各界のプロフェッショナルが語るIRが日本の起爆剤になる理由【特集IRまとめ】

来たるIR時代に求められるものはいったい何なのだろうか。スポーツ、食、エンタメ、投資、街づくり、イベンター、観光、ホテル。各界のトップランナーによる分析が明かすのは、IRには日本をさらなるステージへと導く力を秘めているということだ。

プロボクサー村田諒太「日本のIRがボクサーの新たな聖地になる」

ボクシングの聖地といえば、ラスベガス。WBA世界ミドル級王者・村田諒太はこの聖地で3回試合を行っている。

「1回目は大学の施設でしたが、2回目と3回目はMGMグランド・ガーデン・アリーナで戦いました。その一度目は1ラウンドでKOした、いい試合。でも2試合目の防衛戦は負けちゃったんで、次にやる時は絶対に勝ちたいですね」

村田選手にとっては、IR=ラスベガス=ボクシング。2000年に行われたフェリックス・トリニダードとフェルナンド・バルガスの試合が特に印象に残っているという。

「あの試合を何百回見て、どれだけトリニダードの真似をしたか。ボクシングの世界においてラスベガスが”真ん中”という印象はあの試合からですね」

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鮨かねさか 金坂真次「IRが日本の食文化を世界に発信する拠点に」

シンガポールの2店舗に続き、5年前にマカオのIR“シティ・オブ・ドリームス”のホテル「Nüwa」に出店した「鮨かねさか」の金坂真次氏。

実は『メルコリゾーツ&エンターテイメント』の会長ローレンス・ホー氏の夫人が、東京の店の常連だった縁でホー会長直々に依頼があった。「商売以上に彼とやることに意義を感じた」とマカオへの出店を決めたそうだ。

他の場所と異なり、マカオで求められるのは「スピード」。

「カジノやエンタテインメントを楽しんでる間に、パッと食べたい。でもやっぱり美味しいものがいい、ということなんです」

その点では、鮨は理にかなっているという金坂氏。

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小橋賢児「IRによって規格外のエンタメが日本で巻き起こる」

「日本のエンタメが次のステージに行くには、根本的な仕組みの改革が必要。今はインターネットで世界中の体験を擬似体験できるため、リアルな音楽フェスやイベントも回を重ねるごとにお客さんの要求が高くなり、制作費と収益が合わなくなってきています。しかし、日本には欧米のようなパトロン文化もなく、スポンサー企業も簡単に出資額を増やせない。世界を驚かせるものをつくるには、新たな収支構造を考えなければいけません」と小橋賢児氏。

他のアジア諸国を見ると、シンガポールのマリーナベイ・サンズやマカオのモーフィアスなど IR の収益を次への投資に回す仕組みがある。

「今、マカオでは『ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター』というショーが人気を集めています。構想5年、総製作費は約290億円。僕は賭け事をしませんが、IRは物事を動かすエンジンになり得ると思います」

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キャピタル&イノベーション小池隆由「IR誘致成功の鍵は地元企業の活躍」

大阪と横浜市をはじめ、現在9つの都道府県・政令市が IR 誘致申請を決定、または検討中だ。国内に建設可能な IR 施設は政府の方針で最大3つ。選ばれるには何が必要か。

「国土交通省観光庁は、日本型 IR の特徴に『日本の魅力を伝える施設』であること、『送客施設』として優れていることを重視しています。IR 施設はコンシェルジュ機能を持ち、全国各地への旅行サービスの手配などを行える機能を持つ必要がある。そのためには、観光のハブになり得る都市でなければなりません。大阪と横浜市が一歩リードしている状況ですが、大都市に近く、交通の要所である宮城県と北九州市もダークホースではないでしょうか」と小池隆由氏。

もちろん、地元の活性化も IR誘致成功の大きな鍵だ。大阪ではオリックスなど、横浜市では京急や東急不動産などの事業挑戦が見こまれている。

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A.T.カーニー梅澤高明「観光立国の足がかりはIRでのMICEが鍵に」

「IRの本丸はMICE、いわゆる大規模な国際会議や展示会といったビジネスイベントだと思っています」と言うのは、A.T. カーニー日本法人会長・梅澤高明氏。

「MICEには、企業幹部や学者、文化人など、可処分所得と社会的影響力の高い人たちが集まります。特に日本に興味がなくても、会議のために来日する人が多く含まれる。そして彼らは、街や食、エンタメなどに触れることで確実に日本の魅力を知ることになる。MICEは筋のよいお客様を新規獲得できる、重要な入り口です」

しかし国際会議の開催件数ランキング(ICCA調査)では、シンガポール、バンコク、香港の後塵を拝し、東京は13位。

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日本カジノスクール校長・ 大岩根成悦 「日本人はディーラーに向いている」

「カジノのことを理解してもらいたい。カジノファンを増やしたい。その一心でこの仕事を続けてきました」

大岩根成悦氏は 2004年にカジノスクールを立ち上げ、日本版IRの実現に向けて、長く尽力してきた。

「豪華客船『飛鳥』のカジノディーラーとして世界中を回ったのが、本場のカジノとの出合いでした。寄港地ごとに雰囲気の違った、多様なカジノがある。こんなに楽しい社交場がなぜ日本にはないんだろうと思いました」

海外ではカジノで働く仕事は “Honest Business (正直な職業)” と言われ、職種としての評価が高く、待遇もいい。

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イノベント堀正人「IRによって産業の舞台が広がる大きなチャンス」

IRはカジノに注目が集まりがちだが、MICE会場こそIRの主役といえる重要な存在だ。世界の主要国は大規模な国際会議や展示会などのビジネスイベント、MICEを成長戦略の重要ツールと位置づけ、施設整備を進めてきた。

だが、日本はその流れに大きく取り残されている。

「MICEの会場は、来場者や出展者が訪れやすい立地が求められます。でも、首都圏には極めて少ない。現在、日本では年間660本の大型産業展が開かれていますが、そのうち304本が東京ビッグサイトに集中している状況です」と、堀正人氏。

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ツーリズムの専門家・矢嶋敏朗 「IRを日本の観光産業を変える起爆剤に」

「日本のツーリズム産業は、人材によって発展してきました。人を楽しませることに長けたバスガイドやきめ細かなサービスを提供する旅館の仲居さん。でも、客と直接やり取りをする現場の人材を、経営陣はあまり大切にしてこなかった。雇用契約も不安定。雇用後に人材を教育していくシステムも未整備です。IRには人材育成の場となることを期待したいですね」と、日本大学 国際関係学部 準教授の矢嶋敏朗氏。

アメリカではカジノで働く人はパートタイマーであっても託児所が用意されるなど福利厚生も行き届いている。カジノ経営を学べる大学もある。

「日本のIRには、海外の事業者が参入する見込みです。それが、日本のサービス産業を変えるきっかけになると思います」

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ホテルジャーナリスト・小原康裕「最初のIRだからこそ一流を目指すべき」

京都をはじめ、日本でも受容範囲を超えた観光客が訪れるオーバーツーリズムが問題視されるようになってきた。

「今は量よりも質が重視される時代。ですから、日本のIRは“高級”ではなく、“一流”を目指すべき。高級と一流の違いは、その土地の住民から誇りと愛着を持たれているかどうか。

例えば、高級ホテルは建物の周りに高い塀を築いて、地域住民との交流を遮断するようなものでもいい。でも、地元に密着してこそ、一流のホテル。地域としての質を高め、それに見合ったゲストを迎えるためにも、一流の施設をつくるべきです」

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