【豪邸拝見】愛車をガラス越しに堪能! アンティークテイストの地下のリビング

家を見れば、その人となりがわかる。家とは自らの心を潤し、人との縁をつないでくれる人生を彩る最高の舞台だ。家を仲介役として、人が集い、新たな輪が広がり、人間関係が熟成する。自分史上最高の"凄い家"には、人生を謳歌する生き方が詰まっている――。


家を愛することによって、街を愛するようにもなった

東京・広尾は、通りから路地を一本入るだけで都心部とは思えない静寂に包まれる。その一角に、社員約30人で年商約40億円の広告代理店、リードを経営している猪俣秀行氏の住まいはある。

エントランスは白を基調としたモダンなテイスト。いたるところに鮮やかな緑の植栽がしつらえられ、月ごとに、植物の種類はがらりと替わる。壁には、ハワイが拠点の世界的な写真家、ピーター・リックが撮影した緑の樹木が。

地下は、アンティークテイストたっぷりの空間が広がる。地上はモダン、地下はアンティークテイストと、上階と地階はまるで別世界の雰囲気を醸しだしている。

「設計・建築は土地を購入してから3年をかけて、検討に検討を重ね、地下を深く掘るデザインをリクエストしました。約50坪の面積を効果的に活用するためです。このあたりは坂が多く、敷地にも高低差が生じます。その環境を利用したのです」

2階のベッドルームは、自然光をたっぷりと取り入れたモダンなテイスト。

猪俣氏は3年前まで約8年間、眺望抜群の青山のタワーマンションで暮らしていたという。

「住んでいる場所に不満はなく、最初は土地を買うつもりはありませんでした。けれど、自分の条件にあった土地がたまたま見つかったんです。高台にあり、クルマが5台以上置ける広さの、そんな土地に」

その日のうちに不動産会社を訪れて、契約を交わした。建築設計は、複数の建築会社にプレゼンを依頼。

「アーネストという会社の提案が気に入りました。限られた面積をどう使うか、そのアイデアが抜群だったからです。地上の生活スペースはモダン。地下の趣味のスペースはアンティーク。そのアイデアも、アーネストの女性コーディネイターとのディスカッションから生まれました。インテリアは、たくさんの色を意識して取り入れ、素材は木材やタイルなど様々なものを使用。また、ソファなどは肌触りも変えたりと、いっさい妥協していません」

地下のリビングのソファからは、ガラス越しに愛車を眺められる。ロールス・ロイス ドーン、フェラーリ 458スパイダー、ランボルギーニ カウンタック、ベントレー コンチネンタルGT ……所有するクルマはなんと8台にも上る。駐車場というよりも、高級外国車のショールームのようだ。

1階部にあたる駐車スペース。右から、ロールス・ロイス ファントム・ドロップヘッド・クーペ、ロールス・ロイスコーニッシュ、ベントレーベンテイガ。クルマは8台所有。自宅の駐車スペースには5台を収納できる。

「僕はクルマや船など乗り物が大好きで、乗ることはもちろん、できることならばいつも眺めていたい。その思いを家の中で実現しました」

左手にある大きなサイズの家具の上や、階段の踊り場にもピーター・リックの写真がある。しかし、こちらは上層階とは異なり、アンティークなテイストを意識したモノクロの作品。第二次世界大戦期のプロペラ機や、1950年代のニューヨークを切り取った写真だ。

「家具はカラーを統一せずに、すべて違う色を選びました。インテリアも、ファッションも、色彩豊かなデザインが好き。カラーに変化をつけたことも、地上と地下のテイストを変えたことも、年月を経ても飽きがこないようにするためです」

地下1階にある、ゴルフシミュレーションの部屋。メーカーはGOLFZON。モニターでフォームのチェックも行う。昼間は子供の遊び場に。仲間が集まっての映画会も時々行っているのだとか。

「グッドデザインで日本中に幸せの輪を広げる」。これは、猪俣さんが経営する広告代理店の企業理念だ。

「企業理念である"グッドデザイン"は、アートとしてのグッドではなく、実利的な意味のグッドです。仕事では、洗練されたデザイン性の高い広告よりも、集客できる広告を強く意識しています。クライアントが投じたコスト以上のものが還元される、そんな広告を目指しています。実は、この家を依頼した設計事務所にも近い理念を感じました。正式発注前なので、他社のプレゼンはどこも手描きの図面や口頭のみでした。でも、アーネストは模型やCGでリアルな提案をしてくれた。こちらが投じたお金以上の仕事をしよう、という熱意を感じましたね」

この家を建ててからは、帰宅が早くなったという。

屋上からは、東京の夜景をぐるりと見渡せる。麻布方面のビル街が美しい。

「夜はほとんど会食はしませんので、特別なことがない限り夜7時には帰宅しています。自分の住まいを愛すると、家があるこの街も愛するようになりました。近所で買い物をするわけでもなく、散歩もせず、人付き合いもないのに。思いもよらないことでした。かつて住んだ街には生まれなかった感情です。いつまでも、この家で暮らしたいと思っています」

所在地:東京都渋谷区
敷地面積:178.99m2
延床面積:449.94m2
設計:アーネストアーキテクツ


Hideyuki Inomata
1978年生まれ。広告代理店勤務を経て2007年にリードを創業。美容室「サロン デュアプレ」の立ち上げに参画。


Text=神舘和典


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