コロナ禍のスナック。赤坂・中野・荒木町編【玉袋筋太郎のスナックミシュラン】

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響をまともに受けたのが、夜の飲食業だ。自身もスナックを4店舗経営する玉袋筋太郎さんが、本連載で過去に訪れたスナックのママたちに現状を聞いた上でメッセージを送った。今回は、 赤坂編『ローズ』 、中野『カプリコーン』、荒木町『二枚貝』。

東京・赤坂『Rose』

ワインと映画を愛する"赤坂の杉本彩"の店~赤坂『Rose』

玉袋さんのお店「スナック玉ちゃん」と同じビルにあるご近所の『Rose』(2019年11月24日公開記事はこちら)。ワインと映画を愛する"赤坂の杉本 彩"と呼ばれるママは、大人の街・赤坂で9年間営業してきた。しかし、4月1日から休業中だ。

「一日でも早く、元の日常が戻って、毎日いろんなお客様とお会いしてお話ししたいなって心から思います。 どなたにも会わずにいるので本当に寂しいです。 お客様からのメッセージはかなり励みになるので、何でもいいからメッセージくださいって感じです……。気にかけてくださるのが本当に嬉しいです」

趣味は美術展や映画を観に行くことで、お客さんとそうした文化的な話題をするのがライフワークだった。しかし、それもできない。ひとりで悶々とした日々を過ごしている。

「写真集や映画や本など、感覚が鈍らないよう、おうちでできる努力をしています。お客さんとの話題が減らないようにしたいですからね。心も身体も健康でいて、すぐに通常運転に戻れるようにバランスの良い食事をしています。あと飲酒を減らしてます。おうちで飲んでも、面白くないですから。オンライン飲みとかも流行っているみたいですが、私はアナログなのでしていません……」

4月1日から完全休業に入ったが、なぜかナイトビジネスに対して風当たりが強く、悲しみが押し寄せているという。

「私の店は4月1日から完全に休業に入りましたが、"ナイトクラブが言うこと聞かない!クラスターは夜の街から!"などと、スナックも含め水商売のモラルがはちゃめちゃみたいな報道が多く悲しくなりました。実態は、割と早々に自主的にお休みしているお店が多かったと感じてます。お客様、女の子、お店を大切に思っているママさんたちは意外と聞き分けいいですよ、と伝えたい。もちろん、お店をお休みさせるという判断は泣く泣くですが……」

最後に、現在の自身の心境とともに、お客さんへのメッセージを送ってくれた。  

「資金繰りや継続については"どうにかなるでしょう"と勝手に思ってます。というか、いつまでこの状況が続くのか分からないので考えようがないです。みなさんも、ご自身と大切な人のために体を大切にしてください。ママ達もお店の女の子も耐えてます。また常が戻ったら飲みにきてね!」

玉ちゃんからのメッセージ
「人に会えないと情報や知識の上書きができないのが辛いよねぇ。資金繰りなんてのも、考えだしたら滅入っちゃうよなぁ。すべての商売の人が陥っている不安スパイラルだよ。でも、ローズだけにスタッフもお客様もバラバラにってことには絶対にならない! ご近所同士、がんばろう!」

東京・中野『カプリコーン』

背中から学ぶスナック道 ~東京·中野『カプリコーン』

中野にある『カプリコーン』(2019年8月25日公開記事はこちら)。サブカルの街として有名だが、近年は大学のキャンパスができるなど都市開発が進み、観光客も訪れる街となっている。そんな中野で30年以上続く老舗スナックとして愛されてきた。38年前から店を切り盛りする大ママ、そして、その2人の娘・歩美ママ、由夏ママの3人がメッセージをくれた。

大ママ
「このような環境での休業は初めてなので、何をどのように語って良いかわかりません。娘二人から"歳なんだから人一倍気を付けて"と言ってくれたことが励みです。休業保証の手続きをもっと簡単に、皆に早く渡るように心の拠り所を持たせて貰いたいです」

歩美ママ
「コロナは目に見えなくて、薬がない分、いつから営業再開とも言えず、先が見えないことが金銭面でも精神面でも不安で仕方ないです。もちろん、自分や家族の健康が1番だし、友人やお客さんも大事だから、今の我慢&自粛は当然なこと。日々不安と複雑な気持ちです」

由夏ママ
「店を開けられないのは辛いです。自分たちの生活もそうだけど、お客様やスタッフのことが気になります。"スタッフは大丈夫かな?"とか、"お客様は皆健康でいるかな? お仕事大丈夫かな?"とか……。今まで当たり前の様に皆と会って笑って話し、楽しくお酒を頂いていたのが幸せなことだったと改めて感じています。早く皆さんに会いたいです!」

玉ちゃんからのメッセージ
「皆の心の拠り所のスナックの大ママでさえ、求める心の拠り所! う〜ん、悔しい……。  当たり前のような日々が来ない悲しさは、商売やって感じる気持ちだよね。本当にオレもいつか晴れ晴れと飲みにいったり、お店でお客様を迎えたいよ。みんなコメント、本当にありがとう!」

東京・荒木町『二枚貝』

2人のママによるスナックベンチャー~東京·荒木町『二枚貝』

大人の街、荒木町で5年前にオープンした魅惑的なスナック『二枚貝』(2019年7月28日公開記事はこちら)。CMプランナーとテレビ制作をしていた"クリエイターママ"2人が、ママとしてお店を切り盛りしていた。 ビジネスから下ネタまで、どんなネタも打ち返す会話のキャパの広さで有名だった、ちなつママは現状について、こう話した。

「人と"生"で逢えない状況は意外と辛いものだなぁと。ウズいてます」

いきなり"らしさ満開"のちなつママだが、元祖クリエイターとして、自宅でやるべきことはしっかりやっている。

「この機会に、ネット配信してみて、オジさんオバさんのIT革命!(古っ)とキャッシュレス化に一役買ってます!」

相変わらずのトーンだが、それでも、不安なことも多いようで……。最後にいつも来てくれていたお客さんに対して感謝のメッセージをくれた。

「こういう時こそ、場末のお節介力を発揮したいと思います。微力ですが、メンタルやられそうな時や色んなものが溜まってきたときは、リモート飲みで一緒にグタグタしてスッキリして~。  次お会いする時までに、キャラをパワーアップさせるべく、ウデもアソコも磨いています(求められていないけど)。いっそ、長ダウンタイムの美容メンテナンスもやるわよ!(笑) 」

玉ちゃんからのメッセージ
そうだ! リモート飲みのために文明の利器があんだもんね! 人と「生」で逢えない辛さを感じるのは、同感! オレもウインドウズ95の発売に並ぼうかな……。

自宅でスナック(自宅ック)をオープン!

全日本スナック連盟会長の玉袋筋太郎が、【自宅でスナック(自宅ック)】をYouTubeにてライブ配信した。自身が自宅で飲む様子を届け、視聴者とコメントを通して会話しながら、楽しい「おうち時間」を過ごす。まるでスナックで玉ちゃんと飲んでいる様な雰囲気で、玉ちゃんが友人に電話したり、自宅の電話が鳴ってしまったり……。外出自粛の家飲み時間、日頃のストレスをみんなで乾杯して、玉ちゃんとまったり楽しく過ごしてみませんか?

https://www.youtube.com/channel/UC7ru8xO62BomtVpI6WgEy0g

Cooperation=河合昇平(コレロ) Photograph=吉田タカユキ