空前のブーム継続中! 世界が血眼で求める縄文土器の魅力を改めて知る

2018年、もっともヒットした展覧会のひとつといえば、東京国立博物館で開催された「縄文――1万年の美の鼓動」だろう。日本中が縄文ブームに沸き、その余波もあって、最近では縄文土器を購入したいという人が増えているという。


実は10万円程度で買えるものもある縄文土器

今から約1万5000年前、日本に革新的な時代が訪れた。紀元前4世紀頃まで続く縄文時代、人々は世界で最初の焼物となる縄文土器を生みだす。祥雲店主の桐谷美香氏はこう語る。

「2009年に大英博物館で開催された土偶展を契機に、世界的な縄文ブームが起こりました。現代は科学的に何でも証明される時代。でも、縄文時代の土器は、どんな想いでこのような形や装飾を施したのか、謎が多い。そんなミステリアスな要素が現代人の心をとらえたのでしょう」

縄文土器は、見れば見るほど、その不可思議な文様と造形に想像力を掻き立てられる。だが、古代のロマンだけではない。今の目で見ても心に響く新しさがある。

「ひとつ笑い話があるんですよ。縄文土器にひと目惚れしたフランス人の美術関係者から、『この作品をつくったアーティストに会いたい』と言われました(笑)」

国宝や重要文化財に指定されることも多い縄文土器。一般人でも購入できるのだろうか。

「土偶は数が少なく、滅多に出回りません。でも、土器はギャラリーやオークションに出品され、10万円程度で買えるものもあります。土器は完全な姿で出
土されることが少なく、パーツを足して復元されます。できればオリジナルパーツが80%以上残るものを選んでほしいですね」

ブームの影響を受け、投資目的で購入する人も増加している。だが、大切なのは愛と敬意だ。

「正直、『何でもいいから縄文土器を5個欲しい』というような方にはお譲りしたくありません。所有することで『古い土器から何かを学びたい』『ものを大切にする心を養いたい』という気持ちの方に持ってほしいですね」

縄文土器を通して、心を鍛え、人として成長していく。これこそが最高の投資だ。

Mika Kiritani
1987年に古美術祥雲を創業。2003年にはNYにMika Galleryを開店。国内外の美術館、コレクターなど、幅広い客層に日本古美術を紹介している。


Text=川岸 徹