの後継モデルという位置付けで、ランボルギーニの中核を担う。本文にあるエンジンのパワーアップに対応して、ブレンボ製のカーボンディスクブレーキが標準装備されている。
ボディサイズ:全長×全幅×全高=4520×1933×1165mm
ホイールベース:2620mm
車重:1422kg(乾燥重量)
駆動方式:4WD
エンジン:5.2リッターV10 DOHC 40バルブ
トランスミッション:7段AT
最高出力:640ps(470kW)/8000rpm
最大トルク:600Nm(61.2kgm)/6500rpm
価格:¥29,843,274[税抜]


SATO'S VIEW

ランボルギーニは、圧倒的な高性能だけでなくデザイン性や、インテリアの上質な設えも魅力のブランドだ。したがって、ボディカラーやインテリアの素材、オプション装備などはじっくり考えて決めたい。そこで、バーチャル空間で“仮想マイカー”をアレンジできる、カーコンフィギュレーターの日本語版がスタートした。案内にしたがって好きな仕様を選んでいくと、ステッチ1本まで自分の好みに仕立てた、理想の1台が完成する。マニアックなクルマ好きのなかには、まずインテリアを決めてから、それに合わせてボディカラーを選ぶという人もいるとか。カーコンフィギュレーターを使えば、「乗る」だけでなく、「仕立てる」楽しみが味わえるのだ。


Column

自らの思いのままにランボルギーニをつくることができる「カーコンフィギュレーター」の日本語サイトがオープン。エクステリアの各種オプションから、インテリアのスタイルパッケージ、ドライビング機能等の装備まで、ほかにはない多彩なオプションの選択が実現。まさに、「オーダーメイド」として唯一無二の自分だけのランボルギーニを創造することができる。

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問い合わせ
ランボルギーニ カスタマーセンター TEL 0120-988-889


Text=サトータケシ