2020年、絶対に知っておきたい気鋭アーティスト7人

アート事情に精通する美術ジャーナリスト・鈴木芳雄氏が激推し! この現代アーティストたちの作品を手に入れよ。


目 / 既存の概念を覆し見る者に気づきを与える

鑑賞者の「目」を道連れに、いまだ見ぬ世界の果てへ直感的に運ぶ作品を構想する、というコンセプトで活動する。形に残らないものをつくることがほとんどで、売買の対象にならない作品も多い。展覧会に足を運び、その摩訶不思議な世界観を体験してみてほしい。 

アーティストの荒神明香、ディレクター南川憲二、インストーラー増井宏文を中心に活動する現代アートチーム。不確かな現実世界を実感に引き寄せる作品を展開。  


武田鉄平 / 
知名度と作品価値がみるみる急上昇中

最近まで無名のアーティストであった武田鉄平。2016年、山形駅前とんがりビルの多目的スペース「KUGURU」で開催された初個展でブレイクし、今や新作の依頼は数年待ちという状況になった。ファッション業界からも熱い視線を集める画家に、何はさておき注目したい。 


絵画のための絵画018』(だまし絵的なニュアンスと、力強く鮮やかな筆致が特徴的だ。)©Teppei Takeda, Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY   

1978年山形県生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、サイトウマコトデザイン室を経てアーティストに。2005年、山形にアトリエを構える。独自のポートレート作品で絵画の新境地へ。  


MADSAKI / アートを通して時代性を感じ取る

MADSAKIも勢いを感じさせるアーティスト。鼻血を出したスマイルマークや「HOLY FUCKING SHIT」など文字を使った作品、アンリ・マティスやピカソらの名画を独自に再解釈して描くなど、挑発的な作品が話題を集めている。 

1974年大阪府生まれ。米国Parsons School of Design、ファイン・アーツ科卒。アーティスト集団Barnstormersを経て、東京とニューヨークを拠点に活動。村上隆に見いだされた。  


西野 達 / 
美術館に収まらないアートの力を感じる

マーライオンホテルのほか、マンハッタンに立つコロンブス像を使ったリビングルーム建設が有名。2020年1月25日~ 2月22日まで、「ANOMALY」(東京都品川区東品川1-33-10 4F)で開催される個展「やめられない習慣の本当の理由とその対処法」は、西野氏の作品を知るいい機会。 

1960年愛知県生まれ。武蔵野美術大学修了後、ミュンスター芸術アカデミーで彫刻を学び、’97年から主にヨーロッパで活動。人々を巻きこむ冒険的なプロジェクトで知られる。  


小野祐次 / 
光の探求がたどりついた新たな写真の試み​ 

代表作は、フェルメール、ベラスケス、セザンヌ、モネらの美術館に展示された絵画を被写体にしながら、自然光の状況下で絵が消失する瞬間を捉える「タブロー」シリーズ。撮影後の加工はいっさいない。絵画も写真も、“すでにそこに在る光” のもとでは同等だと気づかせてくれる。

1963年福岡県生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科を卒業後、パリを拠点に活動し、個展も多数開催。パリ市立ヨーロッパ写真美術館、東京都写真美術館などに作品が収蔵。  


AKI INOMATA / 生き物とともに作品を作り続ける

青森県の十和田市現代美術館にて、日本の美術館では初となる個展「AKI INOMATA:Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」を開催中のAKI INOMATA。生物との共同作業のプロセスを作品化し、人間社会と自然との関係を模索し続けている、気鋭のアーティスト。 

1983年東京都生まれ。ヤドカリやミノムシ、犬といった生き物と協働作業を行うことで、移民、難民、国籍など、社会におけるさまざまな境界を問いかけるプロジェクトを展開。  


毛利悠子 / 
目に見えない力の存在を示す作品群

国内での個展をはじめ、世界各地で開催されるビエンナーレ、トリエンナーレへの招聘が続く人気アーティスト。展示空間全体を作品に変えるインスタレーションという手法を用い、電気や磁力、空気の動きなど、普段は目に見えることのないエネルギーの存在を明らかにする。  

1980年神奈川県生まれ。重力、光など目に見えない力をセンシングするインスタレーションを制作。2018年の英国カムデン・アーツ・センターでの個展など、国内外で活躍中。


Text=川岸 徹