プロゴルファーが最も気にするランキングとは!?【プロキャディ出口の目⑫】

プロキャディの出口慎一郎氏がプロトーナメントの裏側で起きていることをロープの内側から独自の視点でレポートする連載「出口の目」。キャディを務めるプロのことはもちろん、ロッカールームでの他選手の会話や練習場で気になったこと、さらには選手たちのプライベートなことまで様々な切り口でプロゴルフの面白さを伝えていく!  


AbemaTVツアーに海外選手の参加が増加している理由とは?

いよいよ2020年がスタートしました。今年はなんといってもオリンピックイヤーです。東京開催ということでゴルフも注目されることは間違いありません。僕自身も非常に楽しみにしています。

今回はオリンピックの出場資格にも関係するワールドランキングについて話したいと思います。選手達はこのワールドランキングを上げることを目的の一つとして重視しています。ご存知の方も多いと思いますが、マスターズなどメジャー競技に出場するにもワールドランキング50位に入ることが目安になっています。

昨年は星野陸也選手を中心に、その他多くのプロのバッグを担がせてもらいましたが、なかでもいい経験になったのが星野選手と出場したZOZOチャンピオンシップとチャン・キム選手と出場したワールドゴルフ選手権のHSBCチャンピオンシップです。

世界トップクラスの選手達の意識の高さは本当に勉強になりました。プレーの仕方はもちろんですが練習の仕方、試合への入り方などです。そのあたりはまた別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

メジャーやワールドゴルフシリーズに出場するにはワールドランキングを上げることで出場できるわけですが、その方法はさまざまあります。主としては対象となるツアーに出てポイントを加算することです。ポイント数はツアー及び試合によって異なるため、上位の選手は試合を選んで年間のスケジュールを組んだりもしていますね。海外の選手は自国のツアーではなく、戦える場所ならどこでも行くといった心構えで、どんどん外に挑戦しています。個人的には挑戦をするスタンスは好きですね。

日本では下部ツアーにあたるAbemaTVツアーが2019年度よりワールドランキング加算対象ツアーに入りました。そのためか海外から挑戦する選手が増え、よりレベルが上がったことは間違いありません。その証拠に昨年のAbemaTVツアーでは全15試合中11試合で海外選手が優勝を飾っています。

「日本ツアーはポイントが獲りやすい」なんて思われたくはないですが、ポイントを稼げるのであれば遠い日本でも彼らはやってくるんです。今年はそんな海外勢に負けないプレーを日本人選手にも見せてもらいたいと思います。

昨年の終盤はほとんどの試合でチャン・キム選手のバッグを担がせてもらいました。1月12日の時点ではキム選手のワールドゴルフランキングは62位でした。キム選手は今年も日本ツアーを中心に戦う予定ですが、その先にはPGAツアーへの出場を目標としています。各ツアーのクオリファイングトーナメントをクリアして出場権を得ることのほかに、他の国のツアーに出場してワールドランキングを上げて大きな試合に出て、そこからチャンスを掴む方法もあります。

今年はオリンピックも開催されますし、ちょっとワールドランキングを気にしながら観戦してみてください。ちなみに日本人選手は、(2020年1月12日時点で)松山英樹選手が21位、今平周吾選手が33位で、現状この2人がオリンピック出場候補。女子は、(2020年1月13日時点で)畑岡奈紗選手が6位、渋野日向子選手が11位、鈴木愛選手が14位でこの3人の出場が濃厚になっています。

Shinchiro Ideguchi
1983年生まれ。ディライトワークス所属。2013年よりプロキャディとして活動をスタート。プロキャディの世界では異色とも言える脱サラからプロゴルフの世界に飛び込んだ。昨年から星野陸也プロをメインにキャディを務め、今シーズンも星野プロを中心に比嘉一貴プロらのバッグを担ぐ予定。2017年には片山晋呉プロの専属キャディとして1年を通して戦い、これがプロキャディとしての大きな機転となった。その後メンタルトレーナーの資格を取得するなど、プロのより良いプレーを引き出すために様々な勉強を積んでいる。 

 
Composition=出島正登