パット時のボールは"心臓の前"! "左目の下"がよくない理由~大本プロのパターレッスン⑨

ゴルフでは、「パッティングが全ストローク中の約40%を占める」という話がある。たとえば1ラウンド100打の人は、40回もパターを使っている計算だ。18ホールでこんなに使う番手は、ほかにない。パッティングの向上がスコア改善に直結すると言われるのも、素直に頷ける話だ。では、どうやったら上達するのだろうか。2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を受賞した大本研太郎プロのレッスンを、シリーズにわたってお届けする。


心臓の前にボールを置くを推奨

前回までで、パッティングのアドレスにおける体全体の理想的なセットアップのお話が終わりました。でも、セットアップにはもう一つ、重要なものが残っています。それは、ボールをどの位置に置いて構えるか、ということです。

世の中では、「左目の下にボールが来るように」といった教え方がありますが、私はこれについて、あまりよろしくないと思っています。なぜ、よくないかといえば、"左右にずれやすい"からです。たとえば、上りのパッティングや、下りのパッティングのときは、首が少し傾きがちですよね。常に頭が体に対して真っすぐな人のほうが、逆に少ないくらいです。その状態で、左目の下にボールを合わせると、毎回、体に対してのボールの位置が変わってしまうわけです。

私が推奨しているのは、左胸、つまりは心臓の前にボールを置くという方法です。状況によっての位置の変化が、頭ほどは大きくならないからです。

では、心臓の前にボールを持ってくるとして、自分からボールまでの前後の距離は、どうセットすればいいでしょうか。これも、両目のラインの真下という教えがありますが、私はもう少しアバウトに、「両目のラインから両眉のラインまでの範囲ならOK」と思っています。

基本は両目のラインの真下がいいのですが、あまりにきっちり、目の真下というふうに細かくすると、ボールを強く見る意識が強くなってしまいます。ボールに対しての意識が過剰になってしまうんです。前回も少しお話ししましたが、大事なのは、パターが気持ちよく動くようにすること。何かへの過剰な意識は、パターの気持ちよい動きを阻害する要因になります。「両目のラインから両眉のラインまで」という大きめの範囲にすれば、ボールを強く見ないようになります。

それともう一つ、自分からボールまでの前後の距離について言えば、両目のラインがボールよりも前方にある状態は、いちばんやってはいけないセットアップだと私は思っています。パッティングをしたとき、人は潜在意識でカップを見てしまいます。両目のラインとボールが揃っていれば、打った後に多少早くカップを見たとしても入ってくれますが、ボールが目のラインより内側にあるときに、もし一瞬早くカップを見ると、フェースがかぶって、左に引っかけてしまうのです。

逆に、両目のラインがボールより手前の場合、今度はフェースが開きます。でも人間は、閉じる動きを開くことは難しいのですが、開く動きについては多少調整することができます。だから、両目のラインがボールより少し手前であってもOKです。先ほどお話ししたように、「両眉のラインまでの範囲」としているのは、これも理由の一つです。

⑩に続く

大本研太郎
1974年生まれ。PGAティーチングプロA級。2012年、パターレッスン専用スタジオ「パットラボ」を開設。以来、とくにパッティングの研究とレッスンに熱心に取り組み、全国からプロを含めて多くのゴルファーが指導を受けにやってきている。2013年には、「GPC恵比寿」(東京・渋谷。パットラボも併設)をオープンさせ、ヘッドプロを務めている。2018年、PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。
GPC恵比寿
住所:東京都渋谷区恵比寿1-15-6 OAK2ビル5F
TEL:03-6409-6793 
営業時間:平日10:00~22:00、土・日・祝日9:00~21:00
休み:火曜
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Text=柴トシユキ Photograph=Getty Images


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