スキマスイッチの言葉の引き算の妙 ~野村雅夫のラジオな日々vol.31

現在、大阪のFM802を中心に、ラジオDJや翻訳家などさまざまな領域で活躍する野村雅夫さん。この連載は、野村さんのラジオというメディアでDJをすることの醍醐味や、ラジオで出会ったアーティストとのエピソードを披露してもらう。今回は、ニューシングル『青春』をリリースするスキマスイッチのふたりだ。


ニューシングル『青春』のジャケットは必見!

2019年6月1日。僕の所属するFM802は開局30周年を迎えました。関西の新たな音楽文化を開拓して引っ張ってきたFM802。多くのミュージシャンとのつながりの中で、リスナーと音楽の出会いを演出してきたわけですが、大きな節目ということで、当日と翌2日の2日間、大阪城ホールでRadio Magicという2 daysの日替わりイベントを開催しました。その二日目に出演するのみならず、ホストバンドとしてステージで大車輪の活躍をみせてくれたのが、スキマスイッチ。2日目の出演者は、他にAI、彩香、Official髭男dism、KREVA、JUJU、清水翔太、高橋優、BEGINという豪華ラインナップでした。

今回はそんなタイミングで、スキマスイッチのふたりが我がCiao Amici!(チャオ・アミーチ)にやってきて、802との思い出話とともに、ニューシングル『青春』についても話をしてくれました。

なお、Radio Magicについては、6月23日(日)19時からの3時間にわたって、FM802 30PARTY RADIO MAGIC SPECIALという特別番組を生放送します。DJは僕と加藤真樹子。スマホやパソコンでクリアにラジオが楽しめるラジコ・プレミアムを使えば、全国どこからでもこの放送を楽しむことができますよ。ライブ音源たっぷりでお届けするので、ラジオを通してライブを満喫してくださいね。

野村 スキマスイッチのおふたり、チャオ!

スキマ チャオ!

野村 実は初登場!

大橋 そうなんですよね。

常田 Ciao Amici!にはそうか、初登場か。

野村 そう。だって、さっき卓弥さんと会った時も「この後、収録だよね。Ciao MUSICA(チャオ・ムジカ)の」って言われたくらいだから。

常田 まだMUSICAのイメージがあったんだよなぁ。

野村 アミーチなんですよ、これが。

常田 夕方の顔ですもんね。

大橋 初出演、ありがとうございます。

常田 ほんとに。

野村 FM802は開局30周年を6月1日に迎えました。その当日に11時間にわたって「Funky Birthday」という特別番組を生放送したんです。全DJが出演というお祭りで、僕も当然ながら喋りました。ただ、今年は節目ですから、開局当時を知るレジェンドDJも出演ということで、僕は山添まりさんと共演したんです。その時の企画がMy Best of 30というもので、それぞれDJが思い出の1曲を選んでいたんですね。まりさんは『全力少年』をチョイスされました。

スキマ えええええ!!

大橋 ほんとですか!?

常田 ものすごく嬉しい。

大橋 それはびっくりしたね。

常田 だって、30年の歴史の中でってことでしょ?

野村 そうですよ。

常田 ちょっと泣きそうになってるよ、今。

野村 ハハハハ!

大橋 なんでそう思ってくれたんだろう?

野村 理由は聞きたいですか? 種明かしします?

大橋 え? 知ってるの? それは教えてほしい。

常田 ぜひぜひ。

野村 なんかね、ある時ね、まりさんがね、平たく言うと、番組に遅刻したんですって。やんごとなき理由で。生放送が始まったら、普通は第一声で「こんばんは」とかあるじゃないですか。そういうのなしに、いきなり曲にいったわけですよ。だって、DJがスタジオにいないんだから。1曲終わっても、まだ到着しないんで、もう1曲つなぎました。

スキマ なるほど。

野村 3曲続けてってのは、いくらなんでもキツいでしょ?

常田 そうだね。「どうしたのかな?」ってみんな思っちゃうから。

野村 なんとしてでも、そろそろマイクの前に辿りつきたい。その2曲目にかかっていたのが『全力少年』で、曲が終わる15秒くらい前にスタジオに到着されて、マジで息を切らした状態で「『全力少年』お送りしました」って言われたんですって。

大橋 そんなことがあったんだ。

野村 「あの時はほんとにスキマスイッチに助けられた」っておっしゃってましたよ(笑)

常田 いやいやいや、それは……

野村 ハハハハ!

大橋 それ、助けてるのかな?

常田 助けただなんて、とんでもない。

大橋 でも、音楽の持つ力のうちのひとつで、そういうのはあると思う。たまたま耳にすることで、それが鮮明に記憶されることもあるじゃないですか。だから、まりさんが遅刻した時に、たまたまかかってたのかもしれないけど、それはある種僕らは運がいいわけですよ。

常田 そうだね。確かにそうだ。

大橋 その衝撃的な瞬間だからこそ、深く刻み込まれたわけだもん。

野村 心底感謝してらっしゃいましたよ。My Best of 30だと。

全員 ハハハハ!

野村 でもね、実は僕もCiao MUSICA時代に、スキマスイッチのふたりには本当に助けてもらいましたからね。僕がインフルエンザにかかった時ですよ。

大橋 あ〜〜〜! そうだ。あったあった!

常田 ハハハ!

野村 ゲスト収録で来てもらったのに、ホストの僕がスタジオにいないという……。

大橋 そうそうそう。

野村 あの時は、ふたりに番組の一部を進行いただきましたもんね。

大橋 それは、本当に助けましたね。

全員 ハハハハ!

野村 その節は、ありがとうございました!

常田 番組のDJ本人がいないところで喋るってなかなかないからね。「今頃雅夫くんは寝ながら聞いてるんだと思います」って言った記憶あるもん。ちなみに、あの時は聞いてくれてたの?

野村 もちろんじゃないですか。聞いてましたよ。

常田 寝ずに?

野村 病床でね。

常田 フフフ。

野村 そんな僕も助けていただいた恩を感じるふたりが今日は番組初登場ということで嬉しく思っています。では、本題に入っていくべく、1曲いっちゃいましょう。

大橋 スキマスイッチで『青春』

野村 聴いていただいた『青春』が7月3日にシングルとしてリリースとなります。他にも2曲収録されるんですね。『東京』ってのと、もう1曲はカバーで中島みゆきさんの『糸』です。まず『青春』について話しましょうか。ずばりというタイトルで、実はおふたりそれぞれの青春時代、学生時代の恋のエピソードなんかを改めて語り合って曲作りをしたそうですね。

大橋 僕らはそれぞれスポーツをやっていたりもしましたし、恋愛がどうだったって話もしました。曲を書くにあたって、その主人公のキャラクターがどんな人なのかっていうディテールを作っていくうえで話し合ったっていうことですね。

野村 なるほど。具体的には、どこに活かされてるのかな〜〜〜〜?

スキマ フフフ……

野村 これはどっちのかな〜〜〜〜?

大橋 これはね、どっちのっていうことでもないんですよ。実は昔のスキマスイッチの曲には主人公がはっきりといて、その人は女性にモテるキャラクターだったりしたんですよ。僕らはスキマスイッチ君と呼んでましたけど。今回、久々にそのスキマスイッチ君が登場しているような感じですね。

常田 だから、どっちでもないというかね。

野村 キャラクター作りの導入として、何よりもまず自分たちの経験を話し合うことで、そこからヒントが出てきてっていう作業の流れなんでしょうかね。ソロミュージシャンだったら、そこから広げるのが難しいわけですけど、ふたりでやっているとその対話からどんどん広がっていくっていう跳躍もあるんじゃないかなと思いました。

常田 まさしく。

野村 今回はジャケットデザインが、すんごい! 黒板アートアーティスト鈴木らなさんの作品ということですが、目を疑っちゃいます。

大橋 本物の学校の教室をひとつ借りて、その日、朝から仕上げてくれたんですよ。僕らが撮影に行くまでだったから……

常田 夕方ぐらいまでかけてだね。

大橋 7、8時間くらいって言ってたかな。もっとだっけ?

常田 もっとだね。10時間近くだよ。

野村 スカートのひだの感じとか、石畳っぽくなってる地面の光の反射具合とかすごいですね。

常田 これは本物の学校の黒板に描いてるんで、皆さんも頑張ればできるんですよ。要は、特別なものは何も使ってないんですよ。

野村 僕はいくら頑張ってもできないですけどね。

大橋 僕もできない。

野村 僕は高校時代に美術で進級し損ねるところでしたからね。

スキマ フフフ。

常田 頑張ればできるっていう描き方をしてるんだけども、その中のアートなんですごいってことです。特別な画材なんかは使ってないから。身近なものだけで、ここまでの作品を仕上げるのはすごいなと思って。本物を見た時は驚愕ですよ。

野村 ですよね。

常田 ただすごいとしか言えないという。

野村 ぜひ皆さんジャケットを手に取って、しげしげと眺めてみていただきたいなと思います。で、話を2曲目と3曲目に移すんですが、アレンジが表題曲とはガラリと変わります。『東京』はかなりフォーキーですよ。内容もそうだし、歌い方も全然違いますもんね。

大橋 そうですね。

野村 そこから連なる『糸』がとてもスムーズに聴けました。いずれもタイアップがついてはいますが、『糸』というカバーをここに収録するというのは、そういうサウンドの流れも意識されたんですか?

大橋 『糸』という曲を色んなアーティストが歌い繋いでいくというCMのお話をいただいた時に、僕らはちょうど「THE PLAYLIST vol.2」っていうカバーライブをやってたんですよ。それもあって、これは何かの縁だなと思っていて、そのステージでも歌うことにしたんですね。だったら、せっかくだからということで、そのカバーライブのバンドで収録もすることになりました。

野村 僕は今回『青春』と『東京』と聴いていて、スキマスイッチの言葉の引き算の妙みたいなものに改めて感心しました。

スキマ あ〜。

野村 具体的なところに一歩踏み込みそうな、そのちょい手前にとどめてあるんですよ。

大橋 確かにね。この行間の読ませ方というか。

常田 無駄がない。

野村 中島みゆきさんの詞の紡ぎ方なんていうのは、それはそれは最高峰なわけですが、こうして『糸』と並べてみると、スキマスイッチも……

スキマ いやいやいやいや。

野村 引けを取らないと言えるんじゃないですか?

スキマ いやいやいやいやいやいやいやいや。

常田 やめてくださいよ。

野村 たぶん、ここでいくら僕が言っても、「いやいやいや」しか出てこないから、これ以上は言いませんけどね。

常田 確かに。

野村:スキマスイッチの今後の予定です。まずはオーガスタキャンプがありますね。今年は9月15日(日)です。そこから「POPMAN’S CARNIVAL」ツアーの第二弾が始まります(日程など詳細はこちら)。今年の10月から2020年にかけてと、長丁場ですね。ここ最近、僕がおふたりのワンマンライブにうかがえていないので、2020年に入って関西での公演には必ずいずれか観に参ります。

大橋 来てください。

野村 じゃ、またそのうち番組にも。

大橋 またそのうち(笑)

常田 次呼んでもらう時は、ちゃんとCiao Amici!ってすぐに言えるようになっときます。アミーチ、友達。

野村 これはね、番組に出てもらったら、もうその時点でアミーチってことになってますんで。

大橋 なるほど

野村 拒否はできないんで。

大橋 フフフ。

常田 問答無用?

野村 問答無用です。

大橋 友だちってそういうもんなのか?

野村 そういうものなのです。FM802 Ciao Amici!今日はスキマスイッチのおふたりを迎えました。ありがとうございました!

スキマ ありがとうございました。

常田 チャオ〜!