【特集グッチ】短期間で大躍進! GUCCIがドラマティックな変革を遂げた理由

"グッチはファッションブランド"。そんな考えは今すぐに忘れたほうがいい。今や時代の寵児となったグッチの一大改革の変遷は、未来ビジネスの成功のヒントだ。


ファッションブランドを超えた存在

グッチの大改革がスタートしたのは、2015年。CEOにマルコ・ビッザーリが就任したことから始まった。彼の任務は”グッチをファッション界の中心に引き戻す”こと。そこで見いだした人物こそが、クリエイティヴ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレだ。

この抜擢によって、ドラマティックなまでにグッチのクリエイティヴィティは変化した。ラグジュアリーにパンク、ストリートなど、さまざまな要素をジェンダーレスにミックスした彼のクリエイションは、ブランドの変化を世にアピールするには十二分なまでのインパクトで絶賛された。

同時にビッザーリCEOは、デジタル化や社会的責任といった時代を見据えたプランを立て続けに打ちだし、低迷していた業績をたった2年で驚異的に蘇らせる。その新生グッチを支持するのはエルトン・ジョンやビヨンセなど、自由や個性を重んじるセレブリティ。前衛的でパンクスピリットを持った彼らだけではなく、巧みな戦略でミレニアル世代も虜にした。

この成功は、ビッザーリCEOの「ファッションとはアイテムそのものだけではなく、”どうしても買いたい”と思う欲求であり、実体のない感情のこと」という言葉に裏打ちされている。徹底したマーケティングで顧客のニーズを知り尽くし、変化を恐れず決断すること。この姿勢は企業のトップに立つ人物としては理想的である。

この大改革によって、グッチはファッションブランドの枠を超えた存在となった。社会や企業としてのあり方など、世界に影響力を及ぼす”ヤバい”ブランドへと変化を遂げたのだ。

売上は前期比の4割増! グッチにヤバさをもたらしたのが、CEOであるマルコ・ビッザーリ(左)とクリエイティヴ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ。変革以来、ブリティッシュ・ファッション・アワード2017など、あらゆる賞を総ナメにしている。©Getty Imeges

Text=いとうゆうじ