発音が悪かろうが、コメディアンの◯◯を真似れば英語は通じる!?【英会話レッスン】

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第26回!

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花火大会って英語でなんていう?

ロンドンでは11月5日前後にさまざまな場所で花火大会が行われます。

この11月5日は「ガイ・フォークス・ナイト」といって、1605年にガイ・フォークスという男が国王暗殺のテロを仕掛け、それに失敗した日だということです。現在はガイ・フォークスを退治した日、国を救った日、としてお祭りが行われ各地で花火が打ち上がります。

花火のことを"fireworks"といいますが、この単語には、「大げんか」「争い」という意味もあることを最近知りました。

例えばこのように使います。

If you go to the place there will be fireworks.
(あなたがその場所に行けば、争いが起こることになる)

花火=爆発ですから、「争い」というイメージになるのはわかりやすいかと思います。前後の文脈がわかっていれば、例えこの「争い」の意味になることを相手が知らなくても、意味は伝わると思うので、非ネイティブ同士でも使える言葉かもしれません。

今年は11月1日〜11月8日までロンドン各地で花火大会が催されました。

私も11月3日にビクトリアパークで行われた花火を観に行きました。打ち上げ中にEDMがガンガンかかり、さらには「アポロ11号の月面着陸から50周年記念」でスペースシャトル型の花火の打ち上げなど、日本の花火大会とは趣が異なり、もっとパーティに近いイベントでした。

ちなみに花火の打ち上げのことは“fireworks display”と言います。displayは「展示する」というような意味ですから言われてみればそうなんだ、とは思うかもしれませんが、会場のアナウンスの“fireworks display stars at 7:00 pm”が一瞬なんのことかわかりませんでした。

アクセントが実はかなり重要

私の英語が人に通じにくいのは、ずっと発音の問題だと思っていました。もちろんこれは大きな要素ですが、それだけではないことに最近やっと気がつきました。アクセントの問題も大きかったのです。

日本語はあまりアクセントがなく、淡々と話す言語なので、「フレーズの中に強弱をつけて」と言われてもピンときませんでしたが、よく聞いてみれば、ヨーロッパ圏内の方の英語はフレーズ内で、一番大事な単語を強調して発話しています。ゆえに例え全部聞きとることができなくても、強調部分さえ拾えていればなんとなく意味はとれるのです。

例えば
England was ruled by the king.(イングランドは王に統治されていた)
という文章だったら、アクセントは、England / ruled / king につきます。この3つが、このフレーズの重要単語ですので、ここを強調して話すのです。

一方で私の英語は全てが平坦で抑揚がなく、何を言いたいかかなり伝わりづらいのです(しかも発音も悪いので、輪をかけて伝わりません)。しかし「主要単語を強調して話す」に集中すると、発音が悪かろうが、文法が間違っていようが、何を言おうとしているのか、最低限はみなさん汲んでくださるようになりました。

コメディハウスで笑われる

しかしやはり気を抜くとすぐに平坦なアクセントに戻ります。常に「自分が思っているよりも大げさに」やらないと外国人の方には伝わりづらく、なんとか伝えるためにアクセントをつけまくったり、時に大げさに「R」の発音を巻き舌にしたり、それはそれでもうぐちゃぐちゃなのですが、それでも「そっちの方がまだマシ」とネイティブの方には言われています。私は、本来声が小さくボソボソ話すタイプの人間なので、実は大げさに話すことに、まだ少し恥ずかしさがあります。同じ日本人に自分の英語を聞かれるのが、恥ずかしい、と思うことさえあります。

これはもう練習を積んで克服していくしかないのでしょう。

そんな風にアクセントに悩んでいた時に「一度芸人さんのステージ見てみたら? 芸人さんは大げさに喋るから、聞きやすいし、アクセントの勉強になるよ」と元英語教師のデイビットに言われて、友人と数人でライブハウスで開催されたコメディショーに行ってきました。

一人5ポンド(約700円程度)で2組の芸人さんを見ることができる小さなショーで、観客も30人程度、人が少ないので私もちゃんと理解して笑ってあげないと、芸人さんが可哀想だ、そう思うとかなりプレッシャーでした。しかし最初に出てきた芸人さんは、ピン芸人で、下を向いてボソボソ喋るタイプの芸でした。日本でいうとバカリズムさんとか、または「ヒロシです」みたいな芸風だと思います。

しかしこれがまったく聞き取れませんでした。聞き取れたとしても、多分複雑な内容で意味がわからなかったのではないかと思います。コメディ観劇デビューは完全に私には早すぎました。二組目は、せめて、なかやまきんに君のような言葉に頼らない芸風の芸人さんに出てきて欲しい、そう願いましたが、登場したのは漫才形式の2人組でした。

一緒に来ていたタイ人の友人が「あー、なんかこれも難しいね、わかんないからちょっとカウンター行ってビール買ってくるわ」と言って途中で席を立ちました。彼女が席を立ってしばらくして芸人さんが「お前の友達どうして帰った!?」と舞台上から私に話しかけてきます。漫才から、お客さんをいじる芸にいつの間に変わっていました。それまでの会話の流れもほとんど理解していないし、人前で下手な英語を話すのも恥ずかしく、とっさに首を横に振りました。失礼ながら「あまりこっちには話しかけないで欲しい」の意味もこめていました。しかしさすがの芸人さんです。

「お前の友達は帰ってこないんだな。俺たちの芸が退屈なのか。まぁそんな友人とは縁を切った方がいい」というようなことを言って会場を沸かせました。

おかげで、数分後に友人がビールを持って帰ってきただけで「あ、あの子が戻ってきた!」と会場中が拍手喝采、友人はかなりキョトンとしていました。私のリスニング力とスピーキング力のなさを、芸人さんの手腕でカバーしていただいた結果となりました。

MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。


Illustration=Norio



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