Where are you from?とWhere did you come from?の違いは?【英語レッスン】

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第27回!


「どこから来たの?」の正しい聞き方がわからない

ロンドンはたくさんの外国人が暮らしていて、中心街を歩いていれば、生粋のイギリス人よりも外国人の方が多いと感じるくらいです。初めて会う人との会話や、時にはスーパーの行列のなかでも、挨拶のように聞かれるのがこれです。

"Where are you from?"(どこから来たの?)

この質問は暗に国籍を聞いていますので

"I am from Japan" または "I am Japanese" 

と答えれば相手は「日本、行ったことあるよ」とか「ロンドンで旨い寿司屋はどこだ」などと返してくれるので会話のきっかけになります。

渡英当時、私も初対面の人にこの話題を振ってみようと、こう聞いてしまったことがありました。

"Where did you come from?"

「どこから来たの?」という日本語をそのまま英語にしているつもりだったのですが、実は国籍を聞きたい時はこの質問は相応しくないのです。この聞き方だと、「家から来た」とか「一旦職場に寄ってから来た」という答えを期待する「今、どこから来たのか」という質問になるようです。

日本語をそのまま英語にした、という点では以下の聞き方もよくやってしまっていましたがこれも同様に相応しくありません。

"Where do you come from?"

この質問だと、doという、現在形が入っていることに違和感を覚える人が多く、またどちらかというと「あなたはどこから来て、そしてどこに行くのか」というアイデンティティを問う質問になってしまうようです。

もちろん非ネイティブ同士、質問の意味は通じます。しかしビジネスの場なんかでも、相手を知ろうとすればこんな話題になることも多いかと思います。ぜひ私のような失敗はせずに、適切な”Where are you from?"を使ってください。また私は外国人かと思ってうっかりイギリス人に聞いてしまったことも何度かありましたが「実はスコットランドから来たんだ」とか「ウェールズだよ」などイングランド以外の話を聞くきっかけにもなったり、「ロンドン生まれロンドン育ちだけど、母はインド人なんだ」とか相手のバックグラウンドを知ることにもつながりました。

またネイティブ同士や、パーティなどでの砕けた場所では、areを省略して

"Where you from?"

と聞いたりもするそうです。

Buzz inってなんのこと?

ロンドンで、初めての場所に行くのはいつまで経ってもとても緊張します。私は語学学校に通い続ける予算が尽き、あちこちで行われている無料の語学クラスを転々としたり、就職支援センターに行ったりなど時々Google マップを片手に、新しい場所に行くことがあります。支援センターや、無料の学校はひっそりとした場所にあることが多く、「本当にこの裏道を行くのか?」と不安になったり、「建物はおそらくこれだがどうしても入り口が見つからない」ということもよくあります。また大体が雑居ビルの裏口のインターフォンを押して係の人と会話、セキュリティを解除してもらう、という入り方です。

裏道をくぐり抜けてやっとたどり着いた雑居ビル、しかし電話の英会話が極端に苦手な私は「ここに来た事情をインターフォン越しに英語で説明して鍵を開けてもらう」作業がさらに長い道のりに感じます。

初めてインターフォンを押さなければいけなかった時、雑居ビルの裏口にはこう書かれた張り紙がありました。

Push Number 101
you need to wait our staff buzz you in.

101を押せばいいのはわかったのですが、buzzがなんのことかわかりません。多分101を押したら人が出るんでしょうけど、もしbuzzに何か特殊な意味があったらどうしよう、「buzzしてください」とかインターフォン越しに言われたら、何をすればいいのだろう、と怯えていました。

buzz in =(スラングで)ブザーの先にいる人が、鍵を開けて、入ることを許可する

というそのままの意味でした。Buzz自体には「(羽などを)ブンブン鳴らす」「脅す」「ざわめく」「ブザーを鳴らす」などたくさんの意味があります。ネットスラングの「バズる」という日本語もここから来ていると思われます。今回の場合は、「電子システムを解除して人を建物の中に入れる」というとても特定的な意味となります。張り紙は意訳すれば「101を押して、スタッフが鍵を開けるまで待ってください」ということでした。

ちょっと考えればわかることなんですが、初めての場所に緊張していたのと、とっさにグーグル翻訳で調べても、buzzに意味がありすぎてどれが適切かわからず、少しパニックになっていたのでした。

後に調べると、「小学校のセキュリティ問題」を扱ったニュースで以下のようにも使われていました。

A lot of public schools installed a buzz in entry system.
「たくさんの公立校が、“バズ・イン・エントリー・システム”を取り入れた」
"バズ・イン・エントリー・システム"とはそのまま、電子施錠システムのことで、学校でも訪問した人はベルを鳴らして開けてもらわないと入れない、ということになります。

震えながら101を押すと、一瞬誰かがインターフォンをとった気配が伝わりましたが、何も言わずにすぐ鍵が開きました。緊張して損した気分でした。

そういえば、日本にいた頃、所属していた会社が同じような施錠システムを導入しており、新人だった私は鍵開け係としてスイッチの近くの席に座っていました。しょっちゅうブザーが鳴るので面倒くさくなって、用件を聞かずに、解錠ボタンを連打していたことを思い出しました。マクミラン英英辞書にはこういう例文もありました。

Don’t buzz in any visitors who are unknown to you.
(知らない人を建物に入れないようにしなさい)

もしいつかイギリスで就職できたら、きっとまた鍵開け係からスタートすることになると思うので、この例文を肝に命じたいと思います。

本文とは関係ありませんが、ビートルズのジャケットで有名な「アビイ・ロード」を通りかかった時に、「ビートルズマンホール」を見つけました。アルバム「アビイ・ロード」発売から今年で50年を記念して作られたものだそうです。
MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。


Illustration=Norio


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