オンライン英会話を始めてみた ~英語力ゼロの私が、ロンドンに移住したら⑤

35歳英語力ゼロなのに、会社を辞めて渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第5回!

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部屋に引きこもりはじめる

渡英4ヵ月が過ぎた頃、日本の会社が運営しているオンライン英会話を始めました。英語に限らず、知らない人とマンツーで話す、ということが恐ろしすぎて、今まで手を出せないでいたレッスンです。

語学学校に行っていたって先生を独占できるわけではなし、クラスメイトと話すのも楽しいですが、最後はボディランゲージに頼ってしまう。もちろん道ゆく人は手とり足とり教えてくれるわけじゃありませんし、次の言葉が出てこなくて文字通り「あうあう」言っている私の英語をじっくり聞いてなんてくれません。ちなみに役所に行った際、いろいろ聞こうとしていつも通り「あうー」と言っていたら、書類を渡されて窓口閉められました。5時少し前でした。

ロンドンにいながらにして、部屋にこもりフィリピンにいる先生と話す……なんとも不思議な状態ですが、結局これがスピーキングに慣れるための最善の方法、な気がしました。実際やってみれば、ちゃんとした教材もあるし、発音の指導もしてくれる、自信を失わせない方法も先生方は心得ている。あれ、なら日本にいた時からやればよかったじゃない……というか、文法やリスニング、単語を覚えるのも結局は自分一人の作業、英語の学習は、環境ではく、ただただ、やるかやらないか、なのでは……。

という至極当たり前のことに、やっとやっと気がつきました。

最近はイギリス文化よりもむしろ、フィリピンの生活に詳しくなりつつあります。

「クマ」じゃない「ベア」

何も聞き取れず電話口でフリーズしたトラウマを引きずっていて、いまだ英語の電話ができません。何かを依頼する時は常にメールで行っています。しかしわりとどの会社もメールアドレスを、時には担当者直接のアドレスまでHPで公開しているうえ、返信も結構な早さでとちゃんとあります。

本来日本にいれば私は「先ほどメールを送りましたが、見ていただけたでしょうか」というクドい電話をするタイプなので、メールだけですむ、というのが、ああ、なんだかすごく効率的。ホリエモンが言っていたのはこういうことなのか、と今更ながら感じています。

そんな英語メールのやり取りで発見したフレーズがこれ。

bear with us

私から出すメールの冒頭には言い訳がましく常に「日本人なので英語が下手です」と書いているので、みなさん返信は極めてシンプルな英語でわかりやすく書いてくれます。しかしこれはさっぱりわかりませんでした。

bear with us(またはme)=「ちょっと、待ってて」

というニュアンスのようです。

bearはスペルも発音も「クマ」の「ベア」と一緒ですが、この場合は「耐える」という動詞として使われています。ちょっと我慢してね、待っててね、という意味合いのようでした。

ちなみに部屋の水道管の漏水が激しく、修理を依頼したメールの回答がこれ。が、その後数日連絡はありません。もう流石にビニール袋をかぶせただけの応急処置が限界なので、明日あたりやっぱり電話しなければなりません。考えるだけでお腹が痛いです。

ロンドンを代表するベア、パディントン。

何を聞かれているか、わからない質問

ある日、語学学校のクラスで、クラスメイトに聞かれました。

What did you get up to?

教室では、多様な国籍と多様な年齢の人が入り乱れ一緒にゼロから勉強しています。なかには60代、70代の人もいます。「35歳で勉強を始めるなんて遅すぎた」と思っていた自分はなんと言い訳がましいのか、新しいことを始めるのに、遅いということはないのだ、とクラスメイトを見ていると感じます。

で、月曜の朝一のこの挨拶。

「get up」だから、きっと「何時に起きたの?」って聞きたいのを間違えたのかな? などと余裕で構えていたら。

What did you get up to? =「何をしていたの?」

つまり「What did you do?」と同じ意味でした。月曜の朝一にこの挨拶なので、「週末どうしていた?」というような意味あいでしょうか。これは実はアメリカではあまり使われていないフレーズのようです。

このように「一瞬何を聞かれているかわからない質問」はよくあります。例えば初めて会った人同士で会話する時のこの質問

What do you do? 

直訳だと「何をしている?」ですから、最初はなんて答えればいいのかと戸惑いました。しかしこれは

What do you do? =「あなたは何をしている人?」

という意味で聞いています。職業や今の自分の状態を答えるのが正解です。

パレードの季節

夏を迎え、ロンドンではパレードの季節が始まっています。

7月6日にはLGBTのパレード「Pride of London」が開催。昨年は100万人が参加し、今年はそれ以上の大規模になると予想されていて、見学のための有料席まで販売されています。

© Carlos Calika

そして6月8日にはロンドン市内を"裸"で自転車に乗るイベント「World Naked Bike London 2019」が開催されました。クルマ依存社会へのアンチテーゼが目的のイベントでもう本当に素っ裸の人、身体中に派手なボディペインティングをした人などが走り回り、大変衝撃的な光景でした。

こちらの写真は過去の大会より。(提供:World Naked Bike London 2019)

ちなみに「裸の」と言う形容詞は「bare」と言うのですが、これが先に紹介した「bear」と発音が全く一緒なのです。つまり「Bear with us (ちょっと待ってて)」は「Bare with us(一緒に裸になろう)」と音が一緒! このレースの場合のみ「Bare with us」と言っても正しいですが、「ちょっと待ってて」で使おうと思った場合は混同しないようくれぐれもご注意ください。

⑥に続く
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MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在仕事が非効率。