大人の男心を虜にするマクラーレンGTの魅力とは?【南仏試乗記】

時計からファッションまでライフスタイル全般を手がけるライターの柴田 充氏がフランスで開催されたマクラーレンGTの試乗会へ。数多くの男性誌に寄稿し、その造詣の深さから大くの編集者に慕われる"大人の男"が南仏の旅で感じ取ったGTの魅力とは?


【prologue】

ニース空港を飛び立ったヘリコプターは、サン=トロペのホテルへと向っていた。眼下に広がるのは青い海原。まさにコート・ダジュール(紺碧海岸)だ。そしてそこには何艘ものクルーザーやボートが白い航跡を残す。それはマクラーレンGTの軽快な走りを予感させたのだった。

今回マクラーレンGTの試乗会が南仏で行われると聞き、てっきりポール・リカール・サーキットかと思った。しかしよく聞くとサン=トロペからカンヌへの一般道という。サーキットではなく、それこそがこのクルマの魅力を味わうのに最適な体験ということだ。この誘いを断る手はないじゃないか。そして優雅な南仏ドライブという以上に心を衝き動かされたのが、もちろんマクラーレンGTだったことはいうまでもない。

まるでエントランスにクルマを乗りつけるように、ヘリコプターが着陸したのはル・ボーヴァロンの前庭。海に面した丘に建てられた、1914年創業の老舗プライヴェートホテルだ。10年以上前にフルリノヴェーションされた屋内外には現代アートが展示され、ベルエポック期の華やぎとモダニティが共存する。アプローチにはすでにマクラーレンGTが置かれ、まるでしつらえたステージのようだ。ダイナミズムとラグジュアリーが薫り立つスタイリングに、期待はますます高まる。


【Lifestyle for GT】

マクラーレンGTがこの6月にデビューし、多くのメディアを賑わしているのは知っていたが、こうして目前にするのは初めてだ。だが流麗なスタイリングは、多くのコンペティターが威圧的なオーラを発するのに対し、むしろ気負うことなく乗り込める雰囲気が漂う。それはこれまでのマクラーレンのシリーズにも感じたことだが、今回はそれ以上にグランツァラーという位置づけにもあるのだろう。

プレゼンテーションでも走行性能やテクニカルな説明よりも、GTの世界観であり、それを満喫するための上質さやユーザビリティ、ライフスタイルについて多く語られた。

たとえば車内で感じるエンジンや路面からのノイズの発生源を解析対処し、リフトシステムでアプローチアングルは10°/13°、ロードクリアランスも110mm/130mmとセダン並みに確保していること。さらにリアにはゴルフバッグが収納できる420ℓのスペースを確保し、500℃を超えるミドシップのエンジンルームもインテークから取り入れた風で200℃程度に抑え、断熱設計によりキャビンの快適性も損なわない。

そして魅力を補完するアイテムとして、ゴルフケース、トロリー、ダッフル、ガーメントケースといったオリジナルラゲッジに、ビスポークのサングラスも登場した。こうしたアクセサリーもマクラーレンGTを楽しむ提案のひとつ。それはファッションでいえばアスレジャーのように、軽やかでいてエフォートレス、そしてラグジュアリーなライフスタイルを想起させるのだ。


【Driving on GT】

前日とはうってかわり、試乗当日はあいにくの雨だった。だがGTを味わうにはむしろいいかもしれない。悪天候にひるむようではグランドツァラーとは呼べないからだ。

ブリーフィングでは、スタッフからサーキット走行用のトラックモード禁止の念を押される。もちろん620馬力という圧倒的なパワーをいなす勇気も腕もない。

ハンマーヘッドラインと呼ばれるスポーティなフロントマスクには150ℓのラゲッジスペースを秘め、そこに自分のトラベルトロリーを収めた。これも旅心を誘う実用機能だ。

ディへドラルドアを開き、早速乗り込んだ。そのドラマチックな演出に比して、自然なドライビングポジションや左右まで広がる視界に安心感を得る。オーセンティックなコックピットのスポーティな按配も丁度いい。

降りしきる雨の中、そろそろと用心して走り出した。だがすぐに狭い市街地や視認性の悪いラナバウトにも慣れた。それだけ見切りがよく、普通のクーペのように運転できるからだ。アクセルやブレーキはリニアに効き、水たまりにも足回りは素早く反応するとともに、路面状況を確実に伝え、安定感も抜群だ。

山道に入り、連続するつづら折りもストレスなく走ると、やがて視界が開けた先に、白く煙った湖が広がった。晴れていたらどんなに気持ちが良かっただろう。出発前の強がりも少々挫ける。でも心残りがあるからこそまた走りたくなるのだろう。じつは予定されていたコーヒーストップを見逃し、4時間近く走り続けてしまったが、それでもまだまだ走り足りないぐらいだ。

最終目的地のカンヌのホテルに着いた頃には、雨は上がっていた。キーを渡し、そのままバーでキールロワイヤルを一杯。あらためてジワッと高揚感が沁み渡った。降りても感動が続く。それがマクラーレンGTというクルマのあり方なのかもしれない。


【What’s Mclaren GT ?】

マクラーレンGTは、現行ラインナップであるスポーツ、スーパー、アルティメットに次ぎ、「グランドツァラー」というポジションを埋めるべく開発されたニューシリーズだ。カーボンモノコックシェルを採用したボディーサイズは全長×全幅×全高=4683×2045×1213mm、ホイールベース=2675mmとなり、全長は既存3シリーズよりも長く、大陸横断もできる安定した高速巡航性を備える。620馬力、最大トルク630Nmを発揮する4.0 ℓV8ツインターボを搭載。得意とするカーボンやアルミなどの素材を多用し、車重も1530kgに抑えた。合計570ℓのラゲッジスペースはゴルフバッグも収納可能で、快適性と日常使いの利便性を両立し、新たなファン層を開拓する。¥26,450,000〜


【マクラーレンGT 走行動画はこちら】


Mitsuru Shibata
1962年生まれ。コピーライター、出版社勤務を経てフリーランスに。時計の世界にハマってからは、毎年スイスを訪れ取材に勤しむ。数多くのメンズ誌への寄稿のほか、時計以外にもクルマやファッションなどにも精通し、慕う編集者は多数。


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