フィンランドのオーロラ外気浴とは? ~ととのえ親方のサウナ道⑥<タナカカツキ対談 >

札幌を訪れる経営者や著名人をサウナに案内し、"ととのう"状態に導いてきたことから"ととのえ親方"と呼ばれるようになった松尾大。プロサウナー・ととのえ親方の連載は、今回からサウナブームの生みの親・タナカカツキ氏との特別対談を掲載。その第6回はタナカカツキ氏のプロデュース&同行で4月に開催された「サウナ大使タナカカツキさんと行く本場フィンランドサウナ旅 『オーロラ外気浴 ルカとヘルシンキ7日間』」について。

前回の記事はこちら


本場・フィンランドには“本物のサウナ体験を保証する制度”がある

――「観光要素一切なし! サウナーに贈るサウナーのためのツアー」という触れ込みで開催されたカツキさんプロデュースのフィンランドサウナ旅には親方も参加したんですよね。

親方 普段はパックツアーには参加しない人間なんですが、「これは行かないと!」と思いました。乗ったまま移動できるサウナバスがあると聞いて、行く前から楽しみでしたね。

タナカ 今回は「Sauna From Finland」による「本物のサウナ体験を保証する制度」に認定されたサウナ施設を回ったんですよね。認定のサウナはフィンランドの中にも20ヵ所くらいしかなくて、それがRuka(ルカ)という町にいくつか集まっている。僕らはそれを全部回ったんですよ。

親方 1日3サウナ施設くらいのペースでしたよね(笑)。

タナカ Sauna From Finlandが「ここは自信をもって推薦できる」というサウナだったんで、本当によかったですね。

――そうなんですか。

タナカ はい。例えば、フィンランドでサウナ体験したいって思って老舗の公衆サウナに行っちゃうと、サウナ室がコンクリートだったり、酔っぱらいがいたり。あと床が汚かったり、ロッカーが壊れていたりして。歴史的な味わいは楽しめるけど、大自然の中でととのうような本格的サウナ体験からはほど遠いんですよね。ヘルシンキでいいのは「ロウリュ(Löyly)」とか「ウーシ・サウナ(Uusi Sauna)」とか。

Licensed by Getty Images

親方 そうですね。新し目のところの何個かしかない。

タナカ フィンランドでいいサウナといえば北部のルカまで行くといい。その情報もあまり流れていなくて、私も行ったことがなかったんです。ちなみに「本物のサウナ体験を保証する制度」、そんな認定制度も最近はじまったらしくて。

親方 今さらか! って話ですよね(笑)

タナカ そう。フィンランドもサウナが盛り上がってきて、「これは観光資源だ」と観光協会の人が気づいたんですよ。それでツアー会社も気づいた。オーロラ、スキー、スノボ、ムーミン、マリメッコだけじゃなく、サウナでも人を呼べるぞと。

オーロラを見られるサウナはスマホの光との戦いに

――ルカのサウナは何がいいんでしょうか?

タナカ 国立公園が5つも集まっている場所で、さらに土地の起伏があって湖も多い。フィンランドで一番水と空気がうまい場所って言われてるらしいんです。水と空気がいいって、ととのうサウナの基本じゃないですか。あとはオーロラ外気浴ですよね。

親方 今回もオーロラ出ましたもんね。

タナカ 4月でしたからね。5月から出なくなって、11月からまた出始めるんです。

――でも、やっぱり外は寒いんですよね?

親方 めちゃくちゃ寒いです! 水風呂代わりになる湖の水温は-1℃~1℃ですから。

タナカ でも不思議なんですけど、その水温にも慣れるんですよね。最初は体が悲鳴を上げるんですよ。「これで合ってる!? ねえ!?」みたいに(笑)。

親方 イタタタ! ってなるんですよね。体が危険を察知して「もう出て!」って(笑)。

タナカ それで早く出ちゃうのが何回か続くんですけど、だんだん脳が「はいはい、あれね」「あのやつでしょ」みたいに分かってくる。不思議ですよね。地元の人は平気で入っていて、最初は「なんで入れるんだろう」って思っていたんですけど。

――4月の時期でもそんな寒さなんですね。

タナカ 本当の冬場に行くと口とか目の周りとかが凍ってくるし、もう外にいられないんですよね。

親方 僕らが行った時期はオーロラも見られましたからね。最初は「あれがオーロラです」って教えてもらっても、「えっ、どこ?」って感じで分からないんですよ。でも写真に撮るとしっかり緑に写っている感じで。薄い雲みたいにぼんやり見えるんですよね。

タナカ 暗い中でずーっと見ていると、光がふわーって増してくるんですよ。それを続けていると、うわーってオーロラが広がってくる。暗さに目が慣れることで、同時に星空も見えるようになるし、「うわ、すげえー!!」って大興奮ですよ。でもそこでスマホを出して写真を撮ろうとすると、画面のライトの光で目がリセットされちゃう(笑)。また「あれ、オーロラどこ?」ってなるんですよ。

親方 俺もスマホの見すぎでダメでしたね。「オーロラこっちかな?」みたいにスマホで調べたりしていたんで。

タナカ 「いまオーロラ出てるよ!」ってLINEでみんなに知らせたり、ナビゲートしたりも必要なので、スマホは見ちゃうんですよね。見たくないんですけど。

どのサウナも良かったから個々のサウナの記憶がない

――実際のSauna From Finland認定のサウナはどうだったんですか?

親方 ルカのセブンスター・スモークサウナとか面白かったですよ。七つ星のサウナって名前だから、ドバイのブルジュ・ハリファみたいなところを想像していたんですけど、おじいちゃんが勝手に付けた名前で、田舎の宿みたいなサウナで(笑)。でも、すごいよかったです。

タナカ よかった。すごいよかった。

親方 でも、個々のサウナごとの記憶があまりないんですね。だいたい全部よかったから。

タナカ いろんなサウナに行きましたけど、基本的に風景も同じなんです。外は白銀の世界で、木の種類も景色もぜーんぶ一緒。連日サウナだけど、また昨日と一緒みたいな。サウナ室の中を思い出しても、木の格子があって、目の前でととのえ親方が笑っている記憶しかない(笑)。

親方 出てくる食べ物もだいたい同じでしたからね。面白かったなぁ、本当に。

――ツアーにはどんな人が来ていたんですか。

タナカ サウナ好きを超えるサウナ研究者のような人ですね。

親方 熊本のサウナの『湯らっくす』の設計者と社長さんも来ていましたし、十勝毎日新聞の社長さんもいましたね。事業で成功している人もいましたし、ご夫婦や親子で参加している方もいて、おもしろかったです。

タナカ 親子の参加者はおもしろかったですよね。

親方 子供が親父を無理やり湖の水風呂に入れさせてて(笑)。

タナカ ご高齢で「イヤだ! 外気浴で十分だ!」って言ってるのに、息子が「ここまで来たんだから入れ!」ってね。

タナカ ほんで1回入って「ハフハフハフ」ってなって急いで出て、「もう絶対入んない」って言っていましたね。このツアーに参加している人達からは、親方以外でもこれからサウナを作る人が出てくるでしょうね。

親方 十勝毎日新聞の社長に関しては帰ってから実際に作りましたからね。僕がツアーの前にサウナの魅力を伝えてハマらせたんですけど(笑)。

次回へ続く


©「サ道」製作委員会
ドラマ25「サ道」
放送日:毎週金曜深夜0時52分~1時23分
放送局:テレビ東京、テレビ大阪、テレビ北海道、TVQ九州放送ほか
原作:タナカカツキ『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』(講談社モーニングKC刊)
出演:原田泰造、三宅弘城、磯村勇斗、荒井敦史、小宮有紗、山下真司、荒川良々 / 宅麻伸
監督:長島翔
主題歌:Cornelius 「サウナ好きすぎ」(ワーナーミュージック・ジャパン)
エンディングテーマ:Tempalay「そなちね」(SPACE SHOWER MUSIC)


タナカ カツキ
由緒正しき「日本サウナ・スパ協会」が公式に任命する日本でただ一人の「サウナ大使」というステキな肩書きを持つマンガ家。元々はサウナが苦手だったが、ある日、思いきって入ってみた水風呂でととのってしまい、その日を境にサウナにどハマり。コップのフチ子の生みの親でもあり、それら仕事のアイデアは、ほぼサウナ内で思いついている。『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』(講談社モーニングKC刊)2巻が現在発売したばかり。水草水槽の世界ランカーでもある。
https://www.kaerucafe.com/


Text=古澤誠一郎


なぜ、エグゼクティブはサウナにハマってしまうのか? ~ととのえ親方のサウナ道①

サウナの伝導漫画『サ道』ドラマ化! ~ととのえ親方のサウナ道⑥<作者タナカカツキ対談 >

ドイツの全裸混浴スパ ~ととのえ親方のサウナ道⑤<欧州サウナ最前線>