ポルシェのタイムレスなデザインが男心を魅了する【空冷ポルシェ④】

ここ数年、中古車市場において空冷ポルシェの価格が値上がりしている。 今なお色褪せない空冷ポルシェの魅力を、オーナが語る。


自分になじむまで、じっくり使いこみたい

時計からファッションまでライフスタイル全般を手がけるライターの柴田 充氏は、15年ほど前からポルシェ911に憧れていたという。

「海外で時計や洋服のデザイナーに会うと、ポルシェ911のオーナーが多い。タイムレスなデザインが魅力なんでしょう。探し始めて、あまり古いのは維持が厳しいし、マニュアルは面倒だと思って、964型のティプトロに絞りました」

都内の自宅から横浜に構えた事務所への通勤が、ポルシェの出番。明け方、空冷エンジン独特の重厚な音が心を震わせる。

「古典的な仕組みを丁寧に磨き上げたあたりが、ゼンマイと歯車で精度を出す機械式時計に似ていてグッときます。生き方は使っているモノに表れると思っていて、このポルシェも本当に自分になじむまで、10年ぐらいじっくり使いこみたいです」


柴田氏の愛車は1991年型。ポルシェ911としては第3 世代にあたる964型で、ティプトロと四駆モデルが初めて採用されたタイプとして知られる。この秋に600万円で購入した。お気に入りのポイントは後ろ姿。


Mitsuru Shibata
1962年生まれ。出版社勤務を経て、ライターとして独立。機械式腕時計のメカニズムや歴史についての造詣が深いことで知られる。


Text=サトータケシ  Photograph=隈田一郎